富山県立大学はどんな大学?【Fラン】【難しい】と言われている実態を調査
大学選びにおいて、ネット上の評判や口コミは気になるポイントの一つです。
「富山県立大学 Fラン」「富山県立大学 難しい」といった検索ワードを目にすると、不安に思う受験生や保護者の方もいるでしょう。
しかし「Fラン」という言葉は、偏差値だけで一括りにされたり、根拠のないイメージで語られたりするケースも少なくありません。
また「難しい」とされる理由にも、入試科目の特徴や学部ごとの評価基準が関わっています。
本記事では、富山県立大学について、なぜそのように言われるのかを冷静に分析し、実際の偏差値・入試の難易度・学びの環境・卒業後の進路などを解説していきます。
進学を検討している方にとって判断材料の一つになれば幸いです。
富山県立大学はFランなのか?
富山県立大学の偏差値は【37.5〜42.5】の水準にあり、共通テストが必須の公立大学です。
いわゆる「偏差値35以下・定員割れ常態化」といったFラン大学の定義には当てはまりません。
むしろ、理工系分野を中心に地域社会や産業界と連携し、実学的な教育を提供する大学といえます。
偏差値では測れない魅力
2020年4月には、射水キャンパスに9階建ての「中央棟」が完成し、学習・研究環境が大幅に拡充されました。
さらに2022年には「DX教育研究センター」が設置され、先端研究機器や高度な通信環境を備えた学修拠点として機能しています。
また、附属図書館には約18万冊の蔵書と豊富な映像・音声ライブラリーを揃え、学生の学習支援に活用されています。
2024年4月には新たに情報工学部が開設され、AI・データサイエンス分野の教育研究も本格化しました。
偏差値の数値だけで大学を評価するのではなく、こうした教育設備・研究体制の充実度こそが富山県立大学の強みといえるでしょう。
富山県立大学が難しいと言われている理由は?

では、なぜ「富山県立大学 難しい」と検索されるのでしょうか。
理由は主に入試科目の特性にあります。
数学の問題構成
富山県立大学の二次試験(個別学力検査)では数学が重視されます。
大問4題が計算問題で構成され、数Ⅲを含む全範囲から出題されるのが特徴です。
設問数は少なめであるため、一つのケアレスミスが合否に直結しやすいのです。
難問というより「正確性と集中力」を求められる試験といえます。
看護学部の入試形式
一方で看護学部は二次試験が小論文や面接中心であり、科目試験による逆転が難しい仕組みになっています。
そのため、共通テストでしっかり得点を確保しておかなければなりません。
「難しい」と言われるのは、こうした入試制度上のハードルに由来しているのです。
富山県立大学とは

富山県立大学は、富山県射水市黒河5180に本部を置く公立大学です。
1962年創立、1990年に大学として設置されました。
当初は工学部のみの単科大学でしたが、2019年度に看護学部を新設し、現在は「工学部」「情報工学部」「看護学部」の3学部を擁する総合大学となっています。
2つのキャンパス
- 射水キャンパス … 工学部・情報工学部が拠点。最新の研究棟やDX教育環境が整備されている。
- 富山キャンパス … 看護学部が拠点。富山県立中央病院に隣接し、医療現場に直結した教育環境を提供している。
また、富山県内7校による「大学コンソーシアム富山」に加盟しており、単位互換制度を通じて他大学の科目履修も可能です。
放送大学の「富山学習センター」も併設されており、学習の幅を広げる機会が整っています。
富山県立大学の偏差値は

学部ごとの最新データは以下の通りです。
- 工学部
共通テスト得点率:51%〜69%
偏差値:40.0〜42.5 - 情報工学部
共通テスト得点率:52%〜69%
偏差値:37.5〜40.0 - 看護学部
共通テスト得点率:58%〜62%
全国的に見ても標準的〜やや高めの公立大学の水準であり、「Fラン」と断じるには当たりません。
卒業生の就職先は

富山県立大学の就職先を見ると、北陸地域の優良企業や全国規模の大手企業、さらに医療機関への就職実績が豊富です。
工学部・情報工学部
- 製造業:YKK、YKK AP、不二越、LIXIL、豊田自動織機、本田技研工業
- 電気・IT:ルネサスエレクトロニクス、NECソリューションイノベータ、インテック
- 建設・インフラ:清水建設、関西電力、北陸電力
- 医療・化学:テルモ、富士フイルム富山化学、協和ファーマケミカル
看護学部
- 富山県立中央病院、富山大学附属病院、富山赤十字病院、済生会富山病院
- 高岡市民病院、済生会高岡病院、厚生連高岡病院 など
地域医療の中核を担う病院や全国展開する医療機関への就職が多数で、県内外で活躍できる基盤を持っています。
まとめ:富山県立大学はどんな大学?【Fラン】【難しい】と言われている実態を調査
「富山県立大学 Fラン」「富山県立大学 難しい」という検索ワードには、それぞれ誤解や誇張が含まれています。
- 偏差値は37.5〜42.5で、公立大学として標準的な水準。Fランではない。
- 工学部・情報工学部は数学重視で「ケアレスミスが命取り」となる入試形式。
- 看護学部は共通テスト重視で、二次試験による逆転が難しいため「難しい」と言われる。
- 設備面では中央棟やDX教育研究センターの設立など先端的な環境を整備。
- 卒業後は大手企業や地域医療機関に多数の就職実績がある。
したがって、富山県立大学は偏差値だけで語られるような大学ではなく、地域社会や産業界に直結した教育・研究の場として高い評価を得ています。
「難しい」とされるのは入試制度上の特徴であり、正しい準備をすれば十分に合格を目指せる大学です。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。



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