「難関15私大」はどうなった?誕生から消滅までの歴史と2026年の大学勢力図
かつて大学受験の世界には、「難関15私大」という括りがありました。
早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、学習院大学、MARCH、関関同立。そして南山大学と西南学院大学。
今ではほとんど耳にしなくなったこの呼び方ですが、1990年代には河合塾が「全統難関15私大模試」という模擬試験を実施していました。
当時の大学受験を経験した人の中には、この模試の名前を覚えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、2026年現在、受験情報でよく使われるのは「早慶上理」「MARCH」「GMARCH」「関関同立」といった大学群です。
かつて全国の難関私立大学を一つにまとめていた「難関15私大」という括りは、いつの間にか使われなくなりました。
では、なぜ当時、この15大学が選ばれたのでしょうか。
なぜ東京理科大学や国際基督教大学(ICU)、津田塾大学は含まれていなかったのでしょうか。
そして、かつて同じ難関15私大として扱われていた大学の勢力図は、約30年を経てどう変わったのでしょうか。
今回は、1990年代から2000年前後の大学受験事情を振り返りながら、難関15私大の誕生、模試が姿を消した背景、2026年現在の大学勢力図について考察します。
1. 「難関15私大」とは?河合塾が実施していた模擬試験
「難関15私大」は、かつて河合塾が実施していた「全統難関15私大模試」に由来する呼称として知られています。
現在では実施されていない模試ですが、1990年代には実際に存在していました。
例えば、1998年度には第1回が8月、第2回が11月に実施されており、当時の数学の問題冊子が古書市場に残っています。
つまり、「難関15私大」という言葉は、単なる大学群上の大学グループ名ではなく、実在した河合塾の模試と結びついた名称だったのです。
ただし、模試の開始年度や最終実施年度については、確認できる資料が限られており、正確な時期は明らかになっていません。
当時の難関15私大一覧
当時の対象大学として紹介されているのは、次の15大学です。
| 大学群・地域 | 大学名 | 大学数 |
|---|---|---|
| 早慶上智 | 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学 | 3 |
| 学習院・MARCH | 学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学 | 6 |
| 関関同立 | 関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学 | 4 |
| 東海地方 | 南山大学 | 1 |
| 九州地方 | 西南学院大学 | 1 |
| 合計 | 15 |
※大学の構成は「有名大学データリサーチ」などの後年の資料に基づきます。当時の河合塾の公式募集要項との直接照合はできていません。また、GMARCHは現在使われる呼称であり、当時から同じ形で定着していたことを意味するものではありません。
地域別に見ると、首都圏9大学、関西4大学、東海1大学、九州1大学という構成でした。
ここで興味深いのは、早慶上智、MARCH、関関同立に加えて、南山大学と西南学院大学が含まれていることです。
現在の大学群に慣れている受験生にとっては、この2大学が全国15大学の一角として扱われていたことに驚くかもしれません。
一方、現在では「早慶上理」の一角として知られる東京理科大学や、独自の入試制度を持つICUは含まれていませんでした。
この顔ぶれからは、当時の「難関15私大」が、必ずしも偏差値の高い大学を上から15校選んだものではなかったことがうかがえます。
2. なぜ、この15大学が選ばれたのか?

