総合型選抜【志望理由書】 NGワードと(例文あり)好まれる書き方を解説
総合型選抜は、大学のアドミッションポリシー(入学者受入方針)に基づいて評価されるため、志望理由書が合否に大きな影響を与えます。
しかし、どんなに優れた内容を書いていても、NGワードが含まれていると印象を悪くしてしまう可能性があります。
今回は、総合型選抜の志望理由書で避けるべきNGワードと、好まれる書き方について詳しく解説します。
総合型選抜の志望者理由書のNGワードとは

総合型選抜の志望理由書は、自己の目標や大学への熱意、そしてその大学が求める人物像にどれだけ合致しているかを示すための重要な書類です。
これにより、受験生は単に学力だけでなく、自分の将来のビジョンや個性、情熱を伝えることができます。
しかし、NGワードが含まれていると、せっかくの努力が水の泡になる可能性があります。
NGワードとは、内容を薄くしたり、印象を悪くしたりする言葉や表現のことです。
以下では、総合型選抜の志望理由書で避けるべきNGワードを具体的に見ていきます。
これらの言葉を避けることで、より魅力的で説得力のある志望理由書を作成しましょう。
総合型選抜の志望理由書のNGワード例
志望理由書を書く際に、次のようなNGワードを避けることが重要です。
「とりあえず」
「とりあえず」という言葉は、目的や動機が曖昧であることを示唆します。大学側に対して「本当にここに入りたいのか?」という疑問を抱かせる可能性があるため、使用は避けましょう。
「〇〇を学びたいと思いました」
この表現は、あまりにも一般的で具体性に欠けます。どのような経験を通じて学びたいと思ったのか、その理由を具体的に述べることが重要です。
「できれば」
「できれば」という表現は、意欲や決意が不足している印象を与えます。志望理由書は、自分の意思を強く示す場ですので、断定的な表現を使いましょう。
「自信はありませんが」
自信のない表現は、ネガティブな印象を与えるだけでなく、大学に対する信頼感や自分自身の可能性を疑わせる原因となります。ポジティブで前向きな言葉を使うよう心がけましょう。
「とても」「すごく」
強調するために使われがちですが、これらの言葉は主観的であり、過剰に使うと内容が幼稚に感じられることがあります。具体的な事例やデータを用いることで、より説得力のある表現を心がけましょう。
「なんとなく」
動機が不明確で、志望の理由が曖昧に感じられるため、避けるべきです。大学への熱意が伝わりません。
「どこでも良かったが」
この表現は、大学に対する特別な関心や熱意が感じられないため、不適切です。具体的な理由を明確に述べることが大切です。
「大したことはないですが」
自分の経験や実績を過小評価する表現は、自己アピールの場としてふさわしくありません。ポジティブな表現を心がけましょう。
「〇〇のため、興味があります」
「興味があります」という表現は抽象的で弱いため、具体的な経験や理由を付け加える必要があります。
「自分には特に強みはないですが」
自己PRにおいて、自己否定的な表現は避けるべきです。自分の強みや特長をポジティブに伝えることが重要です。
「ご縁があれば」
合否を運に任せるような表現は、意欲や決意が不足している印象を与えます。強い意思を示す言葉を使いましょう。
「漠然としていますが」
目標や計画が不明確であることを示唆するため、具体的で明確な表現に置き換えるべきです。
「どこにでもある学部だが」
志望する学部を軽んじるような表現は避けるべきです。学部の特色や自分との関連性を強調することが必要です。
「平均的な成績しかないが」
成績に関するネガティブな言い方は、自分の強みを伝える際に不利です。他の長所や努力をアピールしましょう。
「〇〇だからではないかと思います」
不確実な表現は、自信がない印象を与えるため避け、断言できる内容に改めることが望ましいです。
面接試験でも言えますが、ネガティブな表現、曖昧な表現は避けるべきです。もしネガティブな表現を使う場合は、その後ポジティブになるエピソードを入れるようにしましょう。
総合型選抜の志望理由書はアドミッションポリシーが重要

総合型選抜の志望理由書において、最も重要なポイントは、大学のアドミッションポリシーを理解し、それに沿った内容を書くことです。
