上智大学VS国際基督教大学(ICU)どちらに行く?偏差値・就職・学費を比較
上智大学と国際基督教大学(ICU)は、いずれも語学教育や国際性に強みを持つ難関私立大学です。
どちらも「早慶上理ICU」に含めて語られることがありますが、教育制度やキャンパス環境は大きく異なります。
上智大学は、入学時から学部・学科に分かれて専門分野を学ぶ総合大学です。一方のICUは、入学後に幅広い分野を学び、2年次の終わりに専攻を決めるリベラルアーツ大学です。
そのため、偏差値や知名度だけで優劣を決めるよりも、どちらの教育スタイルが自分に合っているかを考える必要があります。
本記事では、上智大学とICUについて、偏差値、ダブル合格時の進学先、教育制度、留学、就職、学費、キャンパスなどを比較します。
- 上智大学とICUならどちらに行くべき?
- 上智大学とICUの比較一覧
- 偏差値・入試難易度を比較
- ダブル合格では上智大学とICUのどちらを選ぶ?
- 学部・専攻と教育制度の違い
- 少人数教育ではICUが特徴的
- 語学教育を比較
- 留学制度はどちらが充実している?
- キャンパスの立地を比較
- 就職率と主な就職先を比較
- 有名企業への就職力は上智大学がやや優勢
- 大学院進学ではICUの割合が高い
- 公務員・国際分野への進路
- 学費を比較
- ICUは給付型奨学金が充実
- 知名度・ブランド力はどちらが上?
- 学生の雰囲気と校風
- 上智大学を選ぶメリット・デメリット
- ICUを選ぶメリット・デメリット
- 上智大学とICUに関するよくある質問
- まとめ:上智大学VS国際基督教大学(ICU)どちらに行く?偏差値・就職・学費を比較
- 出典・参考資料
上智大学とICUならどちらに行くべき?
最初に結論を示すと、上智大学とICUの選択は次のように考えられます。
上智大学が向いている人
- 入学前から学びたい専門分野が決まっている
- 学部・学科に所属して体系的に専門性を高めたい
- 四谷の都心型キャンパスで大学生活を送りたい
- 国内の知名度や企業就職の幅を重視したい
- 英語以外の外国語も本格的に学びたい
- 大学外でのインターンや活動にも積極的に参加したい
ICUが向いている人
- 入学後に複数分野を学んでから専攻を決めたい
- 少人数の対話型授業を重視したい
- 英語で考え、議論し、論文を書く力を身につけたい
- 文系と理系の境界を越えて学びたい
- 緑豊かなキャンパスや学生寮で濃密な人間関係を築きたい
- 国内外の大学院進学も視野に入れている
簡潔にいえば、専門分野が決まっているなら上智大学、幅広く学んでから専門を選びたいならICUが有力です。
上智大学とICUの比較一覧

| 比較項目 | 上智大学 | 国際基督教大学(ICU) |
|---|---|---|
| 教育組織 | 9学部29学科 | 教養学部1学部1学科 |
| 偏差値 | 52.5~70.0 | 65.0~67.5 |
| 共通テスト利用 | あり | なし |
| 専門の決定 | 出願時に学部・学科を選択 | 2年次末にメジャーを選択 |
| 教育の特徴 | 専門教育と多言語教育 | リベラルアーツと少人数教育 |
| 主なキャンパス | 四谷 | 三鷹 |
| キャンパス環境 | 都心型 | 郊外・自然型 |
| 有名企業400社実就職率 | 35.0% | 28.2% |
| 大学院進学 | 約13% | 約20% |
| 学費 | 学部により異なる | 教養学部で一律 |
| 知名度 | 全国的に高い | 知る人ぞ知る少数精鋭型 |
※偏差値と共通テスト得点率はパスナビ掲載値。就職・進学に関する数値は年度や集計方法が異なるため、単純な優劣を示すものではありません。
偏差値・入試難易度を比較
上智大学の偏差値
パスナビによる上智大学の偏差値と共通テスト得点率は、以下のとおりです。
| 学部 | 共通テスト得点率 | 偏差値 |
|---|---|---|
| 神学部 | 75~84% | 57.5 |
| 文学部 | 80~88% | 60.0~67.5 |
| 総合人間科学部 | 74~88% | 52.5~65.0 |
| 法学部 | 85~89% | 60.0~65.0 |
| 経済学部 | 83~88% | 62.5~70.0 |
| 外国語学部 | 77~88% | 57.5~65.0 |
| 総合グローバル学部 | 84~88% | 65.0 |
| 理工学部 | 80~85% | 57.5~62.5 |
上智大学全体の偏差値は52.5~70.0、共通テスト得点率は74~89%です。
最も高い数値は経済学部の偏差値70.0です。文学部も最高67.5、総合グローバル学部は65.0となっており、国際系以外の学部も難関です。
ただし、学部・学科や入試方式によって難易度に差があります。
ICUの偏差値
ICUは、教養学部アーツ・サイエンス学科のみの1学部1学科制です。
| 学部 | 共通テスト得点率 | 偏差値 |
|---|---|---|
| 教養学部 | ― | 65.0~67.5 |
ICUには共通テスト利用入試がないため、共通テスト得点率は掲載されていません。
偏差値65.0~67.5は、上智大学の文学部・経済学部・総合グローバル学部などの上位方式と重なる水準です。
偏差値ではどちらが上?
