【大学受験】「時代別文学史一覧」「まとめ」これだけは覚えておきたい文学史
大学受験において、文学史の知識は科目重要です。
特に国語や日本史の試験では、各時代の代表的な作家や作品についての知識が問われることがあります。
しかし、膨大な量の文学史を暗記するのは容易ではありません。
そのため、体系的に時代ごとに整理して学ぶことが、理解を深める鍵となります。
本ブログでは、大学受験において最低限覚えておきたい文学史を時代別にまとめて紹介します。
奈良時代から昭和時代に至るまで、それぞれの時代の特徴的な作品や作家をピックアップし、わかりやすく解説していきます。
受験対策の参考にになれば幸いです。
大学受験の文学史一覧 奈良時代
奈良時代(710年~794年)は、日本文学の黎明期ともいえる時代です。
政治的にも文化的にも中国の影響を強く受けたこの時期、文学は漢詩文が主流でした。
しかし、日本独自の文学として注目すべき作品がいくつか存在します。
- 代表的な作品
- 『万葉集』:現存する日本最古の歌集で、4500首余りの和歌が収められています。万葉仮名を使用していることが特徴です。
- 代表的な作家
- 大伴家持:『万葉集』の編纂に関わった人物で、万葉集には彼自身の歌も多く含まれています。
この時代の文学は、貴族を中心とした上流階級の文化活動が基盤でしたが、その中でも『万葉集』のような作品が広く後世に影響を与えました。
大学受験の文学史一覧 平安時代
平安時代(794年~1185年)は、日本の文学史において黄金期と呼ばれる時代です。
貴族文化が栄え、宮廷を中心に多くの文学作品が生み出されました。
この時期には、和歌や物語文学、随筆など多様なジャンルが発展しました。
- 代表的な作品
- 『竹取物語』:現存する最古の物語文学。かぐや姫を中心とした伝説的な物語が描かれています。
- 『源氏物語』:紫式部によって書かれた長編物語で、貴族の恋愛や宮廷の生活が繊細に描かれています。
- 『枕草子』:清少納言による随筆で、宮廷での生活や四季折々の風景が描写されています。
- 代表的な作家
- 紫式部:『源氏物語』の作者であり、日本文学史上最も著名な女性作家の一人。
- 清少納言:『枕草子』の著者であり、鋭い観察眼と独自の感性が評価されています。
平安時代は、女性作家が大きな役割を果たした時代でもあり、特に物語文学の発展において重要な貢献をしました。
大学受験の文学史一覧 鎌倉時代
鎌倉時代(1185年~1333年)は、武士階級が台頭した時代であり、文学の方向性にも変化が見られます。
貴族文学から武士や僧侶を中心とした文学へと移行し、力強い作品が生まれました。
- 代表的な作品
- 『平家物語』:平家の興亡を描いた軍記物語で、琵琶法師によって語り継がれました。
- 『方丈記』:鴨長明による随筆で、無常観を基にした人生観が描かれています。
- 代表的な作家
- 鴨長明:『方丈記』の著者であり、仏教的な思想が作品に反映されています。
- 吉田兼好:『徒然草』の著者。後述する室町時代に活躍した人物ですが、その思想は鎌倉時代の影響を強く受けています。
この時代の文学は、戦乱の中で人々が感じた無常観が大きく反映され、仏教的なテーマが多く見られます。
大学受験の文学史一覧 室町時代
室町時代(1336年~1573年)は、鎌倉時代の影響を引き継ぎつつも、より多様な文学が生まれた時代です。
この時代には、能や狂言といった演劇文化が発展し、文学としての価値も高まっています。
- 代表的な作品
- 『徒然草』:吉田兼好による随筆で、人生の哲学や日常の事柄が巧みに描写されています。
- 能・狂言の台本:世阿弥によって発展した能の脚本は、文学としても高い評価を受けています。
- 代表的な作家
- 吉田兼好:鎌倉時代末期から室町時代初期にかけて活躍した人物で、随筆『徒然草』は彼の代表作です。
