芝浦工業大学はなぜ人気?4工大の偏差値推移から見える「理工系難化」の理由
「芝浦工業大学って、昔より難しくなってない?」
そう感じている受験生や保護者は、決して少なくありません。
実際、首都圏の理工系大学、特にいわゆる「4工大(芝浦工業大学・工学院大学・東京電機大学・東京都市大学)」では、ここ10年で偏差値構造そのものが大きく変化しています。
本記事では、4工大を中心に過去10年間の偏差値推移を基に、
なぜ芝浦工業大学をはじめとする理工系大学が“人気化・難化”しているのかを、背景要因とともに解説します。
結論|理工系難化の正体は「分野×立地」
結論から述べると、過去10年間で顕著なのは次の2点です。
- 「情報・建築」分野への人気集中
- 「都心キャンパス」を持つ大学の難化
この2つが重なった学部では、GMARCHの理系学部と同等、あるいはそれ以上の難易度となるケースも珍しくありません。
1. 理工系全体に起きている構造変化

まず前提として理解しておきたいのが、理系偏差値の特性です。
理系学部は
- 数学・理科を必須とする
- 受験母集団の学力が高い
という理由から、文系と比べて偏差値が5〜10程度低く出やすい傾向があります。
この前提を踏まえたうえで、過去10年の推移を見ると、次の構造変化が明確です。
① 「情報・建築」への一極集中
かつて工学部の中心だったのは、機械・電気・土木でした。
しかし現在は、
- DX(デジタルトランスフォーメーション)
- ITエンジニア需要の爆発
- 建築士など専門職志向の高まり
を背景に、情報系・建築系が偏差値上昇を牽引する構図に変わっています。
② 都心回帰による二極化
もう一つの大きな要因が、立地です。
- 駅近・都心キャンパス → 偏差値上昇
- 郊外キャンパス → 横ばい〜微減
「通いやすさ」「就活との相性」を重視する受験生が増え、都心キャンパスを持つ学部ほど人気が集中する傾向が強まっています。
2. 4工大・大学別の偏差値推移と特徴
芝浦工業大学|トップランナーの安定と“過熱”
芝浦工業大学は、4工大の中で最も高い偏差値帯(50.0〜67.0)を維持してきました。
現在ではGMARCH理系と比較しても遜色のない難易度です。
偏差値はパスナビを参照しています。
建築学部
- 2017年の学部独立以降、人気が爆発
- 2023年:57.5〜65.0まで上昇
- 2024年:難化回避により55.0〜64.0へ調整
👉 完全に「高止まりフェーズ」へ移行
工学部
- 学科改編を繰り返しながらも
- 偏差値53.0を下回らない堅実な推移
工学院大学|新宿×情報系の相乗効果
工学院大学は、新宿キャンパスという圧倒的立地を武器に、情報・建築分野で存在感を強めています。
情報学部
- 2023年:52.5〜59.0
- 2025年:52.5〜64.0へ急上昇
特に情報通信系での難化が顕著です。
一方で、
先進工学部では「大学院接続」を前提とした層の確保など、偏差値一本足ではない戦略も見られます。
東京電機大学|千住キャンパス移転の完成形
2012年の東京千住キャンパス移転以降、
東京電機大学は「入りやすい理工大」からの脱却に成功しました。
システムデザイン工学部
- 2023年:47.5〜60.0
- 2025年:52.5〜62.0
👉 下限偏差値の大幅上昇が最大の特徴
一方、未来科学部などでは
急騰→調整という揺り戻しも確認できます。
3. 直近(2023〜2025)に起きている“受験生心理”

直近数年のデータからは、次のような動きが見て取れます。
① 人気学部の「隔年現象」
前年度に偏差値・倍率が急騰
→ 翌年にやや敬遠され、調整
特に情報・建築系で顕著です。
② 偏差値50.0の壁
現在の4工大では、
- 最低偏差値50.0以上
がほぼ共通しています。
これは、
「中堅上位理工大」というポジションが完全に固定化したことを意味します。
③ 共通テスト利用の影響
芝浦工業大学の建築学部などでは、
共通テスト得点率8割前後が求められるケースもあり、
これが見かけ上の偏差値を押し上げる要因にもなっています。
【やばい】芝浦工業大学の偏差値は「やばい」のか?芝浦工業大学の人気の理由を調査
まとめ|芝浦工業大学はなぜ人気?4工大の偏差値推移から見える「理工系難化」の理由
過去10年の推移を総合すると、
- 情報・建築という“勝ち分野”
- 都心キャンパスという立地
- 就職・大学院まで見据えた評価
これらが重なり、芝浦工業大学をはじめとする4工大は「もはや穴場ではない」存在になりました。
芝浦工業大学が人気なのは、
「就職に強いから」ではなく、
“本気で学びたい理系学生が集まる場所になったから”
そう言えるフェーズに入っています。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。



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