【大学受験】英作文のトレーニング 減点されない英作文を書くコツ
英作文は、単なる文法知識や語彙力だけでなく、論理的な思考力や表現力を総合的に評価する試験として、重要性が増しています。しかし、多くの受験生が英作文に苦手意識を持っているのも事実です。
この記事では、英作文に対する不安を解消し、確実に加点を狙うための具体的なトレーニング方法を紹介します。また、減点されないコツも紹介します。基本的な準備から実践的なトレーニング方法まで、段階的に学んでいくことで、英作文のスキルを着実に向上していきます。皆さんが自信を持って英作文に取り組めるような情報になればうれしく思います。
大学受験における英作文の位置づけと重要性

英作文は大学受験において重要な役割を果たしています。国公立の2次試験や近年では英語論文を課す大学もあります。英作文は、英語力を総合的に測るための手段として多くの大学で出題されています。以下に、英作文の位置づけとその重要性について説明します。
1. 英語力の総合的な評価
英作文は、受験生の英語力を総合的に評価するための重要なツールです。単なる文法知識や語彙力だけでなく、以下のような能力を評価することができます。
- 思考力と論理性:与えられたテーマに対して論理的に考え、自分の意見を整理して書く力。
- 表現力:適切な語彙と文法を使って、正確で分かりやすい文章を書く力。
- 創造性:独自の視点やアイデアを持って、興味深い内容を展開する力。
2. 大学の求めるスキルの反映
多くの大学が英作文を重要視する理由の一つに、大学での学問研究やプレゼンテーションで必要とされるスキルが含まれているからです。例えば、リサーチペーパーやレポートを書く際には、以下のような能力が求められます。
- 論文執筆:研究結果を論理的かつ明確に表現する能力。
- クリティカルシンキング:異なる視点を評価し、自分の意見を支持するための根拠を提供する能力。
3. グローバル社会でのコミュニケーション能力
英作文の能力は、グローバルな社会でのコミュニケーションにも直結しています。英語は国際共通語であり、多くの場面で英語でのコミュニケーションが求められます。
- ビジネス:ビジネスメールや報告書、プレゼンテーション資料の作成。
- 学術交流:国際会議での発表や学術論文の執筆。
4. 入試における差別化要因
英作文は、多くの受験生にとって差別化を図る重要なポイントです。高得点を狙うためには、他の受験生と一線を画す優れた文章を書くことが求められます。
- 独自の視点:他の受験生にはない独自の視点や意見を持つこと。
- 深い理解:テーマに対する深い理解と、説得力のある論理展開。

大学や学部によって英作文の主題形式はさまざまです。高大接続改革によって英作文の位置づけも変化が見られます。
学受験における英作文は、単なる英語の知識を超えて、思考力、表現力、創造力などを総合的に評価するための重要な要素です。受験生にとって、英作文のトレーニングを通じてこれらの能力を高めることは、大学入学後の学問研究やグローバル社会での活躍にも繋がるステップとなります。
英作文のトレーニング前にすべきこと

英作文のトレーニングを始める前に、英語の基礎をしっかりと固めることが重要です。以下に、英作文のトレーニング前にやるべき基本的なことを必要なポイントをまとめました。
1. 文法の復習
英作文において、正しい文法を使うことは基本中の基本です。文法のミスが多いと、内容が正しく伝わらないだけでなく、評価も下がってしまいます。
- 基本文法の確認:主語と動詞の一致、時制の一致、冠詞の使い方、前置詞の使い方など、基本的な文法ルールを再確認しましょう。
- 参考書の活用:『一億人の英文法』や『Forest』などの信頼できる文法書を使って、体系的に復習することをおすすめします。
2. 語彙の強化
豊富な語彙力は、より多様な表現を可能にし、説得力のある文章を書くために不可欠です。
- 単語帳の利用:受験英語に特化した単語帳(『DUO 3.0』や『ターゲット1900』など)を使って、重要単語を効率よく覚えましょう。
- 語彙リストの作成:自分が苦手な単語や頻出する単語をリストアップし、定期的に復習する習慣をつけましょう。
3. 英作文に必要な構文
特定の構文やフレーズを覚えておくと、英作文がスムーズに進みます。
- 定型表現の習得:例えば、意見を述べる際の「I believe that…」や、対比を示す「On the other hand,…」など、よく使うフレーズを覚えましょう。
- 例文の暗記:模範的な例文を暗記し、実際の作文で応用することも有効です。

定型表現や例文暗記は即戦ゼミ3などを活用すると文法や語法の学習にもつながるので便利です。また、Z会から販売されている「[必修編] 英作文のトレーニング」も良いです。別冊で暗唱例文集がついていて、暗唱例文集を学習してから、本編に取り掛かるのもおすすめです。
英作文のトレーニング方法