河合塾が15大学を選定した公式な理由は、現在確認できる資料だけでは明らかになっていません。
しかし、当時の大学受験事情や模試の性格を踏まえると、いくつかの背景が考えられます。
① 私立文系受験生にとっての有力校だった
まず挙げられるのが、私立文系の受験生にとって代表的な志望大学だったことです。
早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学は、当時から私立大学の最難関校として知られていました。
明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学も、首都圏の私立文系受験生にとって主要な進学先でした。
さらに学習院大学は、法学部、経済学部、文学部などを持つ伝統的な私立大学です。
関西では、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の「関関同立」が、有力な私立大学群として知られていました。
これら13大学を対象とすれば、首都圏と関西圏の主要な難関私立文系大学を広くカバーすることができます。
つまり、難関15私大は、純粋に大学の難易度だけを比較するためではなく、多くの私立文系受験生の志望校選びに対応した括りだった可能性があります。
② 南山大学が含まれていた理由
南山大学は、愛知県名古屋市に本部を置く私立総合大学です。
外国語教育や人文社会系の分野などで知られ、東海地方の有力私立大学として長い歴史を持っています。
ここで注目したいのが、河合塾の発祥地です。
河合塾は名古屋で発展してきた予備校であり、東海地方の大学受験事情と深い関わりがあります。
当時の東海地方において、南山大学は私立文系の有力な進学先でした。
全国型の模試に南山大学を含めることは、東海地方の受験生の需要に応えるという点で合理的だったと考えられます。
河合塾が名古屋を発祥とする予備校であることも、南山大学が含まれた背景の一つだったのかもしれません。
ただし、河合塾がその理由を公式に説明した資料は確認できていません。
③ 西南学院大学が含まれていた理由
西南学院大学は、福岡県福岡市に本部を置く私立大学です。
九州を代表する文系私立大学の一つとして知られ、地元の企業や金融機関、公務員などへの進路を含め、地域の有力な進学先となってきました。
南山大学が東海地方の有力私大であるように、西南学院大学も九州地方における有力な私立文系大学です。
全国の受験生を対象とする模試に西南学院大学を含めることは、九州の受験需要を考慮した結果だった可能性があります。
ただし、北海道、東北、中国・四国地方からは同様の地域代表校が選ばれていません。
したがって、難関15私大は各地方から均等に大学を選んだグループではありませんでした。
首都圏と関西圏の主要私大を中心に、東海・九州の有力校を加えた構成だったと考えることができます。
このように見ると、難関15私大は、当時の私立文系受験生の志望動向と、地域の大学受験事情を反映した大学群だったのではないでしょうか。
3. なぜICU・津田塾大学・東京理科大学は入っていなかったのか?
難関15私大の顔ぶれを見ると、もう一つ疑問が生まれます。
当時から難関大学として知られていたICU、津田塾大学、東京理科大学が含まれていないことです。
この3大学の特徴を考えると、難関15私大という括りの性格が見えてきます。
① ICU:独自の入試制度を持つ大学だった
国際基督教大学(ICU)は、リベラルアーツ教育を特徴とする私立大学です。
ICUは以前から一般的な私立文系大学とは異なる入学試験を実施していました。
1990年代には「リベラルアーツ学習適性(LARA)」という独自の試験を採用していました。
現在知られる「総合教養(ATLAS)」が導入されたのは2015年度入試からです。
一般的な私立文系大学の英語・国語・地歴公民などを中心とする入試とは異なり、ICUでは独自の適性や思考力を測る試験が重視されていました。
そのため、一般的な難関私大向けの模試では、ICUの合格可能性を十分に測りにくかった可能性があります。
もちろん、ICUが難関15私大に含まれていなかったからといって、大学の難易度が低かったわけではありません。
むしろ、特色ある入試制度を持つ大学だったことが、共通の模試で扱いにくい理由の一つだったと考えられます。
ただし、河合塾がその理由でICUを除外したとする公式資料は確認できていません。
② 津田塾大学:難関女子大学ならではの特徴
津田塾大学も、当時から高い評価を受けていた女子大学です。
特に英語教育や国際関係分野などで知られ、1990年代の大学受験では難関女子大学として認識されていました。
一方、津田塾大学は女子大学であり、男女共学の総合大学とは志願者の母集団が異なります。
また、当時の学部・学科構成も比較的小規模でした。
全国の受験生を対象にした模試では、学部数が多く、幅広い受験生が志望する総合大学が選ばれやすかった可能性があります。
ただし、女子大学であること自体が選定から外された理由だと断定することはできません。
津田塾大学は、大学の難易度だけでなく、受験対象者の規模や学部構成も大学群の選定に関係していた可能性を考えるうえで興味深い存在です。
③ 東京理科大学:理系中心という大学の特色
東京理科大学は、理工系教育を中心とする大学です。
難関15私大模試が主として私立文系の受験生を想定していたのであれば、東京理科大学が含まれていなかったことには一定の合理性があります。
理系の入試では数学や理科が重要となり、文系の一般的な入試とは試験科目や出題内容が異なります。
ただし、1998年度の全統難関15私大模試には数学の問題冊子も存在しています。
そのため、「文系3教科だけの模試だった」と説明するのは正確ではありません。
当時の模試の全科目構成やコース設定を確認する必要があります。
いずれにしても、東京理科大学が15大学に含まれなかったことは、難関15私大が全国の私立大学を純粋な偏差値順に選んだ大学群ではなかったことを考える材料になります。
4. 「全統難関15私大模試」はいつ、なぜ消えたのか?
