長野県立大学はどんな大学？【Fラン】【難しい】と言われている理由を調査
大学選びにおいて、ネット上の評判や口コミは気になるポイントの一つです。
「長野県立大学 Fラン」「長野県立大学 難しい」といった検索ワードを目にすると、不安に感じる受験生や保護者も多いのではないでしょうか。
しかし、「Fラン」や「難しい」といった言葉には、実際の偏差値や入試制度、大学の教育内容などが十分に反映されていない場合もあります。
そこで本記事では、長野県立大学について、なぜそのような評価があるのかを客観的に分析し、実際の特徴や実績を詳しく解説していきます。
長野県立大学はFランなのか？
まず結論から言うと、長野県立大学はFラン大学ではありません。
同大学の偏差値はおおむね45.0程度であり、Fランとされる基準（偏差値35以下）には該当しません。
では、なぜネット上で「Fラン」といった評価が出てしまうのでしょうか。
その理由の一つは、健康発達学部の入試内容にあります。
たとえば健康発達学部では、2次試験が小論文と面接のみという方式を採用しており、国公立大学によくある学科試験（英語・数学・理科など）による得点での難易度比較が難しいのです。
このため、一部の受験生やSNS上の声では「学力が測れない」「偏差値が出にくい」といった理由から「Fラン」と誤解されてしまう傾向があります。
しかし実際には、倍率の高さや独自の教育プログラムから見ても、一定の実力と志望動機が必要な大学と言えるでしょう。
長野県立大学が「難しい」と言われる理由は？
一方で、長野県立大学は「難しい」とも言われています。
その主な理由は、入試倍率の高さにあります。
一般選抜（共通テスト＋2次試験）の倍率
- 2024年度：健康発達学部 一般選抜倍率：3.2倍
- 2023年度：健康発達学部 一般選抜倍率：2.7倍
総合型選抜（旧AO入試）の倍率
- 2023・2024年度ともに5.0倍
これらの数字は、地方公立大学としては比較的高めであり、特に定員の少ない学科では競争率が厳しくなっています。
また、2次試験では小論文や面接を重視しており、単なる学力だけでなく「志望理由の明確さ」「人間性」「社会性」が重視されます。
つまり、短期詰め込みでは対応しづらい入試方式が「難しい」と言われる背景にあるのです。
長野県立大学とは
長野県立大学は、長野市三輪に本部を置く長野県の公立大学で、2018年に新設された比較的新しい大学です。
その前身は、1950年に開学した「長野県短期大学」で、2017年に短大の募集を停止し、翌2018年に4年制大学として再スタートを切りました。
教育の特色
- 1年次は原則「全寮制」
- 学生間のコミュニケーションや集団生活による社会性の向上を重視
- 2年次には全員が海外プログラムに参加
- 語学力や国際的な視野の育成を目的とした体験学習
- ソーシャルビジネスに力を入れている
- 地域や社会課題に取り組む人材の育成を重視
設置学部・学科
- グローバルマネジメント学部
- グローバルマネジメント学科
- 健康発達学部
- 食健康学科
- こども学科
学部名やカリキュラムからもわかるように、現代社会における課題解決を重視した実践的な教育を目指しており、地域社会・国際社会への貢献を強く意識した大学となっています。
長野県立大学の偏差値は
以下は、各学部・学科の共通テスト得点率と偏差値の目安です。（参考：パスナビ）
| 学部 | 学科 | 共テ得点率 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| グローバルマネジメント学部 | グローバルマネジメント学科 | 62%～76% | 45.0 |
| 健康発達学部 | 食健康学科 | 61%～74% | 45.0 |
| 健康発達学部 | こども学科 | 61%～74% | 45.0 |
偏差値だけを見ると「中堅レベル」に位置しますが、倍率や面接・小論文の重要度を考えると、学力と同時に意欲・協調性・目的意識が問われることも重要なポイントです。
卒業生の就職先は
卒業生の主な就職先には、公務員・金融・福祉医療機関・食品関連企業などが挙げられます。
グローバルマネジメント学部の主な就職先
- 八十二銀行
- 長野県庁
- 地域の商工団体 など
健康発達学部（食健康学科・こども学科）の主な就職先
- 長野県職員（栄養士、保健師など）
- 長野市職員
- 長野県厚生農業協同組合連合会（病院・施設での勤務）
- 幼稚園・保育園
- 栄養関連企業・食品メーカー
地方就職に強く、地域密着型のキャリア形成ができる点が特徴です。
また、国家資格の取得支援も行われており、卒業後に即戦力として活躍できる環境が整っています。
まとめ｜長野県立大学はどんな大学？【Fラン】【難しい】と言われている理由を調査
「長野県立大学 Fラン」「長野県立大学 難しい」といった評価が見られますが、実態を見ればそのどちらも極端な評価であると言えます。
- 偏差値は45.0でFランではない
- 面接・小論文重視のため学力以外も問われる
- 倍率が高く「簡単には受からない」ため難しいとされる
- 実践的でユニークな教育方針を持ち、全寮制・海外研修・起業支援などが特徴
- 公務員や地元金融機関などへの就職実績もあり、地域密着型の進路に強い
長野県立大学は、偏差値だけでは測れない「成長意欲」や「地域・社会貢献に対する意識」を重視する大学です。
地域社会に根ざしながらグローバルな視野を持ちたいと考える受験生にとって、魅力的な進学先の一つと言えるでしょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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