英作文のスキルを向上させるためには、継続的で効果的なトレーニングが必要です。以下に、具体的な英作文トレーニング方法を紹介します。
1. ディクテーション(書き取り練習)
ディクテーションは、リスニング力と書く力を同時に鍛える方法です。
- 手順
- 短い英語の音声素材を用意します(ニュースやポッドキャスト、英語のリスニング教材など)。
- 音声を聞きながら、聞き取った内容を正確に書き取ります。
- 書き取った文章と原文を比較し、誤りを確認します。
- 効果
- リスニング力と同時にスペルや文法の確認ができる。
- ネイティブの自然な表現やリズムに慣れる。
2. 要約練習
要約練習は、読解力と要約力、そして英作文力を総合的に鍛える方法です。
- 手順
- 短い英語の文章や記事を読みます。
- その内容を日本語で要約し、その後英語で書き直します。
- 自分の書いた要約を原文と比較し、内容が適切に伝わっているかを確認します。
- 効果
- 内容を把握し、簡潔にまとめる力がつく。
- 日本語から英語への変換練習を通じて、表現力が向上する。
3. 過去問演習
過去問を使った演習は、実践的なトレーニングとして非常に効果的です。
- 手順
- 過去の大学入試問題を入手し、実際に制限時間内で解答します。
- 書いた答案を模範解答や解説と比較し、改善点を確認します。
- 自分の弱点を把握し、そこを重点的に練習します。
- 効果
- 実際の試験形式に慣れることができる。
- 弱点を見つけ、それを克服するための具体的な対策が立てられる。

過去問は現在の自分の力を計るためにも、早い時期に一度は解いておくことをすすめます。やみくもに英作文のトレーニングを始めるのではなく、志望校の英作文の出題パターン(自由英作文、テーマ式など)を把握してから出題パターンの即したトレーンを行いましょう。
問題集でのトレーニング方法の手順と効果

英作文のスキルを向上させるために、問題集を活用したトレーニングも非常に効果的です。以下に、具体的な手順とその効果を説明します。
1. 問題集の選定
まず、信頼性の高い問題集を選ぶことが重要です。大学受験向けの英作文問題集を選びましょう。例えば、「Z会の英作文のトレーニング」や「大学受験英作文ハイパートレーニング」などがおすすめです。
2. 設問の理解とテーマ設定
各設問をしっかりと読み、テーマを理解します。設問が求める内容や形式を把握することが重要です。
- 手順
- 設問を読み、どのようなテーマが問われているか理解します。
- テーマに関連する自分の知識や意見を整理し、メモします。
- 効果
- 問題の意図を正確に把握し、適切な内容で回答できる。
- 事前にメモを取ることで、論理的に構成された文章を書く準備ができる。
3. 下書きと構成の作成(自由英作文)
文章の骨組みを作成し、論理的な構成を考えます。
- 手順
- 導入(Introduction)、本文(Body)、結論(Conclusion)の基本構成に基づいて下書きを作成します。
- 各段落にどのような内容を含めるか、簡単なメモを作成します。
- 効果
- 構成がしっかりしていると、論理的で読みやすい文章を書くことができる。
- 書くべき内容が明確になり、スムーズに文章を書き進められる。
4. 実際の執筆
下書きを基に、実際に文章を書きます。
- 手順
- 下書きを見ながら、文章をフルセンテンスで書きます。
- 各段落を丁寧に書き、導入、本文、結論の流れが一貫しているか確認します。
- 語彙や文法に注意しながら、表現を工夫します。
- 効果
- 実際の試験に近い形で文章を書く練習ができる。
- 語彙や文法の使い方を実践的に学ぶことができる。
5. 見直しと修正
書いた文章を見直し、必要に応じて修正します。
- 手順
- 文章全体を読み返し、文法やスペルミスをチェックします。
- 文章の論理構成や流れが適切か確認します。
- 他人に見てもらい、フィードバックを受けます(可能であれば)。
- 効果
- ミスを修正することで、完成度の高い文章が作成できる。
- 他人からのフィードバックで、自分では気づけない改善点を発見できる。
6. 模範解答と比較
模範解答と自分の回答を比較し、どの部分を改善すべきか分析します。
- 手順
- 問題集に掲載されている模範解答を読み、自分の回答と比較します。
- 自分の文章のどの部分が劣っているか、どの部分が良かったかを分析します。
- 模範解答から学んだポイントを次回の練習に活かします。
- 効果
- 模範解答と比較することで、自分の弱点を具体的に把握できる。
- 模範解答から良い表現や構成の仕方を学び、自分の作文に活かせる。
問題集を使った英作文のトレーニングは、設問の理解とテーマ設定、下書きと構成の作成、実際の執筆、見直しと修正、模範解答との比較の5つのステップで進めることが効果的です。
英作文で減点される箇所