かつて実施されていた全統難関15私大模試ですが、2026年現在、河合塾の模試ラインアップにその名前はありません。
後年の受験情報には2000年前後に廃止されたという説明も見られますが、正確な最終実施年度は確認できていません。
また、河合塾が公表した正式な廃止理由も確認できていません。
そのため、以下では当時の大学入試制度の変化から、模試が姿を消した背景を考察します。
① センター試験利用入試の拡大
大きな変化の一つが、私立大学のセンター試験利用入試の普及です。
大学入試センター試験が始まったのは1990年度入試でした。
それまでの共通第一次学力試験は国公立大学を対象としていましたが、センター試験では私立大学も試験結果を利用できるようになりました。
文部科学省の資料によると、センター試験を利用した私立大学は、1990年度の16大学19学部から、1993年度には56大学85学部へと増加しました。
2007年度には451大学が利用するまでに拡大しています。
私立大学の受験生も、大学独自の入試だけでなく、センター試験利用方式を意識する必要が生まれました。
その結果、幅広い大学の入試方式に対応した模試への需要が高まったと考えられます。
難関15私大という特定の大学群に限定した模試の役割が、変化していった可能性があります。
ただし、センター試験利用入試の拡大が直接の廃止理由だったと断定できる資料はありません。
② 推薦入試・AO入試の拡大
1990年代以降、大学入試では推薦入試やAO入試など、多様な選抜方法が導入されていきました。
従来の一般入試だけではなく、面接、小論文、志望理由書、活動実績などを評価する入試方式が広がりました。
現在では、AO入試は主に総合型選抜という名称で実施されています。
これによって、大学入試は一般選抜の学力試験だけで進学先が決まる仕組みではなくなっています。
ただし、推薦・AO入試の拡大は2000年代以降も続いており、難関15私大模試が2000年前後に終了したとすれば、その後の拡大を直接の廃止原因とすることはできません。
あくまで大学入試の多様化という、長期的な変化の一つとして考える必要があります。
③ 大学別の入試対策が重視されるようになった
私立大学の入試問題は、大学・学部によって大きく異なります。
例えば、早稲田大学と慶應義塾大学では、学部によって試験科目や問題形式に違いがあります。
慶應義塾大学には小論文を課す学部もあり、早稲田大学も学部別の対策が重要です。
MARCHや関関同立も同様で、大学・学部によって出題傾向が異なります。
15大学を一つの模試でまとめて判定する方法には、一定の限界があります。
全国規模の学力判定と、大学ごとの入試対策を組み合わせる方が、受験生にとって有効な場合もあります。
こうした受験対策の細分化も、特定の15大学をまとめた模試の意義が変化した背景として考えられます。
④ 全統模試で幅広い大学の合格可能性を判定できる
現在の河合塾では、全統共通テスト模試や全統記述模試などが実施されています。
これらの模試を通じて、幅広い国公立大学・私立大学の合格可能性を確認することができます。
早稲田大学、明治大学、同志社大学、南山大学、西南学院大学などについても、大学別・学部別の入試難易度を踏まえた志望校検討が可能です。
そのため、現在では難関15私大だけを対象とする模試を実施しなくても、多くの受験生の進路指導に対応できます。
ただし、現在の模試の機能が、そのまま過去の模試の廃止理由を証明するわけではありません。
確かなのは、1990年代から現在までの間に、大学入試制度と模試の仕組みが大きく変化したということです。
「難関15私大」という括りが使われなくなった背景には、こうした受験環境の変化があったと考えられます。
5. 1990年代と2026年、難関15私大の勢力図はどう変わった?
