【保護者向け】受験生を持つ親が子供に言ってはいけないこと、やってはいけないこと
子供の受験は親にとっても大きな試練です。受験生を持つ親として、どのようにサポートすれば良いのか悩むことも多いでしょう。勉強に励む子供に対して、適切な言葉をかけ、効果的にサポートすることは、子供のモチベーションを高め、成功への道を切り開く鍵となります。
しかし、何気なく発した言葉や行動が、子供にとって大きなプレッシャーとなり、ストレスを増大させてしまうこともあります。本ブログでは、受験生を持つ親が気をつけるべき言動や行動について、具体的な例を挙げながら解説します。子供の努力を支え、最良の結果を引き出すためのヒントとして役に立てれば嬉しいです。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
受験生を持つ親としての役割

受験期は、子供にとって非常に重要であり、同時に多くのストレスがかかる時期です。そんな中、親としての役割は非常に大きく、多岐にわたります。以下に、受験生を持つ親として果たすべき役割について説明します。
1. 精神的なサポート
- 励ましと安心感の提供
- 子供がプレッシャーや不安に押しつぶされそうな時、親は温かい励ましの言葉をかけ、安心感を与えることが重要です。例えば、「頑張っているのは知っているよ」「あなたならできるよ」という言葉は、子供にとって大きな支えになります。
2. 健康管理
- バランスの取れた食事と休息の確保
- 受験期は勉強に集中しがちですが、健康管理も重要です。親は、栄養バランスの取れた食事を準備し、適切な休息を促す役割を果たす必要があります。例えば、「休憩も大事だよ、少し散歩に行こうか」という声かけは、子供のリフレッシュに役立ちます。
3. 学習環境の整備
- 快適な勉強環境の提供
- 子供が集中して勉強できる環境を整えることも親の役割です。静かな場所、適切な照明、整理整頓された勉強スペースを提供することで、子供の学習効率を高めることができます。
4. 現実的な目標設定のサポート
- 適切な目標設定と計画のサポート
- 無理のない現実的な目標を設定し、それに向かって計画的に進むことが大切です。親は、子供と一緒に目標を確認し、達成可能なステップを考えるサポートを行います。
5. 自主性の尊重
- 子供の意見や希望を尊重する
- 親がすべてを決めるのではなく、子供自身の意見や希望を尊重することが重要です。例えば、進路や勉強方法について、子供の意見を聞きながらサポートする姿勢が求められます。
6. 感情のコントロール
- 冷静な対応と感情の安定
- 子供の勉強の進捗や成績に対して感情的にならず、冷静に対応することが大切です。感情的に叱ることは、子供のやる気を削ぐ原因となります。
7. 失敗や挫折への対処
- 失敗を受け入れ、再挑戦を促す
- 受験は必ずしも一度で成功するとは限りません。失敗や挫折を経験することもありますが、その時に親は子供を責めるのではなく、次へのステップを一緒に考え、再挑戦を促す役割を果たします。
受験生を持つ親として、子供の努力を最大限に引き出すためには、上記のような役割を果たすことが重要です。精神的なサポートや健康管理、学習環境の整備など、親ができることは多岐にわたります。子供が安心して勉強に集中できる環境を提供し、励ましながら見守ることで、子供の成功をサポートしましょう。
親が受験生に言ってはいけないこと

受験生に対して親がかける言葉は、子供のメンタルやモチベーションに大きな影響を与えます。適切な言葉を選び、子供をサポートすることが非常に重要です。以下に、受験生に言ってはいけない具体的な言葉とその理由を挙げます。
理由: この言葉は子供にプレッシャーをかけ、勉強に対する抵抗感を生むことがあります。勉強を強制されると、子供はやる気を失いがちです。

ついつい言いたくなってしまいますね。私も予備校に来て、おしゃべりばかりしてる受験生に良く言ってました。「何時から勉強する?」「あと何分休憩する?」というような子供に決めさせる方が声掛けとしては良いでしょう。
理由: 否定的な言葉は子供の自信を喪失させます。自信を失った子供は、努力する気力を失うことがあります。
理由: 他人と比較されることは、子供に劣等感を抱かせます。個々のペースや特性を尊重することが大切です。
理由: 努力を強調しすぎると、既に頑張っている子供にはプレッシャーとなります。努力を認め、労う言葉が必要です。