大学全体の偏差値レンジだけを見ると、最高値は上智大学の70.0です。ただし、上智大学は学部数が多いため、偏差値の幅も大きくなります。
一方、ICUは教養学部だけで65.0~67.5となっており、大学全体として難易度が高いのが特徴です。
したがって、次のように整理できます。
- 最高偏差値では上智大学が上
- 大学全体の偏差値の安定感ではICUが高い
- 上智大学の上位学部とICUはおおむね同じ難関帯
- 入試方式が大きく異なるため、偏差値だけでの単純比較は難しい
ICUの入試では、単純な知識量だけでなく、資料を読み解く力や論理的な思考力も問われます。偏差値が近くても、必要な対策は同じではありません。
ダブル合格では上智大学とICUのどちらを選ぶ?
上智大学とICUの両方に合格した受験生の進学先は、時代や比較対象となる学部によって変化しています。
週刊ダイヤモンドが紹介した2014年のデータでは、ICUと上智大学外国語学部のダブル合格者のうち、ICUを選んだ割合が82%、上智大学外国語学部が18%でした。
当時は、国際系の教育を志向する受験生からICUが強く支持されていたことが分かります。
その後も2010年代後半から2020年頃までは、両校の比較でICUが選ばれやすい傾向が見られました。一方、近年は上智大学の国際化や教育プログラムの充実も進み、両校の選択は以前より拮抗しているとする分析があります。
ただし、ダブル合格データを見る際には注意が必要です。
2014年の数字は「ICU教養学部対上智大学外国語学部」の比較であり、上智大学全体との比較ではありません。また、調査機関や回答者数、対象学部によって結果が変わります。
したがって、現在の選択傾向を「必ず上智」「必ずICU」と断定するのは適切ではありません。
ダブル合格時には、次の違いが判断材料になります。
- 都心で専門分野を学びたいなら上智大学
- 三鷹でリベラルアーツ教育を受けたいならICU
- 国内での知名度や就職先の幅を重視するなら上智大学
- 少人数教育や専攻選択の自由度を重視するならICU
現在は序列よりも、教育スタイルとの相性によって選択が分かれる組み合わせだと考えられます。
学部・専攻と教育制度の違い
上智大学は学部・学科別の専門教育
上智大学には、次の9学部があります。
- 神学部
- 文学部
- 総合人間科学部
- 法学部
- 経済学部
- 外国語学部
- 総合グローバル学部
- 国際教養学部
- 理工学部
9学部29学科を擁し、受験時に学部・学科を選択します。
学びたい分野が決まっている学生にとっては、入学直後から専門科目へ段階的に進めることがメリットです。
法学、経済学、外国語、国際関係、心理学、教育学、理工学など、専門分野が明確に整理されています。他学部の科目を履修する機会もあり、専門性を軸にしながら周辺分野へ学びを広げられます。
また、英語で学位取得を目指す国際教養学部のほか、複数の学科が参加するSPSF(Sophia Program for Sustainable Futures)も展開されています。
ICUは入学後に31のメジャーから選ぶ
ICUは「教養学部アーツ・サイエンス学科」の1学部1学科制です。
学生は入学時点で特定の学部や専攻に固定されません。1・2年次に人文科学、社会科学、自然科学などを幅広く学び、原則として2年次の終わりに31のメジャーから専門分野を選びます。
メジャーの選び方は次の3通りです。
- シングルメジャー:1つの分野を専攻
- ダブルメジャー:2つの分野を同等に専攻
- メジャー・マイナー:主専攻と副専攻を組み合わせる
例えば、国際関係学と経済学、心理学と教育学、情報科学と数学など、関心に応じて複数分野を横断できます。
「高校生の段階では専門を一つに絞れない」「文系と理系の両方に興味がある」という人には、ICUの仕組みが合っています。
一方、医療や建築など、ICUに設置されていない専門分野を学びたい場合は、他大学を選ぶ必要があります。
少人数教育ではICUが特徴的
ICUでは、講義を一方的に聞くだけでなく、学生同士や教員との対話を重視しています。
専任教員1人当たりの学生数が少なく、1年次からアドヴァイザーが履修や大学生活を支援します。少人数の授業では、発言、討論、レポート作成などへの積極的な参加が求められます。
学生にとっては教員との距離が近い一方、自分で考えて発言する姿勢が欠かせません。
上智大学にも少人数授業や語学クラスはありますが、大学全体の規模はICUより大きく、授業形式は学部や科目によって異なります。