英作文で高得点を狙うためには、減点されやすいポイントを理解し、それを避けることが重要です。減点されやすいポイント理解し、注意を払うことが減点されない英作文を書くコツです。以下に、英作文でよく減点される箇所とその対策を紹介します。
1. 文法のミス
文法の間違いは減点の対象となりやすいです。基本的な文法ルールを正確に守ることが重要です。
- よくある文法ミス:
- 主語と動詞の一致(例:He go to school → He goes to school)
- 時制の一致(例:I have seen him yesterday → I saw him yesterday)
- 冠詞の誤用(例:He is a engineer → He is an engineer)
- 前置詞の誤用(例:I am good in math → I am good at math)
- 対策
- 定期的に文法書を使って復習する。
- 例文を利用して、自分の文法ミスを確認する。
2. スペルミス
スペルミスは読者の理解を妨げ、プロフェッショナルな印象を損ねます。
- よくあるスペルミス
- 同音異義語の混同(例:their / there / they’re)
- 二重子音の誤り(例:accomodation → accommodation)
- 不規則動詞の過去形(例:runned → ran)
- 対策
- スペルチェックを常に行う習慣をつける。
- 単語帳を使って正しいスペルを覚える。
3. 語彙の誤用
適切な語彙を選ばないと、意味が伝わりにくくなり、減点の対象となります。
- よくある語彙の誤用
- 同義語の誤用(例:big と large の使い分け)
- フォーマル/インフォーマルの使い分け(例:kids → children)
- 対策
- 語彙リストを作成し、頻出単語や表現を覚える。
- 必要に応じて英英辞典を活用して、単語の正確な意味と使い方を確認する。

英作文を書く際に、単語がわからないのは仕方がないです。減点対象となるのは、細かなミスです。おそらく殆どがケアレスミスでしょう。限られて時間内で英作文を書くのは非常に焦ります。日頃から時間を計って書くトレーニングをすることも減点を防ぐコツのひとつです。
自由英作文の具体的な構成

1. よく主題されるテーマの英文になれる
- よく出題されるテーマ例
- 環境問題(例:Climate change and its impact)
- 教育の重要性(例:The role of education in society)
- テクノロジーと生活(例:How technology has changed our lives)
- 社会問題(例:The increasing problem of homelessness)
2. 構成の立て方
文章の構成を明確にすることで、読みやすく論理的な文章を書くことができます。
- 基本構成
- 導入(Introduction):テーマの背景や重要性を簡潔に述べ、本文の概要を示す。
- 本文(Body):主張を支える論点や事例を順番に述べる。一般的に3つの段落に分ける。
- 第一段落:主張の一つ目のポイントとそれを支持する具体例。
- 第二段落:主張の二つ目のポイントとそれを支持する具体例。
- 第三段落:主張の三つ目のポイントとそれを支持する具体例。
- 結論(Conclusion):本文の要点をまとめ、再度主張を強調する。
3. 文章のチェック
自分の書いた文章を見直し、修正することは非常に重要です。
- 自己チェックのポイント
- 文法の確認:主語と動詞の一致、時制の一致、冠詞の使い方など基本的な文法ミスをチェック。
- 語彙の確認:同じ単語やフレーズの繰り返しを避け、適切な語彙を使用しているか確認。
- 構成の確認:導入、本文、結論の流れが論理的で一貫しているかを確認。
- スペルチェック:スペルミスがないかを確認。

英作文は必ず、高校の先生や塾の先生に添削してもらいましょう。自分では気づけないミスや改善点を指摘してもらえます。
4. 模範解答の利用
模範解答を読むことで、良い文章の例を学ぶことができます。
- 模範解答の活用方法
- 分析:模範解答の構成や使われている語彙、フレーズを分析し、自分の作文に取り入れる。
- 模倣:模範解答を参考にして、似たようなテーマで自分の作文を書いてみる。
- 反復練習:模範解答を何度も読み、暗記することで自然な表現を身につける。

英作文は、出題テーマや書きたいことを①日本語で考える→②その日本語を簡単な日本語に変換(英語で書ける日本語に)→③英作する→④チェックというサイクルの繰り返しです。満点を狙うのではなく、失点を防ぐことが大切です。
まとめ
この記事では、英作文の基本的な準備事項、具体的なトレーニング方法、そして減点されやすいポイントについて説明しました。適切な方法でトレーニングを続けることで、確実に英作文のスキルを向上させることができます。
大切なのは、継続的に練習を行い、自分の弱点を把握し、それを克服するための具体的な対策を立てることです。問題集を活用したトレーニングや他人からのフィードバックを取り入れることで、自分の作文力を客観的に見直し、改善していきましょう。
英作文のスキルは一朝一夕で身につくものではありませんが、日々の努力が確実に成果を生むものです。皆さんの努力が実を結び、志望校への合格を果たすことを心より応援しています。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
コメント