では、かつて同じ難関15私大に含まれていた大学は、2026年現在、どのような位置づけになっているのでしょうか。
当時と現在を比較すると、大学群の使われ方や、各大学の特徴に変化が見られます。
1990年代と2026年の大学勢力図比較
| 大学群 | 1990年代の位置づけ | 2026年の注目点 |
|---|---|---|
| 早慶上智 | 私立文系の最難関グループ | 早慶は現在も高難易度。上智とMARCHの一部学部では難易度帯が重なる |
| 学習院・MARCH | 首都圏の代表的な有力私大 | 明治・青学などの人気、学部構成やキャンパス政策の変化 |
| 関関同立 | 関西を代表する難関私大 | MARCHとの難易度比較や大学ごとの特色 |
| 南山大学 | 東海地方の有力私大 | 全国的な難易度評価と地域での評価 |
| 西南学院大学 | 九州地方の有力私大 | 福岡・九州での進学・就職先としての位置づけ |
※1990年代の評価は歴史的な位置づけの整理であり、同一基準の偏差値による時系列比較ではありません。
① 早慶上智:早慶の二強と上智の現在地
1990年代、私立文系の最難関大学群として広く知られていたのが「早慶上智」です。
早稲田大学と慶應義塾大学は、当時から高い知名度と入試難易度を持つ大学でした。
上智大学も、外国語教育や国際的な教育環境を背景に、難関私立大学として高い評価を受けていました。
2026年現在も、早稲田大学と慶應義塾大学は、多くの学部で高い入試難易度を維持しています。
一方、上智大学については、明治大学、立教大学、青山学院大学などの一部学部と、河合塾の入試難易度の偏差値帯が重なる例があります。
そのため、すべての学部で「早慶上智」と「MARCH」が明確に分かれているわけではありません。
もっとも、入試偏差値だけで大学の総合的な価値を判断することはできません。
教育内容、卒業生の進路、研究活動、大学の国際性など、それぞれ異なる強みがあります。
かつての「早慶上智」という括りは現在も使われていますが、学部別の難易度を比較する際には、大学群の名前だけでは十分に説明できなくなっています。
② GMARCH:明治・青学の存在感と各大学の特色
かつての難関15私大には、学習院大学とMARCHの5大学が含まれていました。
現在もこれらの大学は、首都圏の有力私立大学として知られています。
その中でも、受験生人気や大学のブランド戦略という点で注目されてきたのが、明治大学と青山学院大学です。
明治大学は、文系から理工系まで幅広い学部を持つ総合大学です。
伝統的な法学部、商学部、政治経済学部などに加え、理工系や情報系の教育にも取り組んでいます。
一方、青山学院大学はキャンパス政策を大きく変更しました。
2013年には、文系学部の学生が原則として青山キャンパスで4年間学べる体制となりました。
渋谷・表参道に近い立地は、大学生活を重視する受験生にとって魅力の一つと考えられます。
また、箱根駅伝での活躍などによって、大学名を目にする機会も増えました。
ただし、こうした取り組みが入試難易度をどの程度変化させたかは、別途検証する必要があります。
さらに、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学にも、それぞれ異なる強みがあります。
中央大学は法学教育の伝統を持ち、2023年には法学部が茗荷谷キャンパスへ移転しました。
立教大学は国際系・社会科学系をはじめとする教育に特色があり、法政大学は幅広い学部を持つ総合大学です。
学習院大学も、比較的コンパクトな教育環境を持つ伝統的な大学です。
つまり、GMARCHの各大学を一つの序列だけで捉えるのではなく、学部、キャンパス、教育内容、進路などから比較することが重要になっています。
③ 関関同立:MARCHとの関係はどう変わった?