きめ細かな対話型教育を大学全体の特徴として重視するなら、ICUに魅力があります。
語学教育を比較
上智大学は多言語・多文化教育に強い
上智大学では、英語だけでなく、フランス語、ドイツ語、イスパニア語、ロシア語、ポルトガル語など、幅広い外国語を学べます。
開講言語は22言語に及び、特定の言語とその地域の政治、文化、歴史を組み合わせて学べることが特徴です。
外国語学部では、語学を目的ではなく、地域や社会を研究するための手段として深く学びます。
国際教養学部では原則として授業が英語で行われ、SPSFでも英語による専門教育を受けられます。
英語以外の外国語を専門的に学びたい人には、上智大学の選択肢の多さが大きなメリットです。
ICUは英語で考えるためのELAが中心
ICUでは、原則として全員がリベラルアーツ英語プログラム「ELA」を履修します。
ELAは英会話を中心としたプログラムではありません。英語の文献を読み、批判的に考え、議論し、アカデミックな文章を書くための教育です。
入学時の英語力に応じて少人数クラスに分かれ、同じクラスの学生と継続的に学びます。
すでに英語が得意な学生だけでなく、大学で英語による学術的思考力を本格的に身につけたい人にも適した環境です。
留学制度はどちらが充実している?
上智大学は、大学の規模を生かした幅広い海外ネットワークを持っています。北米やヨーロッパだけでなく、アジア、中南米、中東、アフリカなどにも協定校があり、言語や専攻に応じて留学先を検討できます。
ICUも海外大学との交換留学や海外留学協定を結んでいます。公式案内では、2025年3月時点で世界31カ国・地域84校との協定が紹介されています。
上智大学は留学先の選択肢の多さ、ICUは小規模大学ならではの国際的な教育環境が特徴です。
ただし、「協定校が多い大学ほど留学しやすい」とは限りません。留学先ごとの募集人数、語学要件、成績基準、費用、単位認定を確認する必要があります。
キャンパスの立地を比較
上智大学は四ツ谷駅前の都心型
上智大学の中心となる四谷キャンパスは、東京都千代田区紀尾井町にあり、JR・東京メトロ四ツ谷駅から徒歩圏内です。
新宿、東京、渋谷などへの移動もしやすく、企業、官公庁、大使館、文化施設などにもアクセスしやすい環境です。
キャンパスはコンパクトですが、多くの学部・学年の学生が集まるため、専門分野を越えた交流が生まれやすくなっています。
授業後のインターン、アルバイト、就職活動などを重視する人には便利です。
なお、総合人間科学部看護学科では目白聖母キャンパスも使用します。
ICUは三鷹の自然豊かなキャンパス
ICUは東京都三鷹市にあり、武蔵境駅や三鷹駅などからバスを利用します。
キャンパスの面積は約62万平方メートルで、東京ドーム約13個分に相当します。四谷の上智大学とは対照的な、緑の多い郊外型キャンパスです。
ICUには学部・大学院生向けの学生寮が10棟あり、定員は約900人です。全学生の約3割がキャンパス内で共同生活を送ります。
学生寮は単なる住居ではなく、異なる言語や文化的背景を持つ学生が対話を重ねる教育の場として位置づけられています。
都心へのアクセスより、大学内での濃密な学びやコミュニティを重視する人に向いています。
就職率と主な就職先を比較

上智大学の就職実績
上智大学は1学年約2,900人を擁し、大学公式情報では就職率が約97%とされています。
主な就職先には、次のような企業があります。
- アクセンチュア
- 日本IBM
- 日立製作所
- NTTデータ
- 日本航空
- リクルート
- 三菱UFJ銀行
- 楽天グループ
- 三菱電機
IT、コンサルティング、金融、メーカー、航空、マスコミなど、幅広い業界へ卒業生を送り出しています。
大学の規模が大きいため、就職者の実数や業界の幅では上智大学が目立ちます。
ICUの就職実績
ICUは1学年約600人の小規模大学ですが、コンサルティング、IT、航空、金融などへの就職実績があります。
主な就職先としては、次の企業が挙げられます。
- アクセンチュア
- デロイト トーマツ
- PwCコンサルティング
- 全日本空輸
- 日本航空
- 楽天グループ
特に、英語力、論理的思考力、プレゼンテーション能力を生かせる業界との相性がよいと考えられます。
ただし、上智大学とICUでは卒業生数が大きく異なるため、就職人数だけで優劣を判断することはできません。
有名企業への就職力は上智大学がやや優勢
大学通信の2025年版「有名企業400社実就職率」では、次の数値が示されています。
- 上智大学:35.0%
- ICU:28.2%