「場頑張ってるね!」と親に言われると嬉しい、と多くの受験生は言います。言い過ぎは良くないですが、時々褒めると受験生はモチベーションが上がります。
理由: 理解のスピードは人それぞれです。この言葉は子供を傷つけ、自信を失わせます。
その他
成績が悪いと将来がない
どうせダメだろう
親の顔に泥を塗るな
いい学校に行かないといい仕事につけない
もっと頑張れ
これじゃあ将来が不安だ
怠け者
あんたはダメな子だ
どうしてこんなにできないの?
いつになったら本気になるの?
この程度で満足するな
そんなことで将来どうするの?
私たちがどれだけ犠牲になってるか分かってるの?
遊ぶ暇があるなら勉強しなさい
親が受験生にやってはいけないこと

受験生を持つ親が子どもに対してやってはいけないことは、子どものストレスを増やし、モチベーションを下げ、自己肯定感を損なう原因になります。以下に具体的な例を挙げます。
理由: 受験生は既に十分なストレスを感じています。さらにプレッシャーをかけることで、モチベーションが低下し、精神的な負担が増します。
理由: 失敗は成長の機会です。厳しい非難は受験生の自信を奪い、学ぶ意欲を減少させます。

ケアレスミスが多い受験生には注意ですね。本人が一番ケアレスミスで失点したことはわかっています。同じミスをしないように再発防止策を考えましょう。計算ミスはミスの履歴を残すだけで、計算ミスを減らすことができます。履歴から、掛け算、割り算、少数、分数など、どの計算過程でミスが多いのかを分析し、自分は〇〇でミスが多い、と把握するだけで次回から気をつけるようになります。
理由: 受験生には自己決定の権利があり、自分自身の目標を持つことが重要です。親の理想や期待を押し付けると、子供の自己実現が阻害される可能性があります。
理由: 受験生は自分のペースで成長し、学習します。結果を問い詰めることで、受験生のストレスが増大し、心理的な負担となります。

親は当日の「でき」は気になりますね。受験や模試から帰宅の際に「どうだった?」と聞きたくなりがちです。多くの受験生は顔を見て「察してほしい」と言います。特に受験当日は普段どおりに接することを心がけてください。
理由:趣味やリラックスする時間を否定し、勉強だけを強制することは精神的なバランスを欠く可能性があります。
理由:勉強方法やスケジュールを細かく指示することで、子どもの自主性を奪います。
その他
勉強時間を厳しく管理する
過度な緊張を煽る
勉強中に常に監視する
成績や順位を他の子供と比較する
夜遅くまで勉強させる
休息やリフレッシュの時間を削る
自己決定を奪うような選択を強要する
恐怖心や不安を煽る失敗を許さない雰囲気を作る
受験に関するすべての決定を子供に任せない
他の活動や興味を制限する
他の受験生と比較させる
他の家族や親戚に子供の成績や受験について話す
睡眠を削減させる
興味や趣味を追求する時間を削減する
受験準備を家族全体の中心に置く
まとめ
受験生を持つ親として、子供の受験期における心の健康を守るためには、以下の言動と行動に気をつけることが重要です。
過度なプレッシャーを避ける
- 受験は子供にとって大きな負荷です。親が過剰な期待やプレッシャーをかけることで、子供のストレスが増え、学習意欲が低下することがあります。親はサポートと共に、子供のペースを尊重する姿勢が大切です。
ポジティブな言葉を使う
- 「頑張っているね」「君ならできる」といった励ましの言葉は、子供の自信を育てます。否定的な言葉や比較は避け、子供の成長を前向きにサポートしましょう。
子供の自己決定権を尊重する
- 受験に関する重要な決定は子供自身が行うべきです。親が一方的に決めることで、子供の自己肯定感が損なわれる可能性があります。子供が関心を持ち、自分で学ぶ意欲を高めることが大切です。
バランスの取れた生活を支援する
- 健康的な生活環境が受験の成果に直結します。適度な休息や睡眠、趣味やリフレッシュの時間を大切にし、子供がリラックスできる環境を整えましょう。
成績や順位の過度な強調を避ける
- 成績や順位のみを重視すると、子供の学ぶ意欲が減退する恐れがあります。親は子供の努力を評価し、全人的な成長を促進することが大切です。
感情を尊重する
- 受験期は感情の波が大きい時期です。親は子供の感情を尊重し、受験のストレスを共有し、支えることで、子供が安心して自分を表現できる環境を提供しましょう。
これらのポイントを意識することで、保護者は子供の受験期をより支えることができます。子供の成長と健康な心の発達を促進し、ポジティブな学習環境を提供することが、受験成功への道を開く鍵となります。
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