【受験生向け】英語長文を正確に読む方法とは
英語の長文読解に苦戦していませんか?大学受験や資格試験などで頻出の英語長文は、ただでさえ難解な上に、時間との戦いでもあります。多くの受験生が「どうすればもっと効率的に、そして正確に長文を読めるようになるのか」と悩んでいることでしょう。
この記事では、そんな受験生のために、英語長文を正確かつ効率的に読むためのコツを解説します。語彙力の強化から文法の基礎固め、効率的な読解テクニックまで、段階的に解説していきます。さらに、実践的なトレーニング方法やモチベーションの維持法など、試験に向けた総合的なアプローチも紹介します。
英語長文読解の苦手意識を克服し、自信を持って試験に臨めるように、この記事を通じて一緒に頑張っていきましょう。
英語長文が難しく感じる理由
英語長文が難しく感じる理由は以下のようなことが考えられます。
1. 語彙力の不足
英語長文には日常会話ではあまり使われない専門用語や難解な表現が多く含まれていることが多いです。これにより、文章の意味を理解するのが難しくなります。知らない単語が多いと、一文一文の意味を取るのに時間がかかり、読解のスピードが遅くなってしまいます。
2. 文法や構文の複雑さ
英語の長文では、複雑な文構造や長い修飾語句が頻繁に登場します。特に、関係代名詞や分詞構文、仮定法などの高度な文法項目が含まれていると、その構造を理解するのに時間がかかります。また、英語特有の文法体系や表現方法に慣れていないと、意味を誤解してしまうこともあります。
3. 文脈の把握と全体像の理解
長文読解では、個々の文だけでなく、文章全体のテーマや筆者の意図、論理の流れを把握することが求められます。文章全体の流れをつかむためには、高度な読解力と論理的思考が必要です。特に、複数の意見や事例が混在する場合、それぞれの関係性を整理しながら読み進めることが難しいです。
4. 文化的背景や前提知識の不足
英語の長文には、筆者の文化的背景や特定の前提知識が含まれていることが多いです。これらの背景知識が不足していると、文章の意図やニュアンスを正確に理解するのが難しくなります。異文化理解や関連する知識の不足が、読解をさらに難しくします。
5. 時間の制約
試験では限られた時間内に多くの問題を解く必要があります。時間内に文章を読み切り、問題に答えるためには、効率よく情報を抽出し、迅速に回答するスキルが求められます。時間プレッシャーがあると、焦ってしまい、正確な読解が難しくなることがあります。
6. 精神的なプレッシャー
試験の場では精神的なプレッシャーも大きな要因となります。焦りや緊張から集中力が欠けてしまい、普段なら理解できる内容も頭に入ってこないことがあります。

苦手意識があると精神的なプレッシャーを高めてしまいます。解ける問題と解けない問題の見極めも重要です。入試は満点を取る必要がなく、合格点が取れれば良いのです。。多少は間違っても良いと思うことが、心のゆとりを生みます。
基本的な読解力を高める方法
語彙力の強化
英単語を効率的に覚える方法10選
1. スペースドリピティション(間隔反復)
スペースドリピティションとは、記憶の定着率が最も高まるタイミングで復習を行う方法です。具体的には、次第に間隔を空けて復習することで、長期記憶に定着させます。この方法を取り入れたアプリとしては、AnkiやQuizletがあります。
2. フラッシュカードの活用
フラッシュカードは、単語とその意味を表裏に書いたカードです。これを使って反復練習を行うことで、視覚的に単語を覚えることができます。デジタル版のフラッシュカードも多く存在し、アプリで手軽に利用できます。
3. 文脈で覚える
文脈の中で単語を覚えると、単語の使い方やニュアンスが理解しやすくなります。例えば、例文を作ったり、実際の文章やニュース記事、ストーリーの中でその単語を見つけたりして覚えると効果的です。
4. 単語帳の活用
単語帳は、効率よく多くの単語を覚えるのに役立ちます。市販の単語帳を使うのも良いですが、自分で単語帳を作成することで、必要な単語だけを集中的に覚えることができます。
5. 語源と接頭辞・接尾辞の理解
語源や接頭辞・接尾辞を学ぶことで、新しい単語に出会ったときにも意味を推測しやすくなります。例えば、”re-“(再び)や”-tion”(名詞化)といったパターンを覚えることで、多くの単語を効率的に覚えることができます。
