近畿大学は【誰でも入れる】のか?ネット上で「誰でも入れる」と言われている理由を考察
近畿大学は、日本全国でも非常に知名度が高い私立大学の一つです。
しかし、ネット上では「近畿大学は誰でも入れる」という声が散見されます。
一方で、近年の大学ランキングや偏差値を見ると、以前と比べてレベルが向上していることも事実です。
本記事では、なぜ近畿大学が「誰でも入れる」と言われるのか、その理由をいくつかの視点から考察しつつ、近畿大学の全体像を詳しく紹介します。
近畿大学が誰でも入れると言われるのは滑り止めで受験する人が多いから
近畿大学が「誰でも入れる」と言われる理由の一つに、関関同立(関西学院大学、関西大学、同志社大学、立命館大学)を志望する受験生の滑り止めとして選ばれることが挙げられます。
関関同立は、関西地域の私立大学の中でも特に人気が高く、全国的なブランド力を持っています。
そのため、受験生の多くが関関同立を第一志望とし、万が一の不合格を想定して近畿大学を滑り止めとして受験するケースが多いのです。
ただし、近年では「関近同立」という言葉も広まりつつあります。
これは、関西学院大学、近畿大学、同志社大学、立命館大学を指し、近畿大学が関関同立に匹敵する存在として認識されてきていることを意味します。
このように、過去のイメージとは異なり、近畿大学は確実にレベルアップしていると言えるでしょう。
近畿大学が誰でも入れると言われるのが倍率の低い学部があるから

もう一つの理由として、近畿大学には学部や入試形式によって倍率が低いものがある点が挙げられます。
例えば、工学部や産業理工学部の倍率は、約1.1倍から1.9倍程度と比較的低めです。
これらの倍率を見ると、確かに「誰でも入れる」という印象を持たれるのも無理はありません。
一方で、医学部の後期試験は2024年に87.7倍と非常に高い倍率を誇ります。
このように、学部や試験形式によって難易度に大きな差があることが、近畿大学に対する「誰でも入れる」という誤解を生んでいる可能性があります。
近畿大学とは

近畿大学は、日本の関西地域に位置する総合私立大学で、1925年に創立されました。
創立当初は大阪専門学校としてスタートし、戦後に近畿大学と改称され、現在では全国的な知名度を誇る大学へと成長しています。
近畿大学は、その多様な学部構成と研究分野の広さが特徴です。
学部構成
近畿大学は15の学部を有しており、幅広い分野の教育を提供しています。
- 法学部:法律の基礎から実践的な法律知識を学ぶことができ、法曹や公務員などのキャリアを目指す学生が多い学部です。
- 経済学部:経済理論や経済政策を学び、地域経済や国際経済についても深く研究します。
- 経営学部:企業経営やマーケティング、起業に関する実践的な知識を身に付けることができます。
- 理工学部:物理学や化学、機械工学など、幅広い理工系分野をカバーしています。
- 建築学部:建築デザインや都市計画、環境設計に関する専門知識を学べる学部です。
- 薬学部:薬剤師国家試験の合格を目指し、実践的な薬学教育が行われています。
- 文芸学部:文学、歴史、文化など人文学系の幅広い分野を学ぶことができます。
- 総合社会学部:社会学や心理学、国際関係学を中心に、多角的な視点で現代社会を考察します。
- 国際学部:国際ビジネスや異文化理解、語学教育に力を入れています。
- 情報学部:AIやデータサイエンスなど、情報技術の最前線を学べる学部です。
- 農学部:農業生産や食品科学、生物環境科学に関する教育研究が行われています。
- 医学部:基礎医学から臨床医学までを学び、高度医療に貢献できる医師の育成を目指します。
- 生物理工学部:バイオテクノロジーや環境科学を中心に学び、新技術の開発を目指します。
- 工学部:電気工学や材料工学など、幅広い工学分野を学ぶことができます。
- 産業理工学部:産業技術の応用や環境工学に関する教育が行われています。
キャンパスと施設
近畿大学は、関西を中心に複数のキャンパスを持っています。
- 東大阪キャンパス:大学のメインキャンパスで、多くの学部がここに集まっています。
- 奈良キャンパス:農学部を中心とした自然豊かなキャンパス。
- 広島キャンパス:工学部が所在する最新機器も備わるキャンパス。
- 和歌山キャンパス:生物理工学部が所在する専門性の高いキャンパス。
- 福岡キャンパス:産業理工学部が拠点を構えるキャンパス。
また、充実した図書館や最新設備を備えた研究施設があり、学生が学業や研究に専念できる環境が整っています。
特色ある取り組み
近畿大学は、養殖クロマグロの完全養殖成功で知られる「近大マグロ」の研究でも有名です。
この成果は水産業界だけでなく、持続可能な食糧資源の確保にも大きく貢献しています。
また、産学連携プロジェクトや海外大学との交換留学プログラムも活発に行われており、グローバルな視野を持った人材育成にも力を入れています。
近畿大学の偏差値は

近畿大学の各学部の偏差値を以下にまとめました。
- 法学部:偏差値47.5–55.0
- 経済学部:偏差値47.5–55.0
- 経営学部:偏差値47.5–55.0
- 理工学部:偏差値42.5–52.5
- 建築学部:偏差値52.5
- 薬学部:偏差値52.5–55.0
- 文芸学部:偏差値45.0–57.5
- 総合社会学部:偏差値50.0–57.5
- 国際学部:偏差値45.0–50.0
- 情報学部:偏差値55.0
- 農学部:偏差値45.0–55.0
- 医学部:偏差値65.0
- 生物理工学部:偏差値37.5–45.0
- 工学部:偏差値42.5–47.5
- 産業理工学部:偏差値40.0–47.5
このように、偏差値は学部によって幅広く分布しています。
一部の学部の偏差値が低いことも、「誰でも入れる」と言われる一因でしょう。
卒業生の就職先は

近畿大学の卒業生は、幅広い分野で活躍しています。特に人気が高いのは、以下の分野です。
- 大手企業(製造業、金融業、商社など)
- 公務員(地方自治体、警察、消防など)
- 医療分野(病院、製薬会社など)
- IT企業(システムエンジニア、プログラマーなど)
近畿大学は、企業とのネットワークを活かした就職サポートが充実しており、学生一人ひとりの希望に沿った就職活動を支援しています。その結果、高い就職率を維持しており、就職実績が評価されています。
まとめ:近畿大学は【誰でも入れる】のか?ネット上で「誰でも入れる」と言われる理由を考察
近畿大学が「誰でも入れる」と言われる理由には、滑り止めとして受験する人が多いことや、倍率の低い学部があることが挙げられます。
しかし、近年では「関近同立」という言葉が広がり、大学全体の評価が向上しています。
また、学部や試験形式によって難易度が大きく異なるため、一概に「誰でも入れる」とは言えません。
さらに、多様な学部構成や幅広い偏差値帯、充実した就職サポートにより、近畿大学は多くの学生にとって魅力的な選択肢となっています。
「誰でも入れる」というイメージを持たれることもありますが、その背景を深く理解することで、近畿大学の実態がより明確になるでしょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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