早稲田 医学部 ネタ|なぜ早稲田大学に医学部がないのか?歴史と制度から解説
「早稲田大学に医学部ってあったっけ?」
SNSやネット掲示板を中心に、たびたび話題になるのが
「早稲田 医学部」という検索ワードです。
受験生の間では半ば都市伝説のように扱われており、「実は作ろうとしていた」「慶應にはあるのに早稲田にはないのはなぜ?」といった疑問を持つ人も少なくありません。
結論から言えば、早稲田大学に医学部は存在しません。
しかし、それは単なる大学の方針ではなく、明治時代から続く歴史的経緯や、国家レベルの医療政策、さらには経済的なリスクなど、複数の要因が複雑に絡み合った結果なのです。
本記事では、「早稲田 医学部」というネタの背景にある現実について、制度面も含めて詳しく解説していきます。
早稲田大学は過去に医学部を作ろうとしていた
実は、早稲田大学における医学部設置の構想は100年以上前に遡ります。
1906年には、大隈重信が会長を務めた同仁会によって「東京同仁医薬学校(附属医学校)」が設立されました。
しかし、医学教育には莫大な資金が必要であり、経営基盤の脆弱さから1911年に閉校となってしまいます。
1920年代には再び医学部設置が検討され、寄付金も集まり始めていましたが、1922年の大隈重信の死去と、翌年の関東大震災による財政打撃により計画は頓挫しました。
さらに1950年代には、日本医科大学との合併による医学部創設が模索されましたが、単科医大としての自律性を重視する学内の反対により交渉は決裂。
1970年代にも創立100周年事業として医学部設置が検討されましたが、当時の文部省による医学部新設抑制政策と資金難により断念されています。
なぜ現代でも医学部は新設されないのか?

医学部の新設は、大学の意思だけで決まるものではありません。
日本では、医師の供給過剰を防ぐため、医学部の新設は国家レベルで厳しく管理されています。
厚生労働省の推計によると、医師の需要と供給は早ければ2024年、遅くとも2033年頃には均衡し、その後は過剰状態に転じる可能性が指摘されています。
この「2040年問題」を背景に、2027年度以降は医学部定員の段階的削減も予定されており、新たな医学部の設置は極めて困難な状況にあります。
また、医学部新設には大学病院の併設が不可欠であり、建設費だけで数百億円、年間の運営費も100億円規模に及びます。万が一病院経営が赤字になれば、大学全体の財政を圧迫するハイリスクな事業です。
さらに、医学部の新設には「地域医療への貢献」という大義名分が求められますが、医師が密集する東京都心に本部を置く早稲田大学にとって、その要件を満たすことは容易ではありません。
つまり、現代において医学部の新設は「大学の教育戦略」というよりも、「国家レベルの医療政策」として扱われており、仮に早稲田大学が医学部設置を希望したとしても、単独の意思決定で実現できるものではないのが実情です。
約40年ぶりに誕生した新設医学部の存在
21世紀に入ってから誕生した医学部は、わずか2校のみです。
2016年に開設された東北医科薬科大学医学部は、東日本大震災後の地域医療再生を目的とした特例措置によって設立されました。
また、2017年に開設された国際医療福祉大学医学部は、国家戦略特区を活用し、「医療の国際化」という国家的使命を担っています。
これらの事例からも分かるように、現代における医学部新設は、単なる大学の拡張ではなく、国家的プロジェクトとして位置づけられているのです。
医学部を持たない早稲田大学の戦略

では、医学部を持たない早稲田大学は医療分野と無縁なのでしょうか。
答えは「NO」です。
早稲田大学は、東京女子医科大学との連携によって2008年に「TWIns(先端生命医科学センター)」を設立しました。
この研究拠点では、理工学と医学を融合させた「医理工連携」が進められており、人工心臓の開発や再生医療、ロボット手術支援システムなど、最先端の医療技術が研究されています。
また、日本初の共同大学院として「共同先端生命医科学専攻」も設置され、分野横断型の博士人材育成が行われています。
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早稲田大学が目指す次世代医療への貢献
2032年の創立150周年に向けた長期戦略「Waseda Vision 150」では、医学・理工学・生命科学を融合させたライフイノベーションの創出が掲げられています。
さらに、2016年には早稲田出身の医療職によるネットワーク「稲門医師会」も設立されており、医療分野との連携強化が進められています。
まとめ:医学部がない=医療に弱いではない
「早稲田 医学部」という検索ワードは、ネット上のネタとして扱われることが多いですが、その背景には100年以上にわたる設置構想の歴史と、現代の制度的・経済的なハードルが存在しています。
医学部という「箱」を持たない早稲田大学は、医療そのものを教育するのではなく、理工学との融合によって医療技術の発展に貢献するという独自の道を歩んでいます。
今後、医療の高度化やAIの導入が進む中で、「医理工融合」というアプローチは、日本の医療の国際競争力を支える重要な役割を果たす可能性があります。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。



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