6. 定期的な復習
定期的な復習は非常に重要です。新しく覚えた単語は、数日後、一週間後、一ヶ月後と、間隔を空けて復習することで記憶に定着しやすくなります。
7. アクティブリコール
アクティブリコールとは、自分で問題を作って自ら答える形式で学習する方法です。単語帳を使って自問自答することで、記憶が強化されます。
8. 多感覚学習
多感覚学習では、視覚、聴覚、書くなどの複数の感覚を使って学習します。例えば、単語を見て、発音を聞いて、実際に書くことで、記憶が強化されます。
9. グループ化
単語を関連するグループで覚えると、効率が上がります。例えば、動物に関する単語、感情を表す単語など、テーマごとにグループ化して覚えると良いです。
10. 自分だけの単語リストを作成
日常の中で出会った新しい単語をリストにしておき、定期的に見直す習慣をつけることで、実際に使う機会の多い単語を確実に覚えることができます。
文法の基礎固め
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効率的な長文読解のテクニック
スキャニング(Scanning)とスキミング(Skimming)は、長文読解の際に効率よく情報を収集するためのテクニックです。それぞれの方法について説明します。
スキャニング(Scanning)
スキャニングとは、特定の情報を探すために文章を素早く目で追う方法です。具体的には、数字、名前、特定の単語やフレーズなどのキーワードを見つけるために使います。この方法は、以下のような場面で特に有効です。
- 試験問題で、具体的な情報を問う設問に答えるとき
- 電話番号や日付など、特定のデータを探すとき
- リストや表から必要な情報を見つけるとき
スキャニングの手順
- 質問や探したい情報を明確にする: 何を探すのかを明確にします。
- 目立つキーワードを決める: 探したい情報に関連するキーワードを決めます。
- 文章を素早く目で追う: キーワードに焦点を当て、文章をざっと読みます。
- キーワードを見つけたら、その周辺を詳しく読む: キーワードを見つけたら、その前後の文を詳細に読んで確認します。
スキミング(Skimming)
スキミングとは、文章全体の概要を把握するために、文章をざっと読み流す方法です。具体的には、重要なポイントやテーマ、主なアイデアを把握するために使います。この方法は、以下のような場面で特に有効です。
- 文章全体のテーマや主旨を理解するとき
- 長文を読む前に、内容の概要を掴むとき
- 試験で時間が限られているときに、どの部分に詳しく目を通すかを決めるため
スキミングの手順
- タイトルや見出しを確認する: 文章のタイトルやセクションの見出しを読み、全体のテーマを把握します。
- 各段落の最初と最後の文を読む: 段落の主題文(トピックセンテンス)は通常、最初や最後に位置していることが多いので、これを読むことで段落の要点を掴みます。
- 太字や斜体、リストなどをチェックする: 重要な情報は目立つように書かれていることが多いので、これらを確認します。
- キーワードや繰り返し出てくるフレーズに注意する: 文章全体で何度も出てくる単語やフレーズは、重要なテーマやアイデアを示しています。

長文を読む前に設問を確認する、内容真偽があれば内容審議を読むことも長文を早く読むためのテクニックです。内容真偽は長文に書かれている内容が〇なのか×なのかを選ぶ問題です。内容審議を読めば、長文のテーマがつかみやすくなります。
読解力向上のための実践的なトレーニング
段落ごとの要約
段落ごとの要約の手順
- 段落を読む前に目的を確認する
- なぜその段落を読むのかを明確にし、特定の情報やアイデアを探す目的を持ちます。
- トピックセンテンス(主題文)を探す
- 通常、段落の最初か最後の文に段落の主旨が含まれていることが多いです。まずはこの部分を注意深く読みます。
- トピックセンテンスが見つかったら、段落全体のテーマが理解しやすくなります。
- 段落全体をざっと読む
- トピックセンテンスを確認した後、段落全体をざっと読みます。このとき、主要なポイントやサポートの情報に注意します。
- 重要なキーワードやフレーズに印をつけると良いでしょう。
