獨協医科大学は【恥ずかしい】のか?ネット上で「恥ずかしい」と言われている理由を考察
医学部といえば、日本国内でも最も偏差値が高く、志望者も多い学部のひとつです。
そのため、医学部に所属する大学も総じて「賢い」「すごい」といったポジティブな印象を持たれやすい傾向にあります。
しかし、その一方で、ネット上では「恥ずかしい」と評される大学も存在します。
今回取り上げる獨協医科大学もその一例です。
Google検索で「獨協医科大学」と入力すると、「獨協医科大学 恥ずかしい」との意見が散見されます。
果たして、なぜこのような声があがっているのでしょうか?
本記事では、ネット上で「恥ずかしい」と言われている理由を考察していきます。
獨協医科大学の初期研修医採用サイトのプロモーションが恥ずかしい
「獨協医科大学は恥ずかしい」とネットで話題になった大きな理由のひとつが、過去の実施した初期研修医採用サイトのプロモーションキャンペーン「Dの血族」です。
このキャンペーンでは、映画のような世界観や演出を用いて“獨協で研修を受けることの魅力”を伝えるという試みがなされました。
そのインパクトは絶大で、サイトのPV数は公開前の30倍にも跳ね上がり、結果として初期研修医の採用プログラムはフルマッチ。
数字上では大成功でした。
しかし、内情は少し違っていたようです。院内の初期研修医からは「友達に見られると恥ずかしいのでやめてください」との声が上がり、医学生の一部からも「そこまでしなくても……」と冷ややかな反応があったとのこと。
この反響を受けて、獨協医科大学病院の臨床研修センター長と病院長が謝罪動画を公開する事態にまで発展しました。
(参考:どうした獨協? 初期研修医採用サイトが大変なことに)
この一連の流れから、「大学としてのセンスがズレているのでは?」という印象を持たれ、「恥ずかしい」という声が上がる結果につながってしまったようです。
獨協医科大学は私立医学部の中で下の方だから恥ずかしい

医学部の中でも、特に私立大学に関しては「偏差値」によるヒエラルキーが存在します。
獨協医科大学の医学部の偏差値は62.5(2025年現在)とされており、私立医学部としては中~下位層に位置するのが現実です。
一般の大学と比較すると難関と言えます。
偏差値だけを見れば、慶應義塾大学や東京慈恵会医科大学などの偏差値70超えの私立医学部と比べてしまうと、確かに見劣りする面はあるかもしれません。
また、私立医学部は学費も非常に高額なため、
「お金があれば入れる」=「学力はそこまで高くない」
というイメージがつきまといがちです。
そのようなイメージもまた、「恥ずかしい」といった評価に結びついてしまう背景にあると考えられます。
Times Higher Educationが評価する国際的実績も
一方で、イギリスの高等教育専門誌『Times Higher Education(THE)』が発表する「THEインパクトランキング2024」では、獨協医科大学はSDG3(すべての人に健康と福祉を)で世界45位、国内4位にランクイン。
これは、獨協医科大学が社会的課題に対して真摯に取り組んでいることを証明する実績であり、国際的にも一定の評価を受けている大学であることがわかります。
獨協医科大学とは

獨協医科大学は、1973年(昭和48年)に開学した医学系大学です。
母体である獨協学園は、1881年に創立された獨逸学協会に起源を持ち、140年以上の歴史を誇る伝統的な教育機関です。
所在地は栃木県壬生町で、都市部からはやや離れた場所にあるものの、敷地は広大で落ち着いた学習・研究環境が整っています。
学部構成は以下の通りです。
- 医学部(医学科)
- 看護学部
教育理念としては、国際的な視点を持った医療人の育成を掲げており、医師・看護師・助産師・保健師の育成に注力しています。
獨協医科大学の偏差値は

学部別の偏差値(2025年度・河合塾基準)は以下の通りです。
学部名 | 偏差値 |
---|---|
医学部 | 62.5 |
看護学部 | 42.5 |
医学部は中堅~やや下位の位置で、看護学部は比較的低めの偏差値となっています。
看護学部については、偏差値だけで大学の質を語るのは難しい側面もありますが、全体として「超難関校」というわけではありません。
医師国家試験合格率

国家試験合格率は、医学部の教育力や学生の実力を評価するうえで重要な指標です。
獨協医科大学の直近3年の医師国家試験合格率は以下の通りです。
第119回(2025年実施)
- 新卒:126名中114名合格(90.5%)※全国平均:95.0%
- 全体:133名中119名合格(89.5%)※全国平均:92.3%
第118回(2024年実施)
- 新卒:108名中104名合格(96.3%)※全国平均:95.4%
- 全体:116名中110名合格(94.8%)※全国平均:92.4%
第117回(2023年実施)
- 新卒:104名中99名合格(95.2%)※全国平均:94.9%
- 全体:115名中107名合格(93.0%)※全国平均:91.6%
直近の第119回ではやや苦戦したものの、前年以前では全国平均を上回る年も多く、教育成果としては一定の水準を維持していることが分かります。
まとめ:獨協医科大学は【恥ずかしい】のか?ネット上で「恥ずかしい」と言われている理由を考察
「恥ずかしい」と言われる背景には、やや奇抜すぎたプロモーション戦略や、偏差値ヒエラルキーの中での位置づけといった要素があります。
しかし、国際的な評価や国家試験合格率などを見る限り、医療人材育成においては一定の実績を残している大学であることも事実です。
また、栃木という静かな環境で学問に集中できる点や、大学の歴史と伝統も評価に値するでしょう。
したがって、獨協医科大学は決して「恥ずかしい大学」ではなく、外野のイメージや一部のキャンペーンに引っ張られすぎない評価が必要です。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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