この指標に限れば、上智大学がICUを上回っています。
ただし、有名企業400社実就職率は、指定された企業への就職状況を示す指標です。大学院進学、海外進学、公務員、国際機関、NGO、スタートアップなどは十分に反映されません。
ICUは大学院へ進学する学生の割合が比較的高いため、有名企業400社実就職率だけで就職力を判断するのは適切ではありません。
それでも、日本国内の大手企業への就職を中心に考える場合、上智大学の就職先の幅と実績は大きな魅力です。
大学院進学ではICUの割合が高い
大学院進学率の目安は、上智大学が約13%、ICUが約20%です。
上智大学では、理工学部の学生が大学院進学率を押し上げており、多くの文系学生は学部卒業後に企業や官公庁へ就職します。
ICUでは文系・理系を問わず卒業研究に取り組み、国内外の大学院へ進む学生が一定数います。学士課程と博士前期課程を原則5年で修了できる「5年プログラム」も用意されています。
大学院進学や研究活動を視野に入れるならICU、学部卒業後の企業就職を中心に考えるなら上智大学が比較的選びやすいでしょう。
公務員・国際分野への進路
上智大学からは、国家公務員、東京都庁、地方自治体などへの就職者が出ています。法学部や総合グローバル学部、外国語学部などで学んだ専門性を、公務や国際協力に生かすことができます。
ICUでも、官公庁、JICA、NPO・NGOなどに関心を持つ学生が見られます。
ただし、国連などの国際機関では、大学院修了や実務経験、専門性が求められる場合が多くあります。大学卒業後すぐの就職先と、中長期的な卒業生のキャリアは分けて考える必要があります。
学費を比較
上智大学の学費
上智大学は学部・プログラムによって学費が異なります。
2026年度の参考値では、初年度納入金の目安は次のとおりです。
- 一般的な文系学部:約140万円
- 国際教養学部:約167万円
- SPSF:約164万円
- 理工学部:約195万円
4年間の総額は、一般文系学部で約485万円、国際教養学部では約585万円が目安です。
授業料などは改定される可能性があるため、入学年度の学費表を確認してください。
ICUの学費
ICUは教養学部1学部のため、文系・理系を問わず学費は基本的に同じです。
ICU公式サイトによると、2027年度の授業料と施設費は年額155万7,000円です。これに入学時のみ必要な入学金が加わります。
2027年度以降の公表額をもとにすると、4年間の総額はおおむね650万~670万円程度になると考えられます。
一般的な上智大学の文系学部と比べると、ICUの学費負担は大きくなります。
ICUは給付型奨学金が充実
ICUは学費が高い一方、2027年度入学者を対象とした給付型奨学金を拡充しています。
ICU Cherry Blossom奨学金
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県以外に設置された国内高校などの出身者を対象とする予約採用型奨学金です。
入学金と、各年度の第1・第2学期の授業料・施設費が原則4年間免除されます。2027年度の免除額は約133万8,000円です。
4年間受給した場合の自己負担は、授業料・施設費の合計で約200万円となり、大学公式サイトでは国立大学と同程度の負担額になると説明されています。
ただし、一部の入試は対象外で、出身高校や家計などの応募条件があります。
ICUトーチリレー High Endeavor奨学金
経済的な支援を必要とし、高い志を持つ学生を対象とする制度です。
入学金と、各年度第1学期の授業料・施設費が原則4年間免除されます。2027年度の免除額は約81万9,000円です。
一般選抜では、採用条件を満たす人全員への採用が予定されています。その他の選抜では採用予定人数が設定されています。
ICU Peace Bell奨学金
採用予定人数は14人で、入学金、授業料、施設費、入寮費、寮費が原則4年間免除されます。
2027年度の支援額は、寮費の概算を含めて約260万7,500円です。
非常に手厚い制度ですが、採用人数が限られている点には注意が必要です。
上智大学の奨学金
上智大学にも、経済的理由で進学が難しい成績優秀者を対象とした「上智大学新入生奨学金」があります。
初年度授業料の全額、2分の1、3分の1相当額が減免される制度のほか、在学生向けの修学奨励奨学金や学業成績を評価する制度もあります。
学費の額だけで進学先を決めず、応募できる奨学金と採用条件を含めて実質負担額を比較しましょう。
知名度・ブランド力はどちらが上?
