産業医科大学は【やばい】のか?ネット上で「やめとけ」と言われている理由を考察
「産業医科大学 やばい」「産業医科大学 やめとけ」といったキーワードで検索しているあなたは、おそらく進路選びに不安を感じているのではないでしょうか?
産業医科大学(以下、産医大)は、その名の通り「産業医」の育成に特化した医学系大学として知られています。
しかし、ネット上では「やばい」「やめとけ」といったネガティブな声も見られるのが実情です。
本記事では、なぜそのような評価があるのか、産業医科大学の特徴やカリキュラム、偏差値、学費、卒業後の進路などからその実態を多角的に分析していきます。
受験を考えている方、親御さん、また医療職を目指す方にとって有益な情報となるよう、冷静に「産業医科大学 やばい」と言われている理由を考察します。
産業医科大学のデメリットがやばい
産業医科大学を検討するうえで、避けて通れないのが修学資金制度の存在です。
この制度は、学費の大部分を貸与することで経済的負担を軽減してくれる一方で、卒業後9~11年間の指定機関勤務が義務づけられています。
つまり、産業医科大学を卒業した場合、進路の自由が大きく制限されるという側面があるのです。
また、学費自体も私立医学部としては比較的安価とはいえ、施設設備費などが毎年徴収され、実質的な自己負担額は6年間で約1100万円にもなります。
これは国公立医学部と比較すると高額であり、経済的な準備が必要です。
さらに、修学資金制度を利用しながら、将来的に臨床医や研究医へ進路変更を希望する場合には、制度上の制約がネックとなりやすく、「やめとけ」と言われる理由になっているのです。
産業医科大学はやめとけと言われてやばい

「産業医科大学はやめとけ」という声の多くは、カリキュラムの特殊性に起因しています。
産医大は産業医学の専門教育を重視しており、1年次から6年次にわたって産業医学に関する授業や実習が組み込まれています。
例えば、5年次には企業での現場実習があり、他の医学部にはない実務的な教育が特徴です。
このような特化型教育は、産業医としてキャリアを築くうえでは大きなアドバンテージになりますが、
一方で、一般臨床医や開業医を目指す学生にとってはカリキュラムが合わない可能性があります。
ネット上には「思っていた医師像と違っていた」「途中で進路変更しにくかった」という体験談もあり、こうした声が「やめとけ」という評価につながっていると考えられます。
産業医科大学とは

産業医科大学は、福岡県北九州市に本部を置く私立の医学系単科大学で、1978年に設立されました。
特徴的なのは、公的機関である厚生労働省労働基準局の支援を受けている公設民営大学であるという点です。
設置学部は以下の2つです。
- 医学部:産業医・臨床医の両方を視野に入れたカリキュラム
- 産業保健学部:保健師や産業保健指導者を目指す学生向けの学部
学費については、私立医学部としては比較的抑えられているものの、前述の通り実質負担額は約1100万円。
修学資金制度を利用すれば返還免除も可能ですが、9~11年間の義務勤務という縛りがある点は忘れてはいけません。
また、かつては学費の全額が貸与対象だったものの、2004年以降は制度が変更され、自己負担が増加している点にも注意が必要です。
産業医科大学の偏差値は

産業医科大学の偏差値は、学部によって大きく異なります。
学部 | 共通テスト得点率 | 偏差値 |
---|---|---|
医学部 | 84% | 65.0〜67.5 |
産業保健学部 | 46〜53% | 42.5 |
医学部は私立大学の中でも非常に高い偏差値を誇っており、難関医学部の一角と言えるでしょう。
一方、産業保健学部は偏差値が低めであり、入試難易度には大きな差があります。
つまり、「産業医科大学はFラン」という評判は医学部に関しては明確に誤りです。
産業保健学部のみを見て評価してしまうと、誤解が生じやすい点は注意が必要です。
卒業生の就職先は

産業医科大学を卒業した学生の進路は、一般的な大学病院だけでなく、労災病院や大手企業の産業医としての就職先が非常に豊富です。主な就職先は以下の通りです。
- 産業医科大学病院
- 関西労災病院
- 横浜労災病院
- 千葉労災病院
- 三菱電機
- 日産自動車
- 京セラ
- マツダ
- キヤノン
- 西日本産業衛生会 など
このように、大手企業での安定したポジションを確保できる産業医というキャリアは、一般の臨床医とは異なる魅力を持っています。
特に、勤務医としてワークライフバランスを重視する人には最適な選択肢になりうるでしょう。
まとめ:産業医科大学は【やばい】のか?ネット上で「やめとけ」と言われている理由を考察
「産業医科大学はやばい」「やめとけ」と言われる背景には、修学資金制度による進路制限や特殊なカリキュラムへの戸惑いがあることがわかりました。
しかし、これは裏を返せば、産業医になりたい人にとっては非常に恵まれた環境であるとも言えます。学費の実質的な負担が抑えられ、就職先も安定、産業医という専門性の高いキャリアを築ける点は大きな魅力です。
進路選びで重要なのは、自分がどのような医師になりたいのかを明確にすること。
もしあなたが臨床医ではなく、企業で働く産業医や労働衛生分野での医療職を目指しているなら、産業医科大学は「やばい」どころか、「最適な進学先」となるかもしれません。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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