- 重要なポイントを抜き出す
- 段落の中で特に重要だと思われる情報を抜き出します。これには、具体的な事例、統計データ、筆者の意見などが含まれます。
- 不要な詳細情報や繰り返しの部分は無視します。
- 要約文を作成する
- 抜き出した情報を基に、段落の要点を簡潔にまとめます。要約文は通常、1〜2文で十分です。
- トピックセンテンスと主要ポイントを組み合わせて、段落全体の主旨を正確に伝えるようにします。
- 要約文を見直す
- 作成した要約文が段落の内容を適切に反映しているか確認します。必要に応じて修正します。
具体例
技術の進歩は日常生活に大きな変革をもたらしています。スマートフォンやインターネットの普及により、情報の入手が以前よりもはるかに簡単になりました。また、オンラインショッピングやデジタル決済の普及も、消費者の行動を大きく変えました。さらに、AIやロボティクスの進展により、労働市場にも変化が生じています。これらの技術革新は、私たちの生活をより便利にする一方で、新たな課題も生み出しています。
要約の手順
- トピックセンテンスを探す
- 「技術の進歩は日常生活に大きな変革をもたらしています。」がトピックセンテンスです。
- 段落全体をざっと読む
- スマートフォンやインターネットの普及、オンラインショッピング、デジタル決済、AIやロボティクスの進展についての情報が含まれています。
- 重要なポイントを抜き出す
- スマートフォンとインターネットの普及
- オンラインショッピングとデジタル決済の影響
- AIとロボティクスの進展と労働市場への影響
- 生活の便利さと新たな課題
- 要約文を作成する
- 「技術の進歩により、スマートフォンやインターネットが普及し、オンラインショッピングやデジタル決済が消費者行動を変え、AIとロボティクスが労働市場に影響を与えている。これにより生活が便利になる一方で、新たな課題も生まれている。」
段落ごとの要約をすることで、文章全体の構造を把握しやすくなり、内容の理解が深まります。これにより、効率的に情報を整理し、必要な部分に集中して学習することができます。継続的に練習することで、要約力が向上し、読解力全体の向上にもつながります。
過去問を活用する
過去問を効果的に使うことで、試験対策をより効率的に進めることができます。以下に過去問の効果的な使い方を説明します。
1. 初期段階での自己評価
現状把握のために、まず一度過去問を解いてみましょう。これにより、自分の強みと弱みが分かり、どの分野に重点を置いて学習すべきかが明確になります。
方法
- 時間を計りながら、本番と同じ条件で解く。
- 問題を解いた後、答え合わせをし、正答率を確認する。
2. 分析と弱点の特定
解いた過去問を分析し、間違えた問題や時間がかかった問題を特定します。このステップで、自分の弱点を明確にします。
方法
- 間違えた問題をカテゴリ別に分類する(文法、語彙、読解など)。
- なぜ間違えたのかを考え、具体的な原因を記録する。
3. 弱点強化のための学習計画
過去問の分析結果を基に、学習計画を立てます。特に弱点を重点的に強化する計画を立てましょう。
方法
- 間違えた問題の分野ごとに参考書や問題集を使って復習する。
- 同じタイプの問題を集中的に練習する。
4. 定期的な過去問演習
定期的に過去問を解くことで、学習の成果を確認し、進捗をチェックします。これにより、学習の効果を実感しながら、モチベーションを維持することができます。
方法
- 1週間に1回、または2週間に1回程度の頻度で過去問を解く。
- 解いた後に必ず答え合わせをし、間違えた問題を復習する。
5. 模擬試験の実施
過去問を使って模擬試験を実施することで、本番の試験環境に慣れ、時間配分の練習ができます。
方法
- 本番と同じ時間設定で試験を行う。
- 実際の試験会場と同じような静かな環境で行う。
- 模擬試験後に自己採点し、結果を分析する。
6. 問題パターンの把握
過去問を繰り返し解くことで、出題傾向や問題パターンを把握することができます。これにより、試験本番での予測が立てやすくなります。
方法
- 複数年分の過去問を解く。
- 出題頻度の高いテーマや形式をメモする。
7. 振り返りと改善
定期的に学習の振り返りを行い、改善点を見つけて学習方法を修正します。これにより、常に効率的な学習が可能となります。
