山口県立大学は【Fラン】なのか?ネット上で「Fラン」と言われている理由を考察
「山口県立大学 Fラン」という検索をした方は、「地方の公立大学って就職どうなの?」「偏差値が高くないとFランなの?」といった不安を抱えているかもしれません。
確かに、ネット上では「Fラン大学」という表現が安易に使われがちですが、実際にその大学の中身を見ずにレッテルを貼るのは早計です。
この記事では、山口県立大学がFランと呼ばれる理由について考察していきます。
山口県立大学はFランと言われているのは倍率が低い?
まずは入試の倍率から見ていきましょう。
2024年度の山口県立大学の全選抜合計倍率は以下の通りです。
- 国際文化学部:1.9倍
- 社会福祉学部:1.9倍
- 看護栄養学部:2.5倍
ちなみに2023年度の倍率は、
- 国際文化学部・社会福祉学部:1.5倍
- 看護栄養学部:3.0倍
確かに都市圏の人気私立大学などと比べると倍率は控えめですが、「定員割れ」しているわけではありません。
1.5倍以上の倍率がある大学を「Fラン」と断じるのは無理があります。
山口県立大学がFランと言われているのは地方の公立大学だから

「山口県立大学 Fラン」と検索される背景には、「地方の大学=Fラン」というイメージがネット上で広がっていることも関係しています。
少子化の影響で、18歳人口は年々減少しています。
2024年度の18歳人口は約106万人で、前年より約30万人減少。
大学全体の定員が過剰気味となり、特に地方大学は厳しい競争にさらされています。
実際に私立大学の公立化が検討されている例もあり、以下のような大学が話題になっています。
- 千葉科学大学
- 長浜バイオ大学
- 美作大学
- 九州看護福祉大学
ただし、山口県立大学はもともと山口県が設置する公立大学です。
公的支援のある大学であり、教育水準も一定に保たれています。
「地方にあるからFラン」というのは、根拠のないイメージにすぎません。
山口県立大学とは

山口県立大学は、1941年に前身となる学校が創立され、1996年に大学として設置された公立大学です。
所在地は山口県山口市桜畠。
設置されている学部と学科は以下の通りです。
- 国際文化学部
- 国際文化学科(定員50名)
- 文化創造学科(定員45名)
- 情報社会学科(定員40名)
- 社会福祉学部
- 社会福祉学科(定員103名)
- 看護栄養学部
- 看護学科(定員55名)
- 栄養学科(定員42名)
いずれの学部も、地域社会に根ざした実践的な学びを特徴としており、看護・福祉・国際文化などの分野で専門性を深めることが可能です。
山口県立大学の難易度は

Fランかどうかを判断する材料として、「共通テストの得点率」も見ておきましょう。
- 国際文化学部:共テ得点率 64%~71%
- 社会福祉学部:共テ得点率 56%~65%
- 看護栄養学部:共テ得点率 58%~63%
これは全国の中堅国公立大学と同程度の水準であり、少なくとも「誰でも入れる」といったFランのイメージとは程遠いレベルです。
卒業生の就職先は

Fランかどうかの印象は「就職実績」でも左右されますが、山口県立大学の卒業生の進路は実に多様で、安定した就職先が目立ちます。
国際文化学部の主な就職先
- 広島市職員(行政)
- 大分県職(司書)
- 山口県内の公立高校・中学校
- 福岡銀行
- 日本航空
- ニトリホールディングス
社会福祉学部の主な就職先
- 山口県職員(社会福祉)
- 広島市立特別支援学校
- 山口大学医学部附属病院
- 日本通運
- 西京銀行
看護栄養学部の主な就職先
- 厚生労働省(衛生監視)
- 山口県立総合医療センター
- ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本
- 山口赤十字病院
公務員、医療機関、大手企業への就職実績があり、地域社会でも信頼されている大学であることが伺えます。
まとめ:山口県立大学は【Fラン】なのか?ネット上で「Fラン」と言われている理由を考察
「山口県立大学 Fラン」といった言葉だけで大学の価値を判断してしまうのは非常にもったいないことです。
倍率や偏差値を見ても、地方の公立大学の中では十分健闘しており、教育環境・就職実績・公的支援の安定性のどれをとってもFランとは呼べない水準にあります。
むしろ、地域に根ざした実践教育と、着実な就職支援を提供する堅実な大学として、山口県内外の学生から評価されるべき大学です。
「地方だから」「倍率が低いから」というだけでFランと決めつける前に、実際のデータと実績をしっかり見極めましょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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