放送大学は【恥ずかしい】のか?ネット上で「恥ずかしい」と言われている理由を考察
「放送大学 恥ずかしい」
ネット上では、そんなネガティブな意見も散見される放送大学。
しかし、本当に放送大学は“恥ずかしい”存在なのでしょうか?
この記事では、「恥ずかしい」と言われてしまう理由と、実際の放送大学の特徴について考察します。
意外と知られていない放送大学の実態が見えてくるかもしれません。
放送大学は大学じゃないと言われて恥ずかしい
放送大学に対する偏見のひとつが、「あれって大学じゃないでしょ?」という声です。
しかし実際には、放送大学は文部科学省・総務省の共管により設置された正規の大学です。
学位授与権を持ち、所定の単位(124単位)を修得すれば「学士(教養)」の学位を得ることができます。
また、通学制の大学とは異なり、自分のペースで学ぶ通信制スタイルが基本。
そのため社会人学生や子育て中の方も多く在籍しており、「年齢やバックグラウンドに関係なく、学び直しができる大学」として高く評価されています。
ただし、自由度が高い分、自己管理能力と強い意志が求められるのも事実。
途中で挫折してしまう人が多いのも、放送大学の現実の一面です。
放送大学は簡単すぎると言われて恥ずかしい

「放送大学は誰でも入れるから簡単」と思われがちですが、卒業するのは決して簡単ではありません。
令和4年度までのデータでは、入学者数186,445人に対し、卒業者数84,549人。
卒業率は約45%です。
これは通学制大学の卒業率(およそ90%)に比べて明らかに低く、「簡単な大学」であればもっと多くの人が卒業できているはずです。
その理由としては、
- 学生の多くが働きながら、育児をしながら学んでいる
- レポートや単位認定試験が意外と難しい
- 自由度が高いがゆえに計画的な履修が求められる
といった背景があります。
つまり、「簡単すぎるから恥ずかしい」とは真逆で、卒業までの道のりはむしろ厳しいと言えるでしょう
放送大学とは

放送大学の本部は、千葉県千葉市美浜区にあります。
設立は1981年、大学設置は1983年と、意外にも長い歴史を持つ大学です。
現在は「放送大学学園」という特別な学校法人が設置・運営しており、法的には私立大学ですが、かつては国立大学に準ずる扱いを受けていました。
放送大学は一貫して教養教育に力を入れており、現在の学士課程には以下の7コースがあります。
- 生活と福祉コース
- 心理と教育コース
- 社会と産業コース
- 人間と文化コース
- 情報コース
- 自然と環境コース
どのコースも、専門的な知識を基礎からじっくり学べる設計になっており、大学卒業資格の取得を目指す人にも、教養を深めたい社会人にも開かれた学びの場です。
放送大学の偏差値は

放送大学には、いわゆる偏差値という概念が存在しません。
なぜなら、放送大学は基本的に選抜試験を行わないオープンアドミッション方式を採用しており、誰でも出願し、入学できる仕組みだからです。
一方で、「入るのが簡単=卒業も簡単」ではないのが、放送大学の特徴。
入学のハードルは低いが、卒業のハードルは高いという構造こそ、放送大学が“本物の大学”である証とも言えるでしょう。
放送大学の学費は

放送大学は学費の安さでも注目されています。
- 放送授業(2単位):12,000円(テキスト費込み)
- 面接授業(1単位):6,000円(テキスト費別)
- オンライン授業(1~2単位):6,000円~12,000円
卒業までに必要な学費は約77万円。これは、私立大学の中でも非常に安価な部類に入ります。
しかも、学期ごとに履修科目分だけ支払うため、一括納入の負担もありません。
学費の安さに加え、テキストや動画授業の質も高く、コスパ最強の大学として評価する声も多いです。
まとめ:放送大学は【恥ずかしい】のか?ネット上で「恥ずかしい」と言われている理由を考察
「放送大学は恥ずかしい」という声は、表面的なイメージや誤解に基づくものであることが分かります。
むしろ、
- 社会人が学び直せる
- 自分のペースで進められる
- 学費が良心的
- 専門的な内容も学べる
- 正規の学士が取得できる
という点で、今の時代に最もフィットした“学びの場”だと言えるでしょう。
今後、リスキリングやリカレント教育がますます注目される中で、放送大学はますます評価されていくのではないでしょうか。
放送大学を「恥ずかしい」と言う前に、その中身をぜひ知ってほしい——それがこの記事の結論です。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
コメント