全国的な知名度は上智大学
一般的な知名度では、上智大学が優勢です。
上智大学は「早慶上智」と呼ばれることがあり、首都圏だけでなく全国の受験生や企業にも広く知られています。卒業生数もICUより多く、企業や社会で接する機会が多いことも認知度につながっています。
国内企業への就職や、大学名の分かりやすさを重視するなら、上智大学に安心感があります。
ICUは教育内容で評価される少数精鋭型
ICUは1学年約600人の小規模大学であるため、一般社会での知名度は上智大学ほど高くない地域もあります。
一方、リベラルアーツ、少人数教育、英語教育、国際性に関心のある層からは高く評価されています。
企業の採用担当者や教育関係者には知られている難関大学ですが、「知名度が低い=評価が低い」という意味ではありません。
上智大学は広く知られるブランド、ICUは教育内容によって選ばれる専門性の高いブランドと整理できます。
学生の雰囲気と校風
上智大学は国際的で都会的
上智大学はカトリック・イエズス会を母体とし、「他者のために、他者とともに」という教育精神を掲げています。
四谷の都心型キャンパスには、さまざまな学部、言語、文化的背景を持つ学生が集まります。
学生の雰囲気については、真面目、国際志向、都会的、穏やかと評されることがあります。ただし、9学部を持つため、学部や所属団体によって雰囲気は異なります。
ICUは自由で対話を重視
ICUでは、一人ひとりの自由や主体性、異なる価値観を持つ人との対話が重視されます。
入学時には、世界人権宣言の原則を尊重する学生宣誓を行います。教育制度だけでなく、学生寮や課外活動でも学生が主体的に運営へ関わる文化があります。
自分の関心を深く掘り下げたい学生や、周囲と議論しながら考えを磨きたい学生には魅力的です。
一方、受け身の姿勢では自由度の高さを生かしきれない可能性があります。
上智大学を選ぶメリット・デメリット

メリット
- 学部・学科ごとの専門教育を受けられる
- 国内での知名度が高い
- 大手企業への就職実績が幅広い
- 四谷駅から近く、学外活動にも便利
- 英語以外にも多数の外国語を学べる
- 文系から理工系まで学部の選択肢がある
デメリット
- 学部を決めて入学するため、進路変更の自由度はICUより低い
- 都心型でキャンパスがコンパクト
- 少人数教育の程度は学部や授業によって異なる
- 国際教養学部や理工学部は一般文系より学費が高い
ICUを選ぶメリット・デメリット
メリット
- 入学後に31のメジャーから専攻を選べる
- 文系・理系の境界を越えて学べる
- 少人数・対話型教育が充実している
- ELAで英語による学術的思考力を鍛えられる
- 広大で自然豊かなキャンパス
- 教育寮で密度の高い共同生活を経験できる
- 大学院進学を選ぶ学生の割合が比較的高い
デメリット
- 上智大学の一般文系より学費が高い
- 都心へのアクセスでは上智大学に劣る
- 学びたい専門が明確な人には、最初の2年間が遠回りに感じられる場合がある
- 学生数と卒業生数が少なく、一般的な知名度では上智大学に及ばない
- 自由度が高い分、自分で履修や進路を設計する必要がある
上智大学とICUに関するよくある質問
上智大学とICUではどちらが難しいですか?
