海上保安大学校は【厳しい】のか?ネット上で「厳しい」と言われている理由を考察
大学選びにおいて、学生生活や将来の進路とともに、学校の環境が「厳しいのかどうか」も気になるポイントの一つです。
特に「海上保安大学校 厳しい」と検索されるように、志望者やその保護者は、どのような学校生活が待っているのか不安に思うことも多いでしょう。
本記事では、海上保安大学校が「厳しい」と言われる理由について、生活環境や訓練内容、制度面などをもとに冷静にしていきます。
海上保安大学校が厳しいのは社会人となるため
海上保安大学校は、一般的な大学とは異なり、入学と同時に「国家公務員(海上保安官候補)」としての立場を得ます。
つまり学生でありながらすでに社会人としてのスタートを切るわけです。
これが、生活や訓練の「厳しさ」の根本的な理由です。
経済的には安定、しかし社会人としての責任が
学生でありながら毎月給与が支給され、ボーナスも支給されるため、親の経済的負担をかけずに学業に集中できる点は大きなメリットです。
一方で、国家公務員としての自覚と行動が求められ、私的な行動や自由は制限される場面もあります。
団体生活が基本
学生は原則として「自習室(男女別)」と呼ばれるスペースで、学年間を越えて同部屋で生活を送ります。
つまり、各学年1名ずつの計4名で日常を共にする形です。
団体生活では、お互いの立場を尊重しながら規律ある生活を送る必要があり、自然と礼節やリーダーシップ、協調性が身につきます。
海上保安大学校の生活リズムは規則正しい

以下が日課の一例です。日課表より
時間 | 内容 |
---|---|
06:30 | 起床・整列・体操・掃除 |
07:10 | 朝食 |
08:20 | 課業整列 |
08:45〜 | 授業 |
12:00〜 | 昼食 |
13:00〜 | 授業・体育・部活動 |
17:15 | 夕食・入浴・自習・外出(制限有) |
22:15 | 帰校門限 |
22:30 | 消灯巡検 |
一般的な大学生が自由な時間を満喫する一方で、海上保安大学校の学生は、日課に従った団体行動を基本とする生活を送ります。
これが「厳しい」と言われる大きな要因の一つです。
海上保安大学校が厳しい環境の理由は?

なぜここまで規律や集団生活が重視されているのでしょうか。
その背景には、「海の安全を守るプロフェッショナル」としての素地を養うという明確な目的があります。
1. 自己成長につながる
厳しい生活や訓練を経験することで、自分の限界を乗り越えられる力が身につき、自己肯定感や達成感を得られます。
2. 仲間との絆が深まる
苦楽をともにすることで、同期との信頼関係や一体感が生まれ、生涯の友人とも呼べる仲間ができます。
3. 責任感の涵養
日々の寮生活や週番制度などを通して、自分が果たすべき役割を理解し、責任を持って行動する習慣が身につきます。
4. 将来への自信
どのような環境でも自分を律して成果を出す力は、将来の職務において確実に生きてきます。
厳しさは、自信へとつながるのです。
海上保安大学校とは
海上保安大学校は、広島県呉市若葉町5-1に位置する、国土交通省所管の省庁大学校です。
海上保安庁の将来の幹部職員(幹部海上保安官)を養成する目的で設立されました。
各国の沿岸警備隊が設ける「沿岸警備学校(Coast Guard Academy)」に相当する教育機関であり、国際的な連携や視野も意識したカリキュラムが用意されています。
海上保安大学校の偏差値は

一般的な大学とは異なり、学部組織はなく、独自の選抜方式で学生を募集しています。
偏差値は参考値として42.5程度とされていますが、入試は学力だけでなく、人物評価や適性も重視されるため、一概に偏差値だけで難易度を測ることはできません。
卒業後の進路は

海上保安大学校の本科を卒業後、以下のような進路が用意されています。
専攻科・国際業務課程
専攻科では国際的な業務に対応するための実用英語能力や国際関係の知識を学び、研修科では現地勤務に必要な実務能力を習得します。
初級幹部としての勤務
国際業務課程修了後、巡視船や航空機に乗り込み、海難救助、密輸対策、海洋環境保護、海上交通の安全確保など、現場の第一線で活動します。
将来は本庁勤務も
現場経験を経て、本庁や管区本部などで政策企画、行政調整、他省庁との折衝といった重要な業務にも携わります。
国家レベルの視点で日本の安全に貢献できるキャリアが用意されています。
まとめ:海上保安大学校は【厳しい】のか?ネット上で「厳しい」と言われている理由を考察
海上保安大学校が「厳しい」と言われるのは事実です。しかし、その厳しさは無意味なものではなく、将来、国の海上安全を担う人材を育成するための、必要な通過点でもあります。
規律正しい生活、自立を求められる日々、仲間との絆や責任感を育む仕組みは、すべてが海上保安官としての資質を高めるためのものです。
もし「海上保安大学校は厳しいから不安…」と感じている方がいれば、それは自然なことです。
しかし、その厳しさを乗り越えた先には、他では得られない経験と誇りある職務が待っています。
将来、海の安全を守り、社会に貢献する仕事に興味がある方は、ぜひ一度、海上保安大学校の門を叩いてみてはいかがでしょうか。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
コメント