- 世阿弥:能楽の大成者であり、彼の書いた『風姿花伝』は演劇論としても名高い作品です。
室町時代は、鎌倉時代から続く仏教的な思想に加え、能や狂言などの舞台芸術が文学としても大きな役割を果たしました。
大学受験の文学史一覧 江戸時代
江戸時代(1603年~1868年)は、町人文化が栄え、庶民を対象とした文学が大きく発展しました。
この時代は、浮世草子や歌舞伎など、エンターテインメントとしての文学が発展した時代でもあります。
- 代表的な作品
- 『好色一代男』:井原西鶴による浮世草子で、町人の恋愛や生活が描かれています。
- 『南総里見八犬伝』:滝沢馬琴による長編小説で、義理と人情をテーマにした物語です。
- 代表的な作家
- 井原西鶴:浮世草子の開祖であり、町人文化を文学に取り込んだ先駆者です。
- 松尾芭蕉:俳諧の大成者であり、彼の句は江戸時代文学の象徴的存在となっています。
江戸時代の文学は、庶民の生活や感情を題材にした作品が多く、現代に通じる普遍的なテーマが数多く描かれています。
大学受験の文学史一覧 明治時代
明治時代(1868年~1912年)は、日本が西洋文化を取り入れ、近代文学が誕生した時代です。
この時期には、翻訳文学や小説が急速に発展しました。
- 代表的な作品
- 『吾輩は猫である』:夏目漱石による風刺的な小説で、猫の視点から人間社会を描いています。
- 『舞姫』:森鴎外による短編小説で、留学経験を通じて日本人の精神性を描写しています。
- 代表的な作家
- 夏目漱石:近代日本文学の巨匠であり、知識人としての風刺的視点が特徴です。
- 森鴎外:医師でもあり、西洋文化と日本文化の相克を描いた作品が多いです。
明治時代は、日本の近代化とともに文学も急速に変化し、西洋の影響を受けた多様な作品が生み出されました。
大学受験の文学史一覧 大正時代
大正時代(1912年~1926年)は、短いながらも大正デモクラシーと呼ばれる自由主義の風潮が文学に大きな影響を与えた時代です。
この時期には、自然主義やプロレタリア文学が発展しました。
- 代表的な作品
- 『羅生門』:芥川龍之介による短編小説で、人間の本質を探求した作品です。
- 『カインの末裔』:有島武郎による作品で、貧困と家族の崩壊を描いています。
- 代表的な作家
- 芥川龍之介:短編小説の名手であり、知的なテーマと鋭い描写が特徴です。
- 有島武郎:自然主義文学の代表的作家で、貧困や人間の内面を描いた作品が多いです。
大学受験の文学史一覧 昭和時代
昭和時代(1926年~1989年)は、戦前・戦後で大きく様相が異なります。戦前はプロレタリア文学やモダニズム文学が栄え、戦後は戦争の経験をテーマにした作品が多く登場しました。
- 代表的な作品
- 『人間失格』:太宰治による自伝的な小説で、自己破壊的な主人公が描かれています。
- 『雪国』:川端康成による小説で、ノーベル文学賞を受賞した名作です。
- 代表的な作家
- 太宰治:戦後文学を代表する作家で、自己の内面を追求した作品が多いです。
- 川端康成:日本初のノーベル文学賞受賞者であり、美的な描写に優れた作風が特徴です。
まとめ:【大学受験】「時代別文学史一覧」「まとめ」これだけは覚えておきたい文学史
大学受験において文学史を理解することは、国語や日本史での得点アップに直結します。
本ブログでは、奈良時代から昭和時代までの代表的な作品や作家を紹介してきましたが、時代ごとの特徴を押さえることで、より体系的に学習が進むはずです。
それぞれの時代の背景や思想が、文学にどのように反映されているかを意識しながら学ぶことで、試験問題に対しても深い理解を持って臨むことができるでしょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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