長崎総合科学大学はどんな大学?【Fラン】【学費】と検索されている実態を調査
大学選びにおいて、ネット上の評判や口コミは気になるポイントの一つです。
「長崎総合科学大学 Fラン」「長崎総合科学大学 学費」といった検索ワードがサジェストに出てくると、不安を抱く受験生や保護者も多いでしょう。
しかし、「Fラン」という言葉には明確な定義があるわけではなく、学費の高い・安いという印象も個人の価値観によって異なります。
本記事では、長崎総合科学大学について、なぜ「Fラン」や「学費が高い」と言われるのかを分析し、ネットの噂の真偽や実態を考察していきます。
進学を検討している方や、将来の進路に悩んでいる方にとって、判断材料の一つになれば幸いです。
長崎総合科学大学はFランなのか?
「Fラン」という言葉は、一般的に「偏差値が著しく低い大学」に対して使われがちです。
確かに、長崎総合科学大学の偏差値は【BF〜35.0】で、模試の判定基準ではボーダーフリー(定員割れの可能性あり)と見なされる場合もあります。
しかし、偏差値だけで大学の価値を判断するのは早計です。
長崎総合科学大学には、他の大学にはない研究力やユニークな歴史が存在します。
たとえば、『Newton 2021年5月号』では、同大学が「科学・技術に最も強い大学」の一つとして紹介され、理工系研究力ランキング全国33位(514大学中)という実績を誇ります。
さらに、「物理学」分野においては全国13位(510大学中)という高い評価を受けており、私立大学では早稲田大学に次ぐ2位という驚異的な研究成果を残しています。
このランキングは、クラリベイト社のデータベースに基づき、2011年〜2020年に発表された論文の中から「世界トップ10%の被引用数」を獲得した件数を集計したものです。
つまり、長崎総合科学大学は少人数制でありながら、世界に認められる研究活動を行っている大学なのです。
このような実績から考えると、単に偏差値だけで「Fラン」と一括りにするのは、大学の実態を正しく捉えているとは言えません。
長崎総合科学大学の学費は高い?
続いて、「長崎総合科学大学 学費」という検索ワードについても見ていきましょう。
結論から言えば、全国的に見て「やや高め」と言えるかもしれません。
2024年度実績での学費は以下の通りです(1年次):
工学部・総合情報学部 共通
- 入学金:230,000円
- 授業料(1年分):820,000円
- 施設・教育充実費等:300,000円
- 実習費:160,000円
- 合計:1,510,000円
さらに、以下の諸経費も入学時に必要です:
- 保険料:2,650円
- 学生自治会費:24,000円
- 後援会費:40,000円
- 同窓会終身会費:30,000円
また、医療工学コースの場合は、前期に医療工学コース履修費25,000円が別途必要となります。
こうして見ると、年間学費は約160万円程度となり、他の私立理工系大学と比べても大きく外れるわけではありません。
特に工学系・実習系の学部では施設・機材の維持費がかかるため、妥当な金額といえるでしょう。
長崎総合科学大学とは
長崎総合科学大学は、1942年に設立された川南造船専門学校を前身とし、1965年に長崎県で初めての私立大学として「長崎造船大学」が開学。
その後、1978年に現在の「長崎総合科学大学」へと改称されました。
長崎市内の日見地区にキャンパスを構え、キャンパスは「グリーンヒルキャンパス(大学本部)」と「シーサイドキャンパス(附属高校・グラウンド等)」の2つに分かれています。
特徴的なのは、平和利用を目的とした「長崎平和文化研究所」が設立されている点です。
原子爆弾が投下された長崎という土地柄を背景に、科学技術の平和利用を重視している姿勢がうかがえます。
長崎総合科学大学の偏差値と共通テスト得点率
最新の偏差値と共通テストの得点率は以下の通りです。
工学部
- 偏差値:BF~35.0
- 共通テスト得点率:40%~49%
総合情報学部
- 偏差値:BF~35.0
- 共通テスト得点率:35%~46%
やや低めの数値ではありますが、これは入試難易度の低さを表しているだけで、入学後の努力や支援体制次第で将来の進路は大きく変わります。
卒業生の就職先は
就職面でも一定の実績を残しています。
工学部系の主な就職先
- 上滝
- 五洋建設
- 川村工営
- 長崎市役所
- 大島造船所
- 上村建設
- 太平電業
- 長崎西彼農業協同組合 など
総合情報学部系の主な就職先
- NITTOKU(旧・日本特殊陶業)
特に地元・長崎県の企業や自治体への就職が多く、地域密着型の進路を希望する学生にはマッチしやすい大学です。
まとめ:長崎総合科学大学はどんな大学?【Fラン】【学費】と検索されている実態を調査
「長崎総合科学大学 Fラン」「長崎総合科学大学 学費」といった検索ワードがあるのは事実ですが、その中身を見ていくと単なる先入観で語るにはもったいない大学であることがわかります。
- 偏差値は低くても、研究力では全国トップクラスの実績あり
- 学費は私立理工系としては妥当な水準
- 地元就職を目指す学生には手厚いサポート体制
- 「科学の平和利用」を掲げる理念に基づく独自の教育体制
偏差値やネットの噂に惑わされず、自分に合った大学かどうかを見極めることが大切です。
特に理工系に興味があり、長崎での進学を検討している方にとっては、有力な選択肢の一つになるでしょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。



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