東京歯科大学は【やばい】のか?ネット上で「やばい」と言われている理由を考察
「東京歯科大学」と検索すると、「やばい」といった関連キーワードが目に入ることがあります。
歯科医師を目指す受験生やその保護者にとっては、不安を感じてしまうワードかもしれません。
しかし、こうした評価が本当に妥当なのかは、冷静に検討する必要があります。
本記事では、東京歯科大学にまつわる「やばい」と言われてしまう背景について、ネット上の噂を踏まえながら解説していきます。
東京歯科大学の合併がやばい
東京歯科大学が「やばい」とささやかれる理由のひとつに、「慶應義塾大学との合併計画が白紙になった」という話題があります。
東京歯科大学と慶應義塾大学は、2020年11月末に合併協議を開始し、2023年度をめどに慶應に歯学部を統合する構想を発表しました。
もし実現していれば、慶應義塾大学に新たに歯学部が設置されることになり、国内トップレベルの総合大学としての競争力がさらに高まると予想されていました。
ところが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、双方の対応に時間的な余裕がなくなり、2021年11月25日には合併協議の期限を設けずに延長することが発表されます。
その後、2023年には再びスケジュールを見直すこととなり、明確な進展が見えないまま現在に至ります。
このような経緯から、「合併できなかった=やばい大学なのでは?」といった憶測がネット上に飛び交うようになったのです。
しかし、合併が白紙となった理由は、コロナ禍による運営上の課題であり、大学の質や信頼性そのものに直接関わる問題ではない点には注意が必要です。
東京歯科大学の学費がやばい

次に話題となっているのが「学費の高さ」です。私立の歯科大学はどこも学費が高額ですが、東京歯科大学も例外ではありません。
2025年度入学者の初年度納入額
区分 | 金額 |
---|---|
入学金 | 600,000円 |
授業料(前期・後期) | 3,500,000円 |
歯学教育充実費 | 4,300,000円 |
施設維持費 | 1,000,000円 |
父兄会費・学生会費 | 57,000円 |
計(初年度) | 9,457,000円 |
2年目以降も年間約453万円が必要となります。
このように、6年間通うと総額で約3,000万円以上の費用がかかる計算になります。
この学費の高さが、「やばい」と感じられる最大の要因の一つかもしれません。
ただし、これは東京歯科大学に限った話ではなく、他の私立歯学部でもおおむね同様の水準です。
歯学教育にかかるコストを考えると、ある程度仕方のない面もあるといえるでしょう。
東京歯科大学とは

東京歯科大学は、東京都千代田区に本部を置く私立大学で、日本最古の歯科大学として知られています。
- 創立年:1890年(明治23年)
- 大学設置:1946年(昭和21年)
- 学部:歯学部(単科大学)
終戦直後に旧制歯科医学専門学校から大学へ昇格した6つの歯科大学、通称「旧六」のひとつであり、日本の歯科医療教育の歴史を語るうえで欠かせない存在です。
その歴史の深さと実績から、業界内での信頼性は依然として高く、研究・教育ともに一定の水準を保っています。
東京歯科大学の偏差値は

東京歯科大学の偏差値は52.5(歯学部)とされています。(パスナビより)
私立歯科大学の中では中堅レベルの位置づけで、難関とまではいかないまでも、基礎学力がしっかりしていないと合格は難しいといえるでしょう。
なお、偏差値は大学の評価をすべて表すわけではなく、特に専門系単科大学では教育内容や国家試験合格率、実習環境などがより重要視される傾向にあります。
歯科医師国家試験の合格率

歯学部に進学する最大の目的は、歯科医師国家試験に合格し、歯科医師免許を取得することです。
東京歯科大学の国家試験合格率は以下のとおりです。
卒業年度 | 受験者数(新卒) | 合格者数 | 合格率 | 修業年限内合格率 |
---|---|---|---|---|
2023年度 | 121名 | 120名 | 99.1% | 71.0% |
2022年度 | 118名 | 111名 | 94.0% | 69.5% |
2021年度 | 126名 | 121名 | 96.0% | 71.0% |
新卒の合格率は非常に高く、毎年90%以上、直近では99.1%という驚異的な数字を叩き出しています。これだけの実績を誇ることから、教育体制や試験対策の質は極めて高いといえるでしょう。
一方、入学から6年間で卒業・合格する「標準修業年限内」の合格率は70%前後とやや低く見えますが、これは留年や再受験者の存在を示すもので、全国的に見ても大きく劣っているわけではありません。
まとめ:東京歯科大学は【やばい】のか?ネット上で「やばい」と言われている理由を考察
「東京歯科大学はやばいのか?」という問いに対して、本記事では主に以下のような観点から検証してきました。
- 合併白紙=大学の質が落ちたわけではない
- 学費は高額だが、他の私立歯科大学も同様
- 日本最古の歯科大学としての歴史と実績
- 偏差値は中堅ながらも、国家試験合格率は非常に高い
確かに、「学費の高さ」や「合併協議の白紙化」など、表面的に「やばい」と受け取られかねない事象は存在します。
しかし、それらは大学の教育レベルや信頼性とは必ずしも直結するわけではありません。
むしろ、国家試験の高い合格率や伝統のある教育体制を見れば、東京歯科大学は「やばいどころか、堅実で信頼できる大学」と言えるのではないでしょうか。
ネット上の噂やイメージに流されず、数字や実績に目を向けることが大切です。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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