駒澤大学は【レベル上がりすぎ】?「レベル上がりすぎ」と言われている理由を考察
「日東駒専」として、関東の中堅私立大学群の一角として知られていた駒澤大学。
最近では「駒澤大学って昔より入りづらくなったよね」「駒澤のレベルが上がりすぎてる」といった声がネット上で多く見られます。
では、なぜここまで「駒澤大学はレベルが上がった」と言われるようになったのでしょうか?
本記事では、「駒澤大学がレベル上がりすぎ」と言われる理由を考察します。
駒澤大学のレベル上がりすぎな原因は①:定員管理の厳格化
文部科学省は2016年以降、私立大学に対して「入学定員の厳格な管理」を求めています。
これは、大学が募集定員を大きく超えて入学させてしまうと、文科省から支給される「私立大学等経常費補助金」が減額されてしまうという制度です。
この補助金削減を恐れ、多くの私立大学が合格者数を絞るようになりました。
かつては安全圏だった大学でも「以前より受かりにくくなった」という現象が起こっているのは、この制度変更の影響が大きいです。
駒澤大学も例外ではありません。
合格者数を抑えることで倍率が上がり、偏差値が結果的に上昇。
受験生の体感として「昔よりレベルが上がった」と感じられるようになってきました。
駒澤大学のレベル上がりすぎな原因は②:滑り止め需要の変化

倍率上昇に加えて、もう一つの要因が「滑り止め戦略の変化」です。
以前であれば、日東駒専クラスの大学は中堅志望の受験生が中心でしたが、現在は早慶上智やGMARCHといった難関校の受験生が滑り止めとして出願するケースが増えています。
理由は明確で、難関私大も合格者数を絞ってきており、「本命落ち」のリスクが高まっているからです。
そこで、より安全圏として信頼のある日東駒専に出願しようという動きが活発化しています。
その中でも、駒澤大学は立地・知名度・学部のバリエーション・スポーツでの活躍などから人気を集め、結果的に志望者の層が厚くなり、偏差値・レベルが上がってきているのです。
駒澤大学とは

駒澤大学は、東京都世田谷区に本部を置く私立大学で、1592年に曹洞宗の学寮として設立された歴史を持ちます。
仏教系の大学としてのルーツを持ちながら、現在では文系・理系・医療系を含む総合大学へと発展しました。
特に伝統のある仏教学部では、全国的にも珍しい禅学科を設置しており、曹洞宗に関する学問の研究・教育では日本随一の存在となっています。
一方で、文学部、法学部、経営学部などの人気学部もあり、幅広い分野で学びを提供しています。
また、駅伝やサッカー、空手などスポーツでも名門として知られており、全国区の大会での活躍も多く、知名度の高さにもつながっています。
駒澤大学の偏差値は

レベル上昇を実感しやすいのが、各学部の偏差値の変化です。
2024年度時点の主な学部の偏差値は以下の通りです。パスナビより
学部 | 偏差値(目安) |
---|---|
仏教学部 | 40.0~42.5 |
文学部 | 45.0~57.5 |
経済学部 | 50.0~52.5 |
法学部 | 45.0~52.5 |
経営学部 | 50.0~52.5 |
医療健康科学部 | 47.5~50.0 |
グローバル・メディア・スタディーズ学部 | 45.0~47.5 |
特に文学部の英米文学科・歴史学科、経営学部や経済学部は、日東駒専の中でも偏差値が高くなっており、準難関校として位置づけられることもあります。
卒業生の主な就職先

駒澤大学のもう一つの強みは、卒業生の就職先の多様性と安定性です。以下は、学部ごとの主な就職先の一部です。
- 仏教学部:永平寺、總持寺、全国健康保険協会など
- 文学部:アウトソーシングテクノロジー、第一生命保険、東京都教育委員会など
- 経済学部:ニトリ、大塚商会、ディップ、インターネットイニシアティブなど
- 法学部:東京都庁、警視庁、岡三証券、かんぽ生命など
- 経営学部:レイス、富士ソフト、エン・ジャパン、パーソルキャリアなど
- 医療健康科学部:昭和大学病院、国立病院機構など
- グローバル・メディア・スタディーズ学部:ANA、楽天カード、ルイ・ヴィトンジャパンなど
学部の特色に合わせて、民間企業から公務員、医療・航空業界など幅広い進路に対応しており、「進学してからの将来像が描きやすい大学」としても評価されています。
まとめ:駒澤大学は【レベル上がりすぎ】?「レベル上がりすぎ」と言われている理由を考察
駒澤大学は、文科省の定員厳格化政策や難関大学志望者の滑り止め化、大学としての知名度・伝統・スポーツの強さなど、さまざまな要因が組み合わさって「レベルが上がりすぎた」と言われるようになりました。
もちろん偏差値だけがすべてではありませんが、学部ごとの特色や就職先、学問分野の広さから見ても、駒澤大学は今や“日東駒専の枠を超えつつある大学”とも言えるかもしれません。
受験生にとっては「安全圏」のつもりで受けると痛い目を見るかもしれない、そんな“実力校”となっている駒澤大学。
今後も注目を集め続ける大学の一つであることは間違いないでしょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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