滋賀県立大学は【就職厳しい】のか?ネット上で「就職厳しい」と言われている理由を考察
「滋賀県立大学」と検索する方は、「滋賀県立大学 就職厳しい」という関連キーワードを目にしたことがあるかもしれません。
実際に「卒業してもちゃんと就職できるの?」「地元での就職しかないのでは?」といった不安を抱えているでしょう。
この記事では、実際に滋賀県立大学が「就職に厳しい」と言われている背景や傾向から整理しつつ、それが本当なのかどうかを考察していきます。
結論から言うと、滋賀県立大学は「就職に弱い大学」ではありません。
滋賀県立大学が「就職厳しい」と言われているのは進学者が多いから
滋賀県立大学は、他の地方公立大学と比較しても大学院進学率が高い大学です。
過去10年間の平均進学率は約32%とされており、近年では2〜4割の学生が大学院に進学するというデータもあります。
つまり、就職を選ばず、さらに研究を深める進路を選ぶ学生が多いことが「就職率が低い」と誤解される要因となっているのです。
文部科学省や大学の公表データでも、進学者を含めた「進路決定率」は高い水準で推移しています。
また、特に環境科学部や工学部では、より専門的な研究に取り組む学生が多いため、大学院進学が一般的な進路となっている点も特徴です。
滋賀県立大学が「就職厳しい」と言われているのは地元や関西圏での就職が多いから

もう一つ「就職が厳しい」と言われる理由は、就職先の地域が関西や滋賀県内に偏っている傾向があるためです。
たとえば、卒業生の主な就職先には以下のような企業・自治体が挙げられます。
- 環境科学部:大和ハウス工業、大津市職員、滋賀県職員、日立建機ティエラ、ゲンキー
- 工学部:キヤノンマシナリー、イシダ、滋賀県職員
- 人間文化学部:彦根市職員、エームサービス、Evand、愛知県教育委員会
- 人間看護学部:滋賀医科大学附属病院、大津赤十字病院、京都大学医学部附属病院
多くの卒業生が地元の行政機関、病院、企業に就職しており、東京などの首都圏での就職率はそれほど高くありません。
そのため「全国区での就職力が弱いのでは?」と誤解される場合もあります。
しかしこれはむしろ、地域貢献意識の高さや、公務員や医療・福祉系の就職に強いことの裏返しとも言えます。
滋賀県立大学とは

滋賀県立大学は、滋賀県彦根市にある公立大学で、1995年に開学しました。
前身は滋賀県立短期大学であり、初代学長には著名な動物行動学者・日高敏隆氏が就任したことでも知られています。
大学は4学部体制となっており、専門性の高い教育と地域連携に力を入れています。
学部構成
- 環境科学部 - 環境生態学科 - 環境政策・計画学科 - 環境建築デザイン学科 - 生物資源管理学科
- 工学部 - 材料科学科 - 機械システム工学科 - 電子システム工学科
- 人間文化学部 - 地域文化学科 - 生活デザイン学科 - 生活栄養学科 - 人間関係学科 - 国際コミュニケーション学科
- 人間看護学部 - 人間看護学科
文理融合型の学びと、地域・環境・人間といったテーマに特化したカリキュラムは、滋賀県立大学ならではの特色です。
滋賀県立大学の偏差値と共通テスト得点率

滋賀県立大学の偏差値は、学部によって幅がありますが、概ね以下の通りです。パスナビより
学部 | 偏差値 | 共通テスト得点率 |
---|---|---|
環境科学部 | 45.0〜47.5 | 55%〜66% |
工学部 | 45.0〜50.0 | 53%〜66% |
人間文化学部 | 50.0〜52.5 | 61%〜74% |
人間看護学部 | 非公開 | 63%〜66% |
特に人間文化学部の得点率の高さは目立っており、地方公立大としては中堅上位の実力を有していると言えるでしょう。
卒業生の就職先

滋賀県立大学の卒業生は、業界・分野を問わず幅広い場所で活躍しています。
- 環境科学部
大和ハウス工業、積水ハウス、大津市職員、滋賀県職員、京都市職員、名古屋市職員 - 工学部
キヤノンマシナリー、日立建機ティエラ、イシダ、滋賀県職員 - 人間文化学部
彦根市職員、ゲンキー、Evand、エームサービス、愛知県教育委員会 - 人間看護学部
滋賀医科大学附属病院、大津赤十字病院、京都府立医科大学附属病院、滋賀県教育委員会など
特筆すべきは、公務員比率の高さと、地元病院・福祉施設への高い就職率です。
安定した職種への就職を希望する学生にとっては、むしろ「堅実な大学」と評価すべきかもしれません。
まとめ:滋賀県立大学は【就職厳しい】のか?ネット上で「就職厳しい」と言われている理由を考察
「滋賀県立大学 就職 厳しい」と言われる背景には、以下のような要因があります。
- 大学院進学者が多く、就職率が相対的に低く見える
- 就職先が地元や関西圏に集中しており、全国展開企業の比率が少ない
- 大学自体が「堅実志向」で、華やかな就職先が目立ちにくい
しかし実態としては、公務員・医療・福祉・建築・技術職など、安定性の高い職種への就職に強く、地元での評価は非常に高い大学です。
進学や公務員試験、専門職志望の学生にとって、滋賀県立大学はむしろ「堅実で着実にキャリアを築ける大学」として選ばれる存在だと言えるでしょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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