共通テスト「生物」過去問はいつから?時間がない人でも間に合う勉強法も解説
共通テストの「生物」は、グラフ・表・実験データを読み解く思考力型の出題が中心です。
暗記だけでは得点が安定しづらく、「過去問をいつから解けばいい?」「直前は何をすべき?」と不安に感じる受験生も多いでしょう。
この記事では、過去問を解き始める最適な時期、時期別の学習プラン、そして時間がない人でも間に合う最短攻略法までを徹底解説します。
共通テスト生物の特徴と攻略の前提
共通テスト生物は、知識・論理・読解の総合力が問われる科目です。
設問は長文化し、条件やグラフを読み取る力が求められます。
攻略の前提として意識すべきは次の3点です。
- 用語を「意味ごと」理解する(暗記の羅列ではなく因果まで)
- 図・表・グラフを読む習慣をつける
- 設問の構成(条件提示→考察→選択肢)に慣れる
よく出る形式は以下の3タイプです。
- グラフ・表の読み取り
- 実験考察(操作・対照・結果の整合性)
- 分野横断の統合問題(遺伝×代謝×生態など)
【6〜8月】基礎理解の完成:教科書1周+図解ノート

過去問を始める前に、夏までに教科書レベルの基礎を完成させましょう。
暗記よりも、「なぜそうなるか」を説明できるレベルを目指すことが大切です。
この時期にやることは次の通りです。
- 教科書を1周して、細胞・遺伝・代謝・生態・進化の全体像をつかむ
- 図解ノートでフローチャートや模式図を作る
- 『リードα』『セミナー生物』などで基本問題を演習する
目標は、「用語の意味を説明できる」「図で流れを追える」状態にすることです。
【9〜10月】過去問演習スタート:形式慣れ&弱点発見
過去問は9〜10月にスタートするのが最適です。
最初は時間を計らず、内容理解を優先します。
進め方の基本は次の3ステップです。
- 1年分を解く(時間は気にしない)
- 解説で「どんな知識が問われたか」を確認する
- グラフや表の軸・条件・増減を言葉で説明できるようにする
この段階で、頻出単元や苦手な設問タイプを把握しておくと、次のステップに活かせます。
【11〜12月】頻出テーマの徹底演習:思考力を“使える”に
過去問や模試をもとに、分野別の弱点を克服する時期です。
2周目の過去問演習でスピードと正確さを高めていきましょう。
特に重点的に取り組みたいテーマは以下の通りです。
- 遺伝情報:DNA・RNA・転写・翻訳・発現制御
- 代謝:光合成・呼吸・酵素反応
- 生態:食物連鎖・エネルギー流・物質循環
- 進化:系統樹・比較生物学
過去3〜5年分を2周目として再演習し、同じ問題でも速く正確に解けるようにしましょう。
また、模試の復習も欠かせません。特にグラフや資料を扱う問題は共通テスト本番と形式が似ています。
【1月】直前期:復習と時間配分の最終調整

直前期は、新しい教材に手を出すよりも、今まで解いた問題の復習を重視します。
焦らず「取りこぼさない力」を磨く時期です。
やるべきことは次の通りです。
- 苦手ノートを使った総復習
- 教科書や図解資料の見直し
- 本番と同じ時間配分で演習(90分練習)
- 予想問題1〜2回分を使ってリハーサル
試験1週間前は、知識の上書きよりもコンディションを整えることが最優先です。
睡眠や食事のリズムを本番に合わせましょう。
時間がない人の最短攻略法:今からでも間に合う
「もう直前期なのに過去問をやっていない」「今から始めて間に合う?」という人も焦らずに。
時間がない人ほど、“出題者の視点”で効率よく学ぶことが大切です。
1. 過去問は“解く前に読む”
まず、問題を解く前に設問と選択肢を眺めて「何が問われているか」を把握しましょう。
どの分野・形式が多いかを知るだけで、無駄な暗記を減らせます。
2. 苦手は“捨てずに絞る”
完全に切り捨てるのではなく、「1問は取れる範囲」に絞ります。
例:
- 遺伝 → 基本法則(3:1、1:2:1)だけ確認
- 代謝 → 光合成・呼吸の経路を最低限暗記
- 生態 → エネルギー流・物質循環を重点
少しでも拾える分野を残すことが得点アップにつながります。
3. 図表・実験の読み方を型で覚える
- 軸の意味を確認する
- 条件の違いに注目する
- 増減の理由を説明できるようにする
この「読む力」が共通テストの得点を左右します。
1日15分のグラフ練習だけでも効果的です。
4. 一問一答は“短時間×回数”
1時間かけて1周するより、15分×4回転の方が記憶に残ります。
通学中などのスキマ時間を活用し、間違えた箇所には印をつけて翌日復習しましょう。
5. 過去問は「精読1年分」でOK
3〜5年分にこだわるより、1年分を徹底的に分析します。
「どの知識が使われたか」「どこで迷ったか」をメモすることで、自分専用の復習ノートになります。
6. 最終週は“自分専用ノート”だけ
新しい問題に手を出さず、今まで間違えた箇所を中心に見直しましょう。
ケアレスミスのパターンを目で追うだけでも、失点を防げます。
よくある質問(FAQ)
Q1:過去問は何年分やればいい?
理想は3〜5年分。ただし時間がない場合は、1年分の精読でも十分に傾向を掴めます。
Q2:生物基礎だけ受験する人は?
範囲が狭いので、11月以降の短期集中でも間に合います。
グラフ問題と遺伝の練習を中心に行いましょう。
Q3:模試の復習はどのくらい重要?
非常に重要です。模試は共通テストの縮小版なので、復習がそのまま本番対策になります。
まとめ:過去問は9〜10月開始、遅くとも11月/分析重視で伸ばす
- 過去問は9〜10月スタートが理想
- 夏までに基礎理解を完成させる
- 11月以降は過去問・予想問題で実践力を磨く
- 直前期は復習と時間配分の確認が最優先
- 時間がない人は“出題傾向の把握+復習特化”で得点アップ
生物は「知識を使って考える」科目です。
焦るよりも、限られた時間で出題傾向を掴み、復習に集中することが合格への最短ルートです。
【共通テスト生物対策】「生物の点数が面白いほどとれる本」のメリットデメリット
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。



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