共通テスト「化学」過去問はいつから?時間がない人がやるべき勉強法も解説
共通テスト「化学」は、公式暗記だけでは高得点が難しい科目です。
計算力・思考力・化学現象の理解がバランスよく求められ、
「過去問はいつから解くべき?」「時間がなくても間に合う?」と悩む受験生が多いのもこの科目の特徴です。
この記事では、共通テスト化学の過去問演習を始める最適な時期と、
暗記・計算・直前期の効果的な勉強法、さらに時間がない人でも得点を伸ばす最短攻略法を解説します。
共通テスト化学の特徴と攻略の前提
共通テスト化学は、「思考型問題」と「スピード勝負」の両方が問われます。
暗記だけで対応できる範囲は限られており、実験考察や計算問題で差がつく構成です。
主な出題傾向
- 理論化学:モル計算、熱化学、酸化還元、電池など
- 無機化学:反応の特徴・色・沈殿など知識問題
- 有機化学:構造決定、反応式、官能基の性質
特徴は、文章量が多く、思考を要する問題が中心であること。
したがって、教科書知識の丸暗記ではなく、「原理を理解して使う」力が必要です。
【6〜8月】基礎固めの時期:理論化学の理解を最優先に

共通テスト化学で最も得点差が出るのが「理論化学」です。
この時期は、理論分野の基礎を徹底的に固めましょう。
この時期にやること
理解を深めるコツ
「なぜそうなるのか」を言葉で説明する練習をしましょう。
例:なぜ気体は圧力と体積が反比例するのか(ボイルの法則)など。
理論を理解していれば、共通テスト独特の思考問題にも対応できます。
【9〜10月】過去問演習スタート:形式に慣れる+時間感覚をつかむ
9〜10月は、過去問演習を開始するのに最適な時期です。
まずは「どんな問題が出るのか」を知ることから始めましょう。
演習の進め方
- 1年分を時間を計らずに解く(内容理解重視)
- 解説を読みながら、出題意図・知識の使われ方を分析する
- 計算問題は必ず“途中式”をノートに残す
ポイント
- 無機・有機よりも先に理論を優先
- グラフや数値の読み取り問題に慣れる
- 出題形式(マーク数・配点・時間感覚)を体で覚える
この段階で「どの分野が苦手か」を洗い出し、11月以降の演習に活かします。
【11〜12月】得点アップの鍵:テーマ別徹底演習期
この時期は、過去問+予想問題を使って、頻出テーマを強化しましょう。
理論・無機・有機の3分野をバランスよく回すのがポイントです。
頻出テーマ(重点的に練習すべき分野)
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| 理論化学 | モル計算・熱化学・酸化還元・電池・平衡 |
| 無機化学 | 金属イオンの沈殿、気体の発生、色の変化 |
| 有機化学 | 構造決定・反応経路・高分子・官能基 |
この時期の勉強法
- 過去3〜5年分を2周目として再挑戦する
- 計算問題は「速さ」と「正確さ」を両立させる
- 模試で得点できなかった単元を復習リスト化する
時間を計って解く練習を始めるのもこの時期。
60分でどこまで進めるかを意識することで、時間感覚が身につきます。
【1月】直前期:復習・計算スピード・苦手分野の最終確認
1月は、過去問や模試の復習に集中しましょう。
「もう新しい問題は解かない」くらいのつもりでOKです。
直前期のポイント
- 苦手分野ノートの最終確認
- 計算系の公式を“導ける”レベルで再確認
- 教科書の図・反応式を目で追って整理
- 予想問題集を1〜2回分だけ実施して感覚を維持
特に共通テストでは、1問あたりの時間配分(2〜3分)を意識すると安定します。
本番1週間前は、「完璧」よりも「確実に取る」姿勢を優先しましょう。
時間がない人の最短攻略法:今からでも得点アップは可能

