神戸薬科大学は【恥ずかしい】のか?ネット上で「恥ずかしい」と言われている理由を考察
近年、大学選びにおいて「恥ずかしい大学」や「やばい大学」といったワードがネット上で見受けられるようになってきました。
これは必ずしもその大学の本質を表しているわけではありませんが、検索結果で見かけると気になってしまう人も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな中でも「神戸薬科大学 恥ずかしい」といった声について、実際にどういった理由でそのような印象が生まれているのかを考察していきます。
神戸薬科大学はお金持ちと言われて恥ずかしい
まずネット上でよく挙げられるのが、「神戸薬科大学は学費が高すぎる」「金持ちの娘が行く大学」といったイメージです。
薬学部はそもそも6年制で、学費が高くなりがちですが、私立の薬科大学の中でも神戸薬科大学は決して安い方ではありません。
神戸薬科大学の学費(2024年度)
項目 | 初年度(1年次) | 2~6年次 |
---|---|---|
入学金 | 400,000円 | ― |
授業料 | 1,500,000円(前期750,000円+後期750,000円) | 年間1,500,000円 |
施設設備費 | 500,000円(前期250,000円+後期250,000円) | 年間500,000円 |
これらを合計すると、6年間で約1,000万円にものぼります。
私立薬学部の平均的な費用は約900〜1,400万円とされていますが、文系学部と比べれば圧倒的に高額です。
そのため、「神戸薬科=お嬢様」「裕福な家庭でないと進学が厳しい」という先入観が生まれやすく、これが“恥ずかしい”という感情につながっている可能性があります。
神戸薬科大学は関西三大薬学部と言われて恥ずかしい

神戸薬科大学は、京都薬科大学・大阪医科薬科大学とともに「関西三大薬学部」あるいは「関西三薬」と呼ばれることがあります。
いずれも歴史ある薬学部単科大学としての地位を築いています。
しかし、最近では他大学の薬学部の偏差値上昇により、「伝統はあるけど偏差値が低いのでは?」という見方も増えてきました。
たとえば、近畿大学や立命館大学の薬学部は偏差値50以上となっており、神戸薬科大学(偏差値47.5)と比較されやすくなっています。
一部では「三大薬学部に入ってるのに偏差値は低め」という点が、「名前負けしてる」と揶揄される原因になっているとも考えられます。
とはいえ、神戸薬科大学は1930年創立という長い歴史を持ち、女性の薬剤師育成の先駆け的存在としての評価も高く、伝統面では他大学をしのぐ部分もあります。
偏差値だけで評価するのは早計とも言えるでしょう。
神戸薬科大学とは

神戸薬科大学は兵庫県神戸市東灘区に本部を構える私立大学です。
略称は「神薬」や「神薬大」とも呼ばれています。
- 創立:1930年(昭和5年)
- 大学設置:1949年
- 共学化:1994年(平成6年)
開学当初は女性の社会的自立を目的とした女子専門学校としてスタートし、戦後に新制女子薬科大学へと改組。
その後、1994年から共学化され、現在は男女問わず薬剤師を目指す学生が学んでいます。
薬学部のみの単科大学という特徴から、薬学に特化した教育・研究環境が整っており、実務に強い薬剤師の育成に力を入れています。
神戸薬科大学の偏差値は

神戸薬科大学の偏差値は以下のとおりです。
- 薬学部:偏差値47.5(2025年時点、パスナビより)
偏差値的には「中堅どころ」といった印象ですが、薬学部という学部の性質上、偏差値だけで大学の優劣を判断するのは難しい面があります。
国家試験の合格率や就職実績なども併せて見る必要があるでしょう。
卒業生の主な就職先

神戸薬科大学の卒業生は、薬剤師国家試験に合格後、主に調剤薬局やドラッグストア、病院、製薬企業、行政機関などに就職しています。
代表的な就職先は以下の通りです。
- アインホールディングス
- I&H(阪神調剤グループ)
- スギ薬局
- アルカ調剤薬局
- なの花薬局
- 中部薬品
- 総合メディカル
- クオール
- ゆう薬局グループ
- 兵庫県職員(公務員)
これらから見ても、薬剤師としてのキャリアパスは安定しており、決して“恥ずかしい”大学とは言えません。
まとめ:神戸薬科大学は【恥ずかしい】のか?ネット上で「恥ずかしい」と言われている理由を考察
「神戸薬科大学が恥ずかしい」と言われる理由の多くは、以下のようなイメージや誤解によるものであると考えられます。
- 学費が高く、“金持ち大学”と見なされる
- 関西三大薬学部の一角だが、偏差値が他大学より低く見られることがある
- 単科大学ゆえに一般知名度が低く、過小評価されがち
しかし実際には、薬剤師を目指す上で十分な教育体制と実績が整っており、歴史と伝統に裏打ちされた信頼性の高い大学です。
卒業生の就職先も安定しており、国家試験合格に向けたサポート体制も充実しています。
「恥ずかしい」といったレッテルに惑わされず、自分に合った進路を見極めることが何より大切です。
神戸薬科大学は、薬剤師という専門職を志す人にとって、十分に価値のある選択肢と言えるでしょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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