方法
- 学習ノートや記録を見返し、進捗を確認する。
- 自己評価を行い、必要に応じて学習計画を修正する。
過去問を効果的に使うためには、単に解くだけでなく、解いた後の分析と復習が重要です。定期的に過去問を活用し、弱点を補強しながら学習を進めることで、試験本番に向けた万全の準備が整います。自分の進捗を常にチェックし、柔軟に学習計画を修正しながら取り組むことが重要です。
精読と速読の使い分
精読と速読を使い分けることで、効率的に英語の長文読解力を向上させることができます。以下に、それぞれの使い分け方法を説明します。
精読の使い分け方法
- 新しい内容や難解な文章の理解
- 精読は、新しい内容や難解な文章に対して有効です。特に論文や高度な専門知識を含む文章は、丁寧な精読が必要です。
- 詳細な理解が求められる場合
- 文章の細部にまで理解が必要な場合、精読を行います。例えば、試験問題や学術的な論文では、一つ一つの文を丁寧に解析する必要があります。
- 語彙や文法の学習
- 新しい語彙や文法を学ぶ際にも、精読が有効です。文脈を理解しながら単語や文法を確認することで、より効果的な学習が可能です。
- 議論や論理の展開の理解
- 論文や議論の文章では、筆者の意図や論理の展開を理解することが重要です。このような場合、精読を行い、文章の論理構造や主張を正確に把握します。
速読の使い分け方法
- 全体の流れを把握する場合
- 文章の大意や主要な内容を把握する際には、速読が有効です。長文の場合、まず全体をざっと読み流して全体の構造を把握します。
- 複数の情報源から情報収集する場合
- 記事や情報誌など、複数の情報源から情報を収集する際には、速読が役立ちます。短時間で多くの情報を収集することができます。
- テーマやトピックの理解
- 特定のテーマやトピックに関する広範な理解を深める際にも、速読が有効です。関連する複数の記事やブログを速読して、大まかな内容を把握します。
- 読解スピードの向上
- 長文読解のスピードを向上させるためには、速読を継続的に行うことが重要です。短時間で多くの文章を読み、読解スピードを鍛えます。
使い分けのポイント
- 目的を明確にする
- 読む目的や読解に必要なレベルに応じて、精読と速読を使い分けます。目的に応じて適切な読解方法を選択します。
- 時間や状況に応じて変更する
- 時間が限られている場合や、複数の情報源を効率的に処理する必要がある場合には、速読を優先します。一方、理解度を深める必要がある場合には、精読を行います。
- バランスを保つ
- 精読と速読をバランスよく取り入れることで、読解力の向上が図れます。両方のスキルをバランスよく練習し、総合的な英語力を高めましょう。
精読と速読は、それぞれの特性や目的に応じて使い分けることが重要です。目的や状況に応じて適切な読解方法を選択し、バランスよく練習することで、効果的な英語の長文読解力を身に付けることができます。

読み間違いが多い人は、精読のトレーニングから始めることをおすすめします。精読のスピードが上がれば、自然と正確に早く文章が読めるようになっていきます。
精読のトレーニングにおすすめな問題集
英語長文を正確に読むためには、継続的な訓練と自己評価です。定期的に長文を読み、理解度を確認することで、読解力が向上します。また、焦らずに根気よく取り組むことも大切です。挫折せずに努力を重ねることで、自信をもって長文読解に挑めるようになっていきます。

科目の特性上、対策したらすぐに点数に結びつく科目ではないです。日々のトレーニングが必要です。トレーニングを続けると何となく自分なりのコツをつかむようになります。そのコツをつかむまでは、焦らず根気よく取り組むように努力しましょう。
私は、新卒から約20年大手大学受験予備校の職員として働いておりました。現役生や浪人生、国公立医学部を受験する生徒から私立文系を受験する生徒まで、数千名の生徒と向き合ってきました。受験校の相談や学習方法の相談、受験勉強の息抜きなどさまざまな相談、時には生徒から教えてもらうことも。今までの経験を少しでも受験生に役立つ情報をお届けできたらと思っています。
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