「もう11月」「過去問が全然終わってない」という人も、焦る必要はありません。
限られた時間で効率よく点を取るには、“取れる問題を確実に取る戦略”に切り替えましょう。
1. 過去問を分析教材として使う
過去問を最初から解かなくてもOK。
設問と選択肢を読み、どの分野・形式が出るかを把握するだけで、勉強の方向性が見えます。
2. 苦手分野を“絞り込んで克服”
すべて完璧にする必要はありません。
出題頻度が高く、点につながりやすい範囲を優先しましょう。
- 理論化学:モル計算・酸化還元・電池・平衡
- 無機化学:色・反応・沈殿
- 有機化学:構造決定・高分子
「1分野=2〜3問は確実に取る」ことを目標にするだけで大きく変わります。
3. 計算問題は“型を暗記”
理論化学の計算はパターン化されています。
例:モル→物質量→質量/気体体積→比率。
過去問で出た計算式をノートにまとめ、“思考せずに手が動く”状態を作るのが時短のコツです。
4. 一問一答より「問題文の読み慣れ」を優先
文章量の多い設問に慣れると、ケアレスミスが減ります。
選択肢の「ひっかけ」パターンも、過去問を読むだけで自然に把握できます。
5. 直前期は“見直しリスト”だけ見る
本番前は新しい問題よりも、自分が間違えた問題だけに集中。
「どの公式を忘れやすいか」「どの単位でミスしたか」を明確にしておきましょう。
時間がない人は「計算問題」を最優先!

共通テスト直前期(1〜2週間前)に時間が限られている場合、
化学で最も得点効率が高いのは 「計算問題」 です。
計算問題を優先すべき理由
- 配点が高く、出題パターンが安定している
→ モル計算・平衡・酸化還元・電池は毎年定番。短期間でも得点アップが可能。 - 思考型問題も「型練習」で解けるようになる
→ 計算手順を身体で覚えれば、初見問題にも対応できる。 - 暗記よりも得点に直結しやすい
→ 計算1問で5〜6点上がる可能性がある一方、暗記問題は1点ずつしか上がらない。
暗記分野は「頻出範囲だけ拾う」
出題頻度が高く、短時間で確認できる部分を重点的に押さえましょう。
| 分野 | 最低限確認しておきたい項目 |
|---|---|
| 無機化学 | 気体の発生反応(H₂・O₂・NH₃・Cl₂など)/金属イオンの沈殿・色変化 |
| 有機化学 | 官能基の特徴(アルコール・カルボン酸・エステルなど)/高分子の構造式 |
| 酸化還元反応 | 電池・電解の反応半式(陽極・陰極の違い) |
直前期の優先順位まとめ(残り1〜2週間)
| 優先度 | 分野 | 内容 | 学習方法 |
|---|---|---|---|
| ★★★★★ | 計算問題(理論化学) | モル計算/平衡/酸化還元/電池 | 過去問・模試の計算部分だけ抜粋して反復 |
| ★★★★☆ | 無機化学 | 気体・沈殿・色・反応条件 | ノートで確認・暗記カードで復習 |
| ★★★☆☆ | 有機化学 | 官能基・構造決定・高分子 | 一問一答で短時間回転 |
| ★★☆☆☆ | 難問・例外 | 出題頻度が低い範囲 | 時間があれば確認程度でOK |
残り1週間の学習スケジュール例
| 日程 | 学習内容 |
|---|---|
| 〜3日前 | 計算問題中心:モル・平衡・電池・酸化還元を毎日練習 |
| 2日前 | 無機・有機の頻出暗記を確認(表やカードで) |
| 前日 | 苦手分野ノート・公式の最終チェック、軽い過去問見直し |
| 当日朝 | 公式・単位変換の確認のみ(新しい問題は解かない) |
よくある質問(FAQ)
Q1:過去問は何年分解くべき?
3〜5年分が理想です。
ただし時間がなければ、1年分を精読して出題傾向を把握するだけでも十分です。
Q2:共通テスト化学基礎だけ受験します。間に合いますか?
化学基礎は範囲が狭く、出題傾向も安定しているため、11月からでも間に合います。
グラフ問題と計算問題を中心に演習を行いましょう。
Q3:過去問以外におすすめの教材は?
河合塾「共通テスト総合問題集」や「Z会の共通テスト実戦模試」など、
共通テスト専用の模試型教材を併用すると効果的です。
まとめ:過去問は9〜10月開始、遅くとも11月/分析重視で得点アップ
- 過去問演習のスタート時期は9〜10月が理想
- 理論化学(計算問題)を優先して基礎を固める
- 11〜12月は頻出分野の演習+計算スピード強化
- 直前期は復習と時間配分の調整が中心
- 時間がない人は「出題傾向分析+計算特化」で最短攻略
共通テスト化学は「考えて解く」試験です。
焦るよりも、限られた時間で出題パターンをつかみ、復習中心の学習に切り替えましょう。
思考力とスピードの両方を磨けば、短期間でも得点アップは十分可能です。
【化学基礎・化学】化学がわからない、難しいと感じる原因は 苦手克服は原因究明から
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。



コメント