パスナビの偏差値では、上智大学が52.5~70.0、ICUが65.0~67.5です。上智大学の上位学部とICUは同じ難関帯ですが、入試方式が異なるため単純には比較できません。
偏差値が高いのはどちらですか?
最高偏差値は上智大学経済学部の70.0です。ただし、ICUは教養学部全体が65.0~67.5となっており、大学全体として高い難易度を保っています。
ダブル合格ではどちらが選ばれますか?
2014年の上智大学外国語学部との比較ではICUが82%を占めました。近年は以前より拮抗しているとする分析もありますが、比較学部や調査条件によって結果が変わります。
就職に強いのはどちらですか?
国内大手企業への就職実績や有名企業400社実就職率では、上智大学がやや優勢です。一方、ICUもコンサルティング、IT、航空などへの実績があり、大学院進学者も多いため、単純な就職率だけでは評価できません。
外資系企業に強いのはどちらですか?
両校とも外資系企業への就職者を輩出しています。ICUは少人数教育やELAとの相性がよく、上智大学は学生数と専攻の幅を生かして多様な企業へ卒業生を送り出しています。
英語力を伸ばせるのはどちらですか?
英語で批判的に考え、議論し、論文を書く力を全学的に鍛えたいならICUが特徴的です。英語に加えて多様な外国語や地域研究を学びたいなら上智大学が向いています。
留学制度が充実しているのはどちらですか?
協定校の選択肢では上智大学の規模が大きい一方、ICUも小規模大学として充実した交換留学制度を持っています。希望地域、専攻、語学要件、費用まで確認して選びましょう。
学費が安いのはどちらですか?
上智大学の一般文系学部の方が安い傾向です。ただし、ICUには地方出身者や経済的支援が必要な学生を対象とした手厚い奨学金があります。
キャンパスが便利なのはどちらですか?
交通アクセスでは、四ツ谷駅に近い上智大学が便利です。ICUは駅からバス移動が必要ですが、自然豊かで広大なキャンパスを利用できます。
知名度が高いのはどちらですか?
全国的な知名度では上智大学が上です。ICUは一般知名度では上智大学に及ばない地域もありますが、国際教育やリベラルアーツの分野では高く評価されています。
まとめ:上智大学VS国際基督教大学(ICU)どちらに行く?偏差値・就職・学費を比較
上智大学とICUは、どちらも国際性に強い難関私立大学ですが、大学教育の設計思想が異なります。
上智大学は、学部・学科を選んで入学し、早い段階から専門性を高める大学です。四谷の立地、全国的な知名度、幅広い企業への就職実績も魅力です。
ICUは、入学後にさまざまな分野を学び、2年次末にメジャーを決めます。少人数教育、ELA、文理横断型のカリキュラム、教育寮など、対話を通じて自分の学びを組み立てられる環境があります。
最終的には、次の基準で選ぶとよいでしょう。
- 専門分野を決めて入学したい:上智大学
- 入学後に専門を選びたい:ICU
- 都心で活動的に過ごしたい:上智大学
- 自然豊かな環境で学問に集中したい:ICU
- 国内での知名度や企業就職を重視:上智大学
- 少人数教育や大学院進学を重視:ICU
- 多言語・地域研究に興味がある:上智大学
- 英語での議論・論文作成を重視:ICU
偏差値や大学名だけでなく、授業方法、キャンパス、学費、卒業後の進路まで比べることが、後悔しない大学選びにつながります。
首都圏の国際性に強い難関私大を幅広く検討している人は、青山学院大学と立教大学はどちらに行くべきかを比較した記事も参考にしてください。
出典・参考資料
入試難易度・偏差値
上智大学の教育・学費・奨学金
ICUの教育制度・キャンパス
学費・奨学金
就職・進学実績
- 上智大学「就職(内定先)・進路統計」
- 上智大学「刊行物・就職(内定先)統計」
- 上智大学「進学者数・就職者数などの情報公開」
- 国際基督教大学「進路実績」
- 大学通信オンライン「2025年・著名400社実就職率ランキング」
ダブル合格時の進学先
- 『週刊ダイヤモンド』2014年10月18日号「ビジネスマンによる大学評価」
- ICU入試対策サイト「ICU大学ランキング、ダブル合格者の進学先」
※2014年のダブル合格データは、主に「ICU教養学部と上智大学外国語学部」の比較です。大学全体の選択率ではなく、年度や対象学部によって結果が変わる点に注意してください。

私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。

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