関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の4大学は、現在も関西を代表する私立大学群です。
かつての難関15私大では、首都圏のMARCHと同じグループに含まれていました。
では現在、関関同立はMARCHと比較してどのような位置づけなのでしょうか。
2026年度の河合塾の入試難易度資料を見ると、同志社大学の一部学部は、MARCHの有力学部と同じ偏差値帯に位置しています。
一方、関西大学、関西学院大学、立命館大学についても、学部や入試方式によって難易度には違いがあります。
そのため、関関同立全体がMARCHより上、あるいは下と単純に結論づけることはできません。
また、入試難易度と地域での企業評価や就職実績は必ずしも一致しません。
関西の企業への就職や卒業生のネットワークなど、関関同立が地域で持つ強みもあります。
ここで注意したいのは、「東京一極集中によって関関同立が衰退した」と断定することです。
大学の難易度変化を東京志向だけで説明するには、出身高校所在地別の進学者数や地域間移動などの資料が必要です。
したがって、関関同立とMARCHの関係は、学部別の入試難易度や志願者動向などを用いて比較することが重要です。
④ 南山大学・西南学院大学:全国の難関15私大から地域の有力大学へ
旧難関15私大の中で、特に注目したいのが南山大学と西南学院大学です。
1990年代、両大学は全国型の「難関15私大模試」に含まれていました。
しかし現在、両大学が早慶上理、GMARCH、関関同立と一緒に全国共通の難関大学群として紹介される機会は多くありません。
では、南山大学と西南学院大学の評価は低下したのでしょうか。
ここは慎重に考える必要があります。
南山大学は現在も東海地方の有力な私立大学です。
西南学院大学も、福岡・九州で知名度の高い私立大学の一つです。
両大学とも、地域の企業や金融機関、公務員などへの進路を含め、地元で学び働きたい受験生にとって重要な選択肢となっています。
一方、全国規模の入試難易度ランキングと、地域社会での大学評価は必ずしも一致しません。
全国的な大学群の中で名前が挙がる機会が減ったとしても、それだけで大学の教育水準や就職実績が低下したとはいえません。
もちろん、1990年代から現在まで入試難易度が変化していないと断定することもできません。
当時と現在の偏差値、志願者数、入学定員、入学者の出身地域などを比較する必要があります。
南山大学と西南学院大学は、全国的な知名度だけでは捉えきれない、地域に根ざした私立大学の価値を考えるうえで重要な存在といえるでしょう。
6. 現在の大学群はどう変わったのか?

かつて全国15大学をまとめていた「難関15私大」という呼称は、現在の受験情報では一般的ではなくなりました。
その一方で、早慶上理、MARCH、GMARCH、関関同立などの大学群は、現在も広く使われています。
| 現在の大学群 | 主な構成大学 |
|---|---|
| 早慶上理 | 早稲田、慶應義塾、上智、東京理科 |
| MARCH | 明治、青山学院、立教、中央、法政 |
| GMARCH | 学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政 |
| 関関同立 | 関西、関西学院、同志社、立命館 |
ここで注目したいのが、旧難関15私大には含まれていなかった東京理科大学です。
現在では、東京理科大学を含めた「早慶上理」という括りが使われています。
また、学習院大学を加えた「GMARCH」という表現も見られます。
一方、南山大学や西南学院大学は、地域ごとの大学比較などで取り上げられることが多くなっています。
つまり、かつての15大学が一つの新たな15大学群に置き換わったわけではありません。
現在の大学群は、地域や難易度、学問分野、受験情報の目的によって使い分けられています。
そもそも大学群の名称は、大学の教育水準を公式に認定する制度ではありません。
そのため、大学群に含まれるかどうかだけで、大学の優劣を判断することはできません。
関連記事:東京六大学はなぜこの6大学なのか?
大学群には、入試難易度や受験事情から生まれたものだけでなく、歴史的な経緯から誕生したものもあります。
その代表例が「東京六大学」です。
東京六大学は、早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、法政大学、立教大学、東京大学の6校で構成されています。
実は、東京六大学は偏差値や大学の序列によって選ばれたグループではなく、1925年に成立した大学野球連盟に由来する名称です。
では、なぜ中央大学や青山学院大学、上智大学は含まれていないのでしょうか。
東京六大学の誕生から100年の歴史と、6大学が選ばれた理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。
東京六大学とは?なぜ中央大学・青山学院大学・上智大学は入っていない?100年の歴史と誕生の理由を解説
7. もし2026年に「難関15私大」を選び直すなら?
