医学部編入はやめとけ?後悔しないために知っておくべき5つの真実
「医学部編入 やめとけ」——そう検索しているあなたは、医学部への学士編入を考えながらも、実際に挑戦すべきか迷っているのではないでしょうか。
近年、社会人や大学卒業者が医師を目指して再チャレンジするケースは増加していますが、それと同時に「やめておいた方がいい」という声も多く見られます。
この記事では、医学部編入の過酷な現実とリスクを丁寧に解説しつつ、それでも挑戦を続ける価値のあるケースや、東海大学・昭和大学・岩手医科大学など一部大学の制度についても触れ、後悔のない判断をしていただくための材料を提供します。
医学部編入とは?制度の概要をおさらい
まず「医学部編入」とは、多くの場合「学士編入学制度」を指します。
これは、一般的に、すでに大学を卒業した学士(または卒業見込み)の人を対象に、医学部の2年次または3年次からの入学を認める特別な入試制度です。
- 国公立大学が中心に実施
- 文系出身者でも受験可能なケースあり
- 社会人からの受験者も多い
一見、「時間を短縮して医師を目指せる理想的な制度」にも思えますが、現実はそんなに甘くありません。
医学部編入はやめとけと言われる5つの理由

1. 倍率が異常に高く、狭き門すぎる
国公立大学の学士編入は、全国でも実施大学が限られており、1校あたりの募集人数は数名〜十数名に過ぎません。
例えば、ある国立大学では募集5名に対し応募が300人を超えることもあり、倍率60倍以上のケースもあります。
しかも、受験者の多くは旧帝大や国立理系大学卒などハイレベルな学歴・専門性を持つ人ばかり。
競争に勝つには、筆記・小論文・面接すべてにおいて非常に高い水準が求められます。
2. 合格しても6年間、莫大な学費と生活費
仮に合格しても、医学部では6年間の就学が必須。国公立大学でも学費は年間約50万円、私立なら年間300万円以上かかります。
加えて、生活費や引っ越し代なども含めると、6年間で1,000〜2,000万円以上の支出になる可能性も。
社会人経験者や家庭を持つ方にとっては、経済的にも大きな負担です。
3. 同級生との年齢差と孤独感
医学部に編入すると、20歳前後の現役学生たちと一緒に学ぶことになります。
30代〜40代の社会人経験者にとっては、年齢差による違和感や距離感がストレスになることも。
また「編入生」という特別な立場ゆえ、周囲との関係づくりに苦労したり、「浮いた存在」として孤独を感じるケースも珍しくありません。
4. 医師としてのキャリアでも不利になることがある
無事に医師国家試験に合格しても、研修医マッチングや医局選びで年齢や経歴がマイナスに働くこともあります。
大学によっては「編入組=変わり種」と見なされる風潮があり、希望の診療科に進めないケースも報告されています。特に、大学病院や人気科のポジションは年齢や人間関係が影響する世界です。
5. 想像以上にハードな勉強と生活
編入生は、途中から入るとはいえ1年生で習う医学の基礎をカバーしつつ、進級試験・臨床実習・レポートと向き合わなければなりません。
いわば、「同級生の2倍努力して追いつかなければならない」状態です。
講義内容は膨大で、週6日授業+予習復習に追われ、会社員時代よりも過酷だと感じる人も多いのが現実です。
東海大学の「編入」ではなく「展学のすすめ(特別選抜試験)」とは?

一部メディアでは「東海大学の医学部は編入が可能」と紹介されることがありますが、これは誤りです。正確には、東海大学医学部では「展学のすすめ」という名称の特別選抜試験が実施されています。
- 編入ではなく1年次からの入学
- 社会人経験者や大学卒業者が対象
- 出願資格に年齢や学士の有無など一定の条件あり
この制度は、再チャレンジ型の受験生向けではありますが、在籍期間は6年と通常入試と同じです。
したがって、学士編入のように短期間で卒業できるものではありません。
「医師を目指す意志はあるが、一般入試とは異なるルートを探している」という方にとっては一つの選択肢となりますが、制度の正確な理解が不可欠です。
昭和大学・岩手医科大学では「転部」制度が存在

私立大学である昭和大学および岩手医科大学では、歯学部や薬学部などから医学部への「転部」制度があるらしいです。
ただし、条件は非常に厳しい:
- 学内成績がトップレベルであること
- 教員会議等による厳正な審査を通過すること
- 医学部の定員に余裕がある年度に限られる
また、「内部進学枠があるから有利」と考えるのは危険です。転部試験に合格するには、学部トップレベルの成績+面接+熱意が求められ、簡単な道ではありません。
医学部編入に向いていない人の特徴

- モチベーションが曖昧で「なんとなく医師になりたい」人
- 長期間の学びや高ストレス環境が苦手な人
- 経済的・精神的に余裕がない人
- 年齢差や他人の目が気になる人
これらに該当する場合は、「医学部編入はやめとけ」という忠告が当てはまるかもしれません。
それでも挑戦すべき人とは?

- 社会人経験を医療に活かしたいという強い志がある
- 既卒理系の専門性を医学に応用したいと考えている
- 年齢や周囲に流されず、最後までやり切る覚悟がある
- どのような立場であれ、医師という職業に使命感を持てる
こうした方は、たとえリスクが大きくても医学部編入や特別選抜試験に挑戦する価値があるでしょう。
まとめ|医学部編入はやめとけ?後悔しないために知っておくべき5つの真実
「医学部編入 やめとけ」と言われるのは、現実に過酷な競争・経済的負担・精神的プレッシャーが存在するからです。しかし、その一方で制度の全体像と課題を理解したうえで、自分なりの戦略と覚悟を持てば、道は開かれます。
たとえば、東海大学の「展学のすすめ」や、昭和大学・岩手医科大学の「転部制度」など、一見すると編入とは異なるが、医師を目指す選択肢は確実に存在しています。
安易に飛び込むのではなく、慎重に調べ、冷静に判断し、自分自身の人生と向き合って決断しましょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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