東洋大学は【レベル上がりすぎ】?ネット上で「レベル上がりすぎ」と言われている理由を考察
近年、「東洋大学のレベルが上がりすぎている」という声をネット上でよく目にします。
かつては「日東駒専」の一角としてMARCHの滑り止めというイメージが強かった東洋大学ですが、現在はその印象が変わりつつあります。
なぜ東洋大学は「レベルが上がった」と言われるようになったのでしょうか?
本記事では、その背景にある要因を探り、学部ごとの偏差値や就職先も含めて詳しく考察していきます。
東洋大学のレベルが上がりすぎている要因は「立地」
東洋大学のイメージアップの一因としてよく挙げられるのが、キャンパスの立地の良さです。
特に文京区の白山キャンパスは都心にあり、東京メトロ南北線や都営三田線からもアクセスしやすいのが特徴です。
2005年にはキャンパスの再開発が行われ、文系5学部(文学部・経済学部・経営学部・法学部・社会学部)の1・2年次の授業が白山キャンパスに集約されました。
これにより、4年間を通じて文京区という一等地で学べるようになり、学生にとって魅力的な学習環境となりました。
また、埼玉・千葉・神奈川といった近隣県からのアクセスも良好で、首都圏の進学校の生徒たちにとって「MARCH併願の実力校」として東洋大学が選ばれやすくなってきているのも大きなポイントです。
東洋大学のレベルが上がりすぎている要因は「入試の厳格化」

もうひとつの大きな理由は、大学入試の定員管理の厳格化です。
2016年度以降、文部科学省の方針により、私立大学は定員の厳守を強く求められるようになりました。
これにより、各大学は合格者数を減らす必要が出てきました。
つまり、「合格者を絞る」=「入試難化」が起きたのです。
とくに都市部の人気大学でその傾向は顕著で、東洋大学もその影響を大きく受けました。
東洋大学に合格するには、これまで以上に高い学力が求められるようになったため、「東洋大学って昔より難しくなってない?」という声が学生・保護者・予備校関係者から相次ぐようになりました。
ただし、2023年度入試からは定員管理の厳格化が一部緩和されたことにより、今後はやや落ち着く可能性もありますが、ブランドイメージが一度向上すれば、簡単には下がらないのが大学の評価というものです。
東洋大学とは

東洋大学は1887年に井上円了が創設した「哲学館」をルーツとし、1928年に大学として正式に設置されました。
仏教哲学を重視しながらも、実学との融合を目指して発展してきた歴史ある大学です。
現在では、東京都を中心にキャンパスを持ち、14学部18研究科を擁する総合大学へと成長しています。
主なキャンパス
- 白山キャンパス(東京都文京区)
- 赤羽台キャンパス(東京都北区)
- 川越キャンパス(埼玉県川越市)
- 朝霞キャンパス(埼玉県朝霞市)
- 清水町キャンパス(東京都板橋区)
- 大手町サテライトキャンパス(東京都千代田区)
学部のバリエーションも豊富で、文系・理系・福祉・観光・スポーツ・ITなど、幅広い分野をカバーしています。
東洋大学の偏差値は

東洋大学の偏差値は学部によって異なりますが、全体としては偏差値45〜57.5の範囲に分布しています。
学部名 | 偏差値 |
---|---|
文学部 | 45.0~57.5 |
経済学部 | 45.0~55.0 |
経営学部 | 42.5~55.0 |
法学部 | 45.0~52.5 |
社会学部 | 47.5~55.0 |
国際学部 | 45.0~52.5 |
国際観光学部 | 50.0~52.5 |
情報連携学部 | 45.0~52.5 |
福祉社会デザイン学部 | 45.0~50.0 |
健康スポーツ科学部 | 45.0~50.0 |
理工学部 | 45.0~47.5 |
総合情報学部 | 45.0~47.5 |
生命科学部 | 45.0~47.5 |
食環境科学部 | 45.0~47.5 |
偏差値上位層では、文学部や社会学部などに人気が集まりやすく、偏差値50超えの学科も複数存在しています。
卒業生の就職先

東洋大学は就職実績でも強みがあります。
学部ごとに見ると、民間企業から公務員まで、バランス良く内定を獲得している点が特徴的です。
主な就職先例(一部抜粋)
- 官公庁系:東京都庁、特別区職員、埼玉県庁、内閣府、国土交通省、厚生労働省
- 大手企業系:ANA、JTB、日本航空、ニトリ、ソニー、日立製作所、富士通、パナソニック
- IT・コンサル系:アクセンチュア、NTTデータ、チームラボ、野村総合研究所、IBM
- メーカー系:伊藤園、キーエンス、ロート製薬、ブルボン、SUBARU
特に観光・国際系学部では、星野リゾートやミリアルリゾートホテルズ(東京ディズニーリゾート関連企業)など、業界人気企業への就職が目立ちます。
まとめ:東洋大学は【レベル上がりすぎ】?ネット上で「レベル上がりすぎ」と言われている理由を考察
今回の記事では、東洋大学が「レベル上がりすぎ」と言われる理由を以下の視点から分析しました。
- 都心にキャンパスが移転・集約されたことによるアクセスとブランド力の向上
- 大学入試の定員管理厳格化による入試難化
- 偏差値帯の底上げと安定感
- 幅広い分野での堅実な就職実績
こうした要因が複合的に作用して、東洋大学は「日東駒専」の中でも一歩抜けた存在となりつつあります。
今後もその評価は変わっていく可能性がありますが、少なくとも現時点では「レベルが上がりすぎた」と言われるだけの実力と実績を確実に備えている大学と言えるでしょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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