上智大学神学部は【やばい】のか?ネット上で「やばい」と言われている理由を考察
近年、大学選びにおいては「やばい」という言葉が多様な意味で使われるようになりました。
偏差値や倍率が低くて「やばい」、逆に進学後のキャリアが華やかで「やばい」など、文脈によってそのニュアンスは大きく異なります。
今回は、日本で唯一のカトリック神学部である上智大学神学部について、ネット上で「やばい」と言われている理由を深掘りしていきます。
果たして、「やばい」はネガティブな意味なのか?
それともポジティブな意味なのか?
受験を考えている方や、大学選びに迷っている方にとって、有益な情報をお届けします。
上智大学神学部は穴場と言われてやばい
上智大学の中では、神学部の偏差値は55.0と、他の学部と比べてやや低めです。
例えば、
- 文学部:60.0~62.5
- 総合人間科学部:55.0~65.0
- 法学部:60.0~62.5
- 外国語学部:57.5~65.0
といったように、神学部は偏差値面では比較的入りやすい印象を受けるかもしれません。
しかし、倍率を見てみると意外な事実が浮かび上がります。
2024年度の一般選抜合計倍率は以下の通りです。
- 神学部:5.3倍
- 文学部:3.3倍
- 総合人間科学部:4.2倍
「穴場」と言えるほど簡単に入れるわけではなく、むしろ上智の中でも倍率は高い部類に入ります。
つまり、偏差値だけで「穴場」と判断するのは早計です。
志望者の志や目的意識の高さが倍率にも表れていると言えるでしょう。
上智大学神学部はグローバルなチャンスがあってやばい

神学部というと「宗教者になる人だけが行く学部」と思われがちですが、実際の卒業生の進路は非常に多様です。
特に多いのは、以下のような分野です。
- 情報系の仕事
- 学校教育(宗教・倫理・社会など)
- 国家公務員・地方公務員
- 国際ボランティア・NGO職員
- 一般企業(営業、事務、広報など)
このように、「神学部=宗教職」ではなく、社会のさまざまな分野で活躍する道が開かれていることがわかります。
また、カトリックをはじめとした宗教的・倫理的な教養を備えた人材は、国際社会でもニーズが高いのが特徴。
特に国際協力や人道支援の分野では、神学部出身者の価値が再評価されています。
上智大学神学部とは

1958年に設立された上智大学神学部は、日本で唯一のカトリック神学部です。
もともとは聖職者を養成することを目的としていましたが、現在では宗教に関心を持つすべての人に開かれた学部となっています。
特徴
- キリスト教、とくにカトリックの教えを体系的に学ぶ
- カトリック系ミッションスクール出身者が多い
- 宗教的なバックグラウンドを持たない学生も多い
- 小規模で国際的な環境(年齢・国籍・宗教背景が多様)
教育内容は、単なる宗教の学習にとどまらず、現代社会の諸問題に宗教的・倫理的な視点からアプローチする力を養います。
グローバル社会において、価値観の多様性を理解し、自分自身の軸を持つことは極めて重要です。
上智大学全体の偏差値と比較

上智大学は文系を中心に難関私立大学の一角をなしていますが、学部ごとに偏差値に差があります。
学部名 | 偏差値(2024年度) |
---|---|
神学部 | 55.0 |
文学部 | 60.0~62.5 |
総合人間科学部 | 55.0~65.0 |
法学部 | 60.0~62.5 |
経済学部 | 60.0~70.0 |
外国語学部 | 57.5~65.0 |
総合グローバル学部 | 62.5~65.0 |
理工学部 | 55.0~62.5 |
こうして見ると、神学部は確かにやや低めではあるものの、上智大学というブランド力や社会的評価は共通していることを考えれば、「やばい」と言われるような問題はまったくないことがわかります。
神学部卒業生の就職先は

就職先を見ると、神学部の多様な進路がより明確になります。
主な就職先例:
- 株式会社リクルート
- 東京海上日動火災保険株式会社
- 野村證券株式会社
- 楽天グループ株式会社
- KDDI株式会社
- ANA(全日本空輸株式会社)
- NHK(日本放送協会)
- サントリーホールディングス株式会社
- PwCコンサルティング合同会社
- アクセンチュア株式会社
- 大日本印刷株式会社(DNP)
- 星野リゾート・マネジメント
- 各種学校法人・中高教諭
- 宗教法人カトリック中央協議会
- 国際NGO・ボランティア団体 など
教育・宗教・国際支援だけでなく、一流企業やグローバル企業にも多数の就職実績があるのが神学部の実力。まさに、「やばい」ほど活躍の場が広いと言えるでしょう。
まとめ:上智大学神学部は【やばい】のか?ネット上で「やばい」と言われている理由を考察
「やばい」と言われる理由を振り返ってみると、それはネガティブな意味ではなく、むしろポジティブなギャップにあります。
- 偏差値はやや低いが倍率は高く、志望者の熱意が強い
- 宗教を学ぶ場でありながら、就職先は極めて多様
- 少人数で密度の濃い学びと国際的な視野が得られる
カトリックやキリスト教に関心がある方はもちろん、「倫理観をもった国際人になりたい」「価値観の軸をしっかり持ちたい」という人にとって、神学部はまさに“やばい”ほど魅力的な選択肢と言えるでしょう。
学びの幅、卒業後の進路の広さ、そして人間としての成長。表面的な偏差値だけでは測れない“本質的な価値”を体感できる場、それが上智大学神学部です。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
コメント