アドミッションポリシーとは、大学がどのような学生を求めているのか、その学生像や教育理念を表したものです。
これを把握し、志望理由書に反映させることが、合格への鍵となります。
アドミッションポリシーとは
アドミッションポリシーとは、大学が求める学生像を明確にした方針であり、受験生がその大学にふさわしいかどうかを判断する基準となります。
これには、学問的な関心や学力、将来の目標、社会貢献の意欲などが含まれます。
志望理由書を書く際には、まずこのアドミッションポリシーを読み解き、自分の経験や目標がどのように合致しているのかを具体的に示すことが大切です。
志望理由書 例文
ここでは、総合型選抜の志望理由書の例文を紹介します。
以下の例を参考にしつつ、自分自身の経験や目標を具体的に表現することが重要です。
例文 医学部
「私は、将来、地域医療に貢献する医師になりたいと考えています。〇〇大学のアドミッションポリシーである『地域に根ざした医療の推進』という理念に深く共感し、貴学を志望いたしました。私の地元では、医療資源が不足しており、その現状を目の当たりにした経験から、医療の格差を是正したいという強い思いを抱くようになりました。」
例文 経済学部
「私は、現代社会が直面している経済的な課題に対して、理論的かつ実践的な解決策を見出すことに強い関心を抱いています。特に、格差問題や環境問題といったグローバルな課題に経済学の観点からアプローチすることに魅力を感じ、経済学部への進学を志望いたしました。
高校時代、新聞やニュースで報じられる経済の動向や政策に興味を持つようになりました。特に、貧困問題や環境保護と経済成長のバランスについての議論に触れたことで、経済学が社会のさまざまな側面に影響を与えることを実感しました。その結果、経済学を専門的に学び、これらの課題に対して深く理解し、自分自身で解決策を模索したいと考えるようになりました。
貴学の経済学部は、理論だけでなく実践的な教育にも力を入れており、実際の経済政策や企業活動に直結した研究が行われていることに非常に魅力を感じています。特に、経済政策や国際経済に関する講義やゼミに参加し、自分の知識を深めるとともに、将来的には政策立案や国際機関での活動を視野に入れて学びたいと考えています。
また、貴学の多様な留学プログラムやインターンシップ制度を活用し、国際的な視野を広げることも私の目標です。異なる文化や経済環境での経験を通じて、経済学をより実践的に理解し、グローバルな視点から問題を捉える力を養いたいと考えています。
このような理由から、貴学経済学部での学びを通じて、自分自身の可能性を広げ、社会に貢献できる人材になりたいと強く思い、志望させていただきました。」
自己PR 例文
志望理由書と同様に重要なのが、自己PRです。
自己PRでは、自分の強みやこれまでの経験を具体的に示し、その強みがどのように大学生活や将来のキャリアに役立つかをアピールします。
例文
「私の強みは、チームワークとリーダーシップです。高校では、サッカー部のキャプテンを務め、チーム全体をまとめる役割を担いました。チームメイトの意見を尊重しつつ、時には厳しい決断を下すことで、全国大会出場を果たしました。この経験を通じて、他者と協力しながら目標を達成する力を培いました。この能力を生かし、貴学のゼミ活動や地域貢献プロジェクトに積極的に取り組んでいきたいと考えています。」
まとめ:総合型選抜【志望理由書】 NGワードと(例文あり)好まれる書き方を解説
総合型選抜の志望理由書は、単なる書類作成ではなく、自分の人生を大学に託す重要なステップです。
NGワードを避け、アドミッションポリシーに沿った具体的な内容を記載することで、大学に対する真剣な姿勢と自分自身の魅力を最大限にアピールすることができます。
総合型選抜の合否は、志望理由書の質にも左右されます。
今回紹介したNGワードを避けるだけでなく、自分の経験や思いをしっかりと伝えることが重要です。
大学側が求める人物像に合致する内容を盛り込み、説得力のある志望理由書を作成しましょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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