大学入試の小論文|書き出しの例文とNG例を徹底解説【第一印象で差がつく】
小論文で最も手が止まりやすいのが、「最初の一文」、つまり書き出しです。
テーマは理解できても、どう書き始めれば良いのか悩む受験生は多いでしょう。
実はこの「導入部分」は、採点者に「この受験生は論理的に書けそうだ」と印象づける重要なポイントです。
本記事では、大学入試や総合型選抜・学校推薦型選抜などで出題される小論文の書き出し方について、評価される型・使える例文・避けるべきNGパターンを具体的に紹介します。
書き出しで迷わないコツを掴み、読みやすく伝わる小論文を書けるようになりましょう。
小論文の書き出しが大切な理由
小論文は「序論・本論・結論」で構成されますが、その中でも最初の一文は読者(採点者)の集中を引きつける“入口”です。
書き出しが論理的でわかりやすいと、文章全体の流れが良くなり、自然に高評価につながります。
一方で、曖昧な書き出しや結論をいきなり書いてしまうと、「思考の整理が不十分」と判断されることもあります。
つまり、書き出し=論理的思考のスタート地点なのです。
評価される書き出しの基本パターン3選

小論文の導入にはいくつかの「型」があります。ここでは、入試で評価されやすい代表的な3つの書き出し方を紹介します。
① 問題提起型:「現代社会では〜が課題となっている」
もっとも汎用性が高いパターンです。社会や教育、医療など幅広いテーマに対応でき、論理的な印象を与えます。
例文:
現代社会では、情報技術の進歩により私たちの生活が大きく変化している。一方で、個人情報の扱い方という新たな課題も生まれている。
最初に「現状+課題」をセットで提示することで、自然に本論へつなげられます。
② 事例提示型:「例えば〜のような出来事がある」
ニュースや身近な事例を引用して始める方法です。説得力を高めたいときに有効です。
例文:
近年、災害時にボランティアとして活動する若者が増えている。この動きは、社会参加意識の高まりを示しているといえる。
実際の出来事を簡潔に述べることで、読者の理解を助け、興味を引く導入になります。
③ 意見提示型:「私は〜と考える」
自分の立場を最初に明確に示すパターンです。テーマが「賛成・反対」など二項対立の形式の場合に効果的です。
例文:
私は、学校教育においては知識の習得だけでなく、他者と協働する力を育てることが重要だと考える。
自分の主張を冒頭に置くことで、全体の方向性が明確になります。ただし、根拠を十分に示す必要がある点に注意しましょう。
実際に使える小論文の書き出し例(テーマ別)

テーマごとに適した書き出しを紹介します。志望分野や出題傾向に合わせて使い分けると効果的です。
● 社会問題テーマの場合
少子高齢化が進む日本において、労働力の確保と社会保障制度の維持は大きな課題となっている。
こうした状況の中で、若年層の働き方改革が注目を集めている。
社会問題を扱うテーマでは、「背景」→「課題」の順に書き出すことで、自然な流れを作れます。
● 教育系テーマの場合
子どもの個性を尊重する教育が注目されている。
しかし一方で、画一的な評価基準のもとで学ぶ子どもたちの多様性が失われつつある。
教育に関するテーマでは、「理想と現実のギャップ」を提示すると、思考の深さを印象づけられます。
● 医療・看護系テーマの場合
医療現場では、患者中心のケアが求められている。
その実現には、医療従事者一人ひとりの倫理観とチーム医療の意識が欠かせない。
看護・医療系では、「理想+課題+人間性への視点」の流れが評価されやすいです。
● 環境・SDGs系テーマの場合
地球温暖化の進行は、私たちの生活に深刻な影響を与えている。
持続可能な社会の実現には、一人ひとりの行動の見直しが必要である。
SDGs系のテーマでは、スケールを広くとりつつも「自分との関わり」を示すと印象的です。
NGな書き出し例とその理由
書き出しで減点されるケースは意外と多くあります。以下のようなパターンは避けましょう。
× 自分語りから始める
私は小論文を書くのが苦手です。
論点から外れており、内容の薄さを印象づけてしまいます。
× あいまいな表現
いろいろな問題があります。
「いろいろ」「たくさん」など抽象的な表現は、学術的な文体には不向きです。
× 結論をいきなり述べる
教育は大切である。
説得の流れがないため、思考過程が見えず「根拠のない意見」とみなされます。
× 余計な前置き
これからこの問題について考えてみたいと思います。
冗長な導入は避け、具体的なテーマ提示から始めるのが望ましいです。
スムーズに書き出すためのコツ

① テーマ文のキーワードを分解する
出題文をそのまま使うのではなく、キーワードを整理して「現状・原因・課題」のどれを導入に置くか決める。
② 5W1Hを意識する
「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうした」を考えると、自然に導入の方向性が見えてきます。
③ 書き出しだけ先に決めてから構成を練る
序論→本論→結論の順で書くと手が止まる人は、最初に“冒頭の2文”を決めてから、全体を肉付けしていくとスムーズです。
④ 他人の小論文の書き出しを研究する
模範解答を読むときは、内容よりも「導入の構成」に注目してみましょう。自分の癖や弱点を客観的に把握できます。
書き出し練習におすすめのトレーニング法
- 新聞・ニュース記事のリード文を模写してみる
- 1つのテーマで3種類の書き出し(問題提起型・事例型・意見型)を作る
- 先生や友人に読んでもらい、どれが一番印象的かを聞く
実際に声に出して読むのも効果的です。論理のリズムや文章の重さを体感できます。
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まとめ|書き出しで小論文の印象は決まる
小論文の書き出しは、単なる導入ではなく、思考力と構成力を示すチャンスです。
重要なのは、「型に当てはめる」のではなく、「テーマに合った型を選ぶ」こと。
- 問題提起型で論理的な印象を与える
- 事例提示型で説得力を高める
- 意見提示型で立場を明確にする
この3つのパターンを軸に、自分の得意な導入スタイルを確立すれば、どんなテーマでも自信を持って書き始められるようになります。
書き出しの練習を繰り返し、“最初の2文で魅せる小論文”を目指しましょう。
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私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。



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