周南公立大学は【なぜ人気】なのか?周南公立大学が「人気」な理由を考察
近年、大学の再編や新設によって受験生の志望動向が大きく変化しています。
その中でも注目を集めているのが山口県周南市にキャンパスを構える「周南公立大学」です。
「なぜここまで人気になったのか気になる!」
そんな方のために、本記事では周南公立大学が人気を集める理由について、受験制度、学部の改組、就職実績など多角的に考察していきます。
周南公立大学はなぜ人気?公立化されたから
周南公立大学が注目され始めたきっかけのひとつが、2022年4月の「公立大学法人 周南公立大学」への移行です。
これは、旧・徳山大学が公立化されたもので、地方創生の流れの中で設立された新しい公立大学の一つといえるでしょう。
公立化=人気の上昇要因
大学の「公立化」は、入学金や授業料が抑えられることもあり、経済的なメリットが大きいです。
特に山口県内、あるいは中国・四国エリアの学生にとって、地元で学費が安く質の高い教育を受けられる点は大きな魅力となっています。
また、大学の新設・改組直後は、入試の難易度が読みにくくなるため「狙い目」として受験生の人気が集中する傾向があります。
実際、周辺の公立大学に比べて共通テストのボーダーが低めに設定されていたため、受験倍率が上昇したと考えられます。
3教科型で受けやすい
加えて、周南公立大学の入試は3教科型の受験方式を採用しており、私立大学志望の受験生にもアプローチしやすい構造となっています。
たとえば、数学が苦手な文系学生にとって、数学の選択が不要という点は心理的なハードルを下げてくれます。
周南公立大学はなぜ人気?学部改組があったから

次に注目したいのが、2024年4月に行われた学部改組です。
これまでの学部構成を見直し、現代のニーズに合った3学部体制へと再編しました。
- 経済経営学部
- 人間健康科学部
- 情報科学部
このように、社会の即戦力となりうる人材育成に直結した学部設計が特徴です。
経済や経営に強いだけでなく、福祉、看護や情報といった分野にも対応しており、地域社会と密接に関わりながら実践的に学ぶことができます。
特に情報科学部は、データサイエンス、プログラミングといった現代社会で必須のスキルを学べることから、将来性に期待を寄せる受験生や保護者からも高い評価を受けています。
周南公立大学とは

では、改めて周南公立大学がどんな大学なのかを紹介します。
周南公立大学は、「地域に輝く大学」をスローガンに掲げ、地域社会と密接に連携した教育を展開しています。
特に特徴的なのが「地域ゼミ」の存在です。
これは、地元の小中学校・高校・企業などと連携し、学生が地域課題を解決するプロジェクト型学習を行うというもので、教室内での学びにとどまらず、社会との接点を通じて実践的なスキルを身につけることができます。
また、キャリア支援にも力を入れており、個別就職指導や就職講座など、学生一人ひとりに寄り添った支援体制が整っています。
周南公立大学は、2024年に学部改組を行い、以下の3学部を設置しています。
- 経済経営学部
- 経済経営学科(定員:160名)
- 経済と経営に関する基礎的な理論を学び、地域社会の課題解決に貢献できる人材を育成します。
- 経済経営学科(定員:160名)
- 人間健康科学部
- スポーツ健康科学科(定員:80名)
- 医学・保健衛生学の基礎とスポーツ健康科学を体系的に学び、健康増進に寄与する人材を育成します。
- 看護学科(定員:80名)
- 豊かな人間性と高い倫理観を備え、多職種と連携しながら地域社会で看護を実践できる人材を養成します。
- 福祉学科(定員:60名)
- 地域の福祉課題に対応し、多くの人々をサポートできる人材を育成します。
- スポーツ健康科学科(定員:80名)
- 情報科学部
- 情報科学科(定員:100名)
- ICTやデータサイエンスなどの最新技術を学び、地域社会や社会全体の未来を創造する人材を育成します。
- 情報科学科(定員:100名)
これらの学部は、地域社会と連携しながら実践的な教育を提供し、学生が社会で即戦力となるための知識と技術を習得できるよう設計されています。
周南公立大学の偏差値は

偏差値・共通テスト得点率を以下にまとめます。
学部 | 共通テスト得点率 | 偏差値 |
---|---|---|
経済経営学部 | 60~65% | 45.0 |
人間健康科学部 | 57~69% | ― |
情報科学部 | 48~50% | 42.5 |
偏差値はまだ不安定な部分もありますが、共通テスト6割前後の得点が求められるため、決して「楽勝」とは言えません。
しかしながら、旧帝大などと比べれば、努力次第で十分合格が狙える難易度です。
卒業生の就職先は

周南公立大学(旧・徳山大学時代含む)の卒業生は、地域に根差した企業や公的機関への就職に強いという傾向があります。
経済系の主な就職先
- 山口県警察
- 西京銀行
- 刑務官
- 西中国信用金庫
- 山口合同ガス
- 日鉄ステンレス
- コスモス薬品 など
福祉・情報系の主な就職先
- 新生会(医療・福祉系)
- シティーケーブル周南
- 大村印刷
- 応研(ソフトウェア開発) など
大学のキャリア支援と地元企業との関係性が強いため、山口県内で働きたい人には非常に有利な環境といえます。
まとめ:周南公立大学は【なぜ人気】なのか?周南公立大学が「人気」な理由を考察
以上、周南公立大学がなぜ人気なのかを以下の観点から考察してきました。
- 2022年に公立化されたことで、学費の安さと安定性が注目された
- 3教科型入試の導入により、受験生にとって受けやすくなった
- 2024年の学部改組により、時代にマッチした教育体制が整った
- 「地域ゼミ」などの実践教育や充実した就職支援体制が評価されている
周南公立大学は、単なる地方大学ではなく、地域と共に成長し続ける大学としての姿勢を貫いています。
これから受験を考える学生、あるいは地元での就職を視野に入れる方にとって、十分に「選ぶ価値のある大学」と言えるでしょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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