奈良県立大学は【賢い】のか?ネット上で「賢い」と言われている理由を考察
奈良県立大学は、奈良市に位置する公立の単科大学で、学部は地域創造学部のみ。
小規模ながらも、ネット上では「賢い」「質の高い教育を受けられる」と評価されることも多く、その理由を気にする受験生や保護者も増えています。
なぜ奈良県立大学は“賢い”と称されるのでしょうか。
この記事では、奈良県立大学の教育体制、入試倍率、偏差値、卒業後の進路などをもとに、「賢い」と評価される理由を多角的に分析していきます。
奈良県立大学の教育体制が賢い
奈良県立大学が賢いと言われる理由のひとつが、その独自の「コモンズ制」にあります。
コモンズ制とは?
コモンズとは、学生と教員が共に学び合う“学びの共同体”のこと。
学生は以下の6つの学問領域(コモンズ)から、自分の興味や将来像にあわせて2つを自由に選択し、分野横断的な視点から学びを深めていきます。
- 観光創造
- 地域構想
- 国際共生
- 人文科学
- 社会科学
- 工学自然科学
この「自由選択」と「学際的アプローチ」により、奈良県立大学の学生は、既存の枠にとらわれず、自分だけの学びをデザインできるのが特長です。
さらに、4年間ゼミに所属できる点もポイント。
少人数制のゼミでは、教員との距離が近く、信頼関係のなかで深い学びが可能です。
分野を超えた知の融合
経済学、心理学、データサイエンス、行政法学、天文学まで、文系科目を中心に非常に多彩な専任教員陣がそろっており、学問的な選択肢も豊富。
1つの学問だけでなく、複合領域や新領域にもチャレンジできる環境が整っており、まさに「賢い教育体制」と言えるでしょう。
奈良県立大学に賢い生徒が集まるのは倍率が高いから

ネット上で奈良県立大学が「賢い」と言われるもうひとつの背景には、入試倍率の高さがあります。
- 2024年度 全選抜合計倍率:2.9倍
- 学校推薦型選抜倍率:3.9倍
この倍率は、地方の公立大学としては高めです。
定員約150人という小規模な募集枠に対し、志願者が多いため、自然と競争率が上がります。
「人数が少ない=入りやすい」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実際には選抜性が高く、学力や志望動機の明確さが求められる大学だと言えます。
奈良県立大学とは

奈良県立大学は1996年に開学した公立大学で、現在は地域創造学部 地域創造学科のみを設置する単科大学です。
- 所在地:奈良県奈良市船橋町
- 定員:約150人(今後は200人に拡大予定)
- 教育方針:「奈良の再発見を通して日本と世界に貢献する」
人文・社会系の学問を中心に、観光・文化・行政・国際交流など多岐にわたる分野を学ぶことが可能で、少人数制教育による手厚いサポート体制が魅力です。
令和7年度には附属高校からの編入も開始され、地域との連携もさらに強化されていく予定です。
奈良県立大学の難易度は

奈良県立大学の難易度を共通テストの得点率で見ると、65〜69%のラインとなっています。
これは全国的に見ても中堅レベルの公立大学に相当し、「Fラン」などと揶揄されることはなく、一定以上の学力を求められる大学です。
特に地域課題の探究や観光戦略、国際協力といった実践的な学問に興味のある学生には、やりがいのある学びの場と言えるでしょう。
奈良県立大学の卒業生の就職先

奈良県立大学は小規模な大学ながらも、就職実績は良好です。
主な就職先(一部抜粋)
- アパホテル
- ヒルトン・ホテル&リゾーツ
- 南都銀行
- 近畿日本鉄道
- 大阪国税局
- 大阪府庁
- 奈良県庁
- 堺市職員
観光系、行政系、金融系を中心に、地方公務員や大手ホテル、民間企業など幅広い分野への就職実績が見られます。
観光や地域創造を専門的に学んだスキルが、現場で生かされていることの証でしょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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