金沢大学医学部は【すごい】のか?ネット上で「すごい」と言われている理由を考察
医学部志望の受験生やその保護者、さらには医療業界関係者の中でも「金沢大学医学部はすごい」という声をよく耳にします。
では、なぜ金沢大学医学部は「すごい」と評判なのでしょうか?
本記事では、金沢大学医学部がすごいと言われる理由を考察していきます。
金沢大学医学部の伝統がすごい
まず最初に注目すべきは、その歴史的背景と伝統の深さです。
金沢大学医学部は、明治時代に設立された金沢医科大学を母体としており、現在もその流れを引き継いでいます。
そして、この金沢医科大学は「旧六医科大学(旧六)」の一角として知られています。
旧六医科大学とは?
旧六医科大学とは、戦前の日本において医学教育を行っていた6つの旧制官立医科大学を指す呼称で、以下の大学が該当します。
- 千葉大学(旧制千葉医科大学)
- 金沢大学(旧制金沢医科大学)
- 新潟大学(旧制新潟医科大学)
- 岡山大学(旧制岡山医科大学)
- 長崎大学(旧制長崎医科大学)
- 熊本大学(旧制熊本医科大学)
この6校は、現在でも日本全国の医療現場で多くの卒業生が活躍しており、「旧六出身の医師は信頼できる」といった評判が根強く残っています。
つまり金沢大学医学部は、歴史的にも名門であり、「すごい」と評価されるのも納得できる伝統校なのです。
金沢大学医学部の関連・連携施設数がすごい

医学部の実力を測る一つの指標が、実習先や関連病院の充実度です。
金沢大学医学部は、この点でも群を抜いています。
主な関連・連携医療機関(一部抜粋)
種別 | 医療機関名 |
---|---|
基幹 | 金沢大学附属病院 |
連携 | 富山県高岡病院、金沢市立病院、石川県立中央病院、福井大学医学部附属病院、島根大学医学部附属病院、大阪府済生会千里病院など |
関連 | 公立能登総合病院、小松市民病院、輪島病院、珠洲市総合病院、加賀市医療センターなど多数 |
北陸地方にとどまらず、関西や中国地方の医療機関とも連携しており、地域医療から都市部医療まで幅広く経験が積めるのが魅力です。
このように実習先が非常に豊富で、症例数にも恵まれやすい環境は、医学生にとって非常に「すごい」と言える条件です。
金沢大学とは

そもそも金沢大学とは、どのような大学なのでしょうか?
金沢大学は、石川県金沢市角間町に本部を置く国立大学で、前身には以下の名門校が存在します。
- 旧制金沢医科大学(→ 医学部)
- 第四高等学校(→ 教養教育の基礎)
- 金沢高等師範学校、石川師範学校(→ 教育系)
- 金沢高等工業学校(→ 理工系)
このように多様なバックグラウンドを持つ学問の拠点が統合されて1949年に金沢大学として発足しました。現在では以下の4学域、20学類、8研究科を有しています。
学域一覧
- 融合学域
- 人間社会学域
- 理工学域
- 医薬保健学域
とくに医薬保健学域の中に医学類(医学部)があり、北陸・甲信越地方では最難関の医学部として知られています。
金沢大学の偏差値は

では、実際に金沢大学の各学域の偏差値や共通テスト得点率はどれくらいなのでしょうか。
以下にまとめます。パスナビより
学域 | 共通テスト得点率 | 偏差値 |
---|---|---|
融合学域 | 64%~77% | 52.5~55.0 |
人間社会学域 | 64%~77% | 50.0~55.0 |
理工学域 | 66%~76% | 52.5~55.0 |
医薬保健学域 | 63%~85% | 50.0~65.0 |
とくに医薬保健学域の医学類(医学部)は、偏差値65.0、共通テスト得点率85%にも達し、これは全国の国立大学医学部の中でも上位層です。
「地方国立大だから簡単」などという声は完全に的外れであり、超難関の学部であることがわかります。
医師国家試験の合格率は

どれだけ偏差値が高くても、最終的に医師として活躍するには医師国家試験の合格率が重要です。
金沢大学医学部の直近(第119回)の国家試験合格率を見てみましょう。
項目 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
全体 | 134人 | 126人 | 123人 | 97.6% |
新卒 | 122人 | 117人 | 117人 | 100.0% |
既卒 | 12人 | 9人 | 6人 | 66.7% |
特筆すべきは、新卒の合格率が100%であるという点です。
これは金沢大学が、6年間を通じて学生一人ひとりにきめ細かな指導を行っている証拠であり、合格実績に直結しています。
卒業後も多くの医師が研究・臨床・教育の各分野で活躍しており、金沢大学医学部の「出口の強さ」も非常にすごいポイントです。
まとめ:金沢大学医学部は【すごい】のか?ネット上で「すごい」と言われている理由を考察
ここまで「金沢大学医学部 すごい」と言われる理由について、歴史、連携施設、偏差値、医師国家試験合格率などの観点から検証してきました。
金沢大学医学部がすごいと言われる理由をまとめると:
- 「旧六医科大学」としての長い歴史と伝統
- 地域を支える多数の連携医療機関
- 高難易度の入試を突破した優秀な学生
- 国家試験での高い合格実績(新卒合格率100%)
これらを踏まえると、金沢大学医学部は“地方の名門”どころか、全国でもトップクラスの医学部であると断言できます。
「地方だから地味」「有名じゃない」などのイメージで判断せず、医学部進学を検討している方は、金沢大学医学部もぜひ選択肢に入れてみてください。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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