最後に、一つの仮定を考えてみましょう。
もし2026年現在、全国の難関私立大学15校を改めて選ぶとしたら、1990年代と同じ顔ぶれになるのでしょうか。
当然ながら、どのような基準で15大学を選ぶかによって結果は変わります。
入試偏差値を重視するのか。
志願者数や入学定員を重視するのか。
就職実績や研究力を重視するのか。
あるいは、地域での評価や教育の特色を重視するのか。
例えば、理系大学を含めて考えるのであれば、東京理科大学は有力な比較対象となるでしょう。
独自の教育や入試制度を評価するのであれば、ICUも候補となり得ます。
一方、全国の私立文系受験生の主要な志望先という観点では、地域の有力私立大学にも意味があります。
つまり、「難関15私大」を新たに作ろうとしても、選定基準によって顔ぶれは変わるのです。
かつての難関15私大が興味深いのは、全国の大学を単純に偏差値順で並べたものではなく、当時の大学受験事情を反映したグループだったと考えられる点です。
その意味で、難関15私大は1990年代の大学受験を知るための、一つの歴史的な手がかりといえるでしょう。
8. まとめ:「難関15私大」はどうなった?誕生から消滅までの歴史と2026年の大学勢力図
1990年代、河合塾には「全統難関15私大模試」という模擬試験が存在しました。
対象大学として挙げられていたのは、早慶上智、学習院・MARCH、関関同立、そして南山大学と西南学院大学の15校です。
この顔ぶれからは、当時の私立文系受験生の志望大学や、首都圏・関西・東海・九州の大学受験事情がうかがえます。
しかし、1990年代から2000年代にかけて、大学入試は大きく変化しました。
センター試験利用入試が拡大し、推薦・AO入試などの選抜方式も多様化しました。
さらに、大学別の入試対策や全国規模の模試を利用して、個別の大学・学部の合格可能性を判定する仕組みが整えられてきました。
こうした変化の中で、「難関15私大」という呼称は次第に使われなくなったと考えられます。
そして2026年現在、かつての15大学は、それぞれ異なる特色を持つ大学として評価されています。
早稲田大学と慶應義塾大学は、今も私立大学の最難関校として知られています。
上智大学、学習院大学、MARCH、関関同立は、大学や学部によって異なる教育の特色や入試難易度を持っています。
南山大学と西南学院大学も、それぞれ東海・九州を代表する私立大学の一つとして、地域に根ざした役割を担っています。
「難関15私大」という大学群の名前は消えても、そこに含まれていた15大学の価値まで消えたわけではありません。
むしろ、かつて全国15大学を一つにまとめていた時代から、大学ごとの教育、入試、就職、地域性などを細かく比較する時代へと変わったと考えることができます。
約30年前の大学受験を知る人にとって、「難関15私大」は懐かしい言葉かもしれません。
しかし、その15大学の顔ぶれを振り返ることは、今の大学受験の変化を考えるきっかけにもなります。
皆さんは、かつて「難関15私大」という呼び方をご存じでしたか。
また、もし現在、新たな「難関15私大」を選ぶとしたら、どの大学を入れたいと思いますか。
ぜひ、皆さんの意見をお聞かせください。

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Googleの優先ソースに追加私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
参考資料・出典一覧
- 有名大学データリサーチ「難関15私大ってどこの大学?関関同立は入ってる?」
https://original-star.com/archives/4200 - ブックスドリーム「1998年度 全統難関15私大模試 第1・2回 数学問題冊子」
https://item.rakuten.co.jp/booksdream/fj10-055/none/ - 文部科学省「大学入試センター試験への移行」
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1318394.htm - 国際基督教大学「Reforming ICU Admissions」
https://www.icu.ac.jp/en/about/docs/The%20ICU%20No.34.pdf - 河合塾 Kei-Net「入試難易予想ランキング表」
https://www.keinet.ne.jp/exam/ranking/index.html - 河合塾 Kei-Net「入試難易予想ランキング表の見方」
https://www.keinet.ne.jp/exam/ranking/help.html - 河合塾「全統模試ラインアップ」
https://www.kawai-juku.ac.jp/zento/lineup/
※難関15私大の正確な開始年度、最終実施年度、15大学の公式選定基準、模試の廃止理由については、当時の河合塾の公式資料で確認できていません。本文では、確認できる事実と